「Think with Google」に関するご紹介
皆さん、「Think with Google」をご存じでしょうか? これはGoogleが運営する、デジタルマーケティングや生活者インサイトに関する最新データ、調査レポート、事例を紹介する公式情報メディアです。私は仕事柄「Think with Google」に記載のコンテンツをとても参考にしており、自分の調査研究に非常に役立っています。今回はその中から「初回購入時の肯定度」について紹介したいと思います。正確に言うと、初回購入時の肯定度(しっかりと事前調査した後、十分に自信を持った上で購入=高い肯定度)がその後の継続購入の決め手となっていると、Google側は述べています。
継続購入の勝負は初回購入時(F1)についている?
多くの事業者は、顧客のLTV向上を目指して初回購入(F1)顧客に対し、2回目の購入(F2)や3回目の購入(F3)をねらい、マーケティングアプローチを講じていることと思います。F1の顧客がその後離脱せずにF2、F3へと転換すれば、事業者にとってはこの上ない喜びとなります。しかしながら「Think with Google」によればどうやら話はそう簡単ではないようです。というのも、F2、F3への継続的な転換は、実はF1の時点で決まっていると「Think with Google」では述べられているからです。つまり勝負は最初の段階でついているということです。
「肯定度」の高い/低い別での次回購入意向に関する実態
次のグラフは同社(Google)が実施した消費者アンケートです。初回購入時にその購入商品・サービスに対する「肯定度」の高い/低い別に、次回購入の意向を問うた内容となっています。ご覧の通り全ての商品・サービスに対し、肯定度が高い消費者の方が次回も購入したいと考えています。「肯定度」が高い状態でのF1購入は、事業者が提供する情報コンテンツのみならず、購入者レビューやSNSでの口コミを十分に参考にしつつ、納得した上で購入しているということでしょうか。逆に「肯定度」が低い状態でのF1購入と言うのは、換言すれば「よくわからないけど取りあえず買ってみておくか」といったことでしょう。これだと結局のところ長続きせず事業者側から見てLTV向上は期待しづらいということになります。

出所:「Think with Google」 n=10,000 調査時期:2021年9月
初回購入時の価格引き下げ戦略は有効か?
例えば、初回購入時に大幅に価格を下げて購入のハードルを低くし、とりあえず商品を試してもらいたいとする戦略は頻繁に行われています。特にコスメやサプリメントといった商材カテゴリーで多く目にします。いわゆる「単品リピート通販」と言われる世界でしょうか。このような初回購入時に価格を下げる戦略は、多くの消費者に自社商品を手にしてもらえるチャンスが広がる一方で、それほど「肯定度」が高くない状態で購入する消費者が一定数いることでもあります。つまり、一見すると良い戦略に見えますが、「肯定度」の観点ではF2、F3になる確率が決して高くない消費者も多くいるということです。この戦略には両面性があることが想像できます。
LTV向上に向けて
F1顧客を何とかしてF2、F3に転換させようと、多くの事業者は苦心していることと思います。またそれを支えるマーケティング企業や広告代理店などの支援企業も、LTV向上施策の名のもとにそのような取り組みを事業者に対し行っていることでしょう。それはそれで決して効果がないわけではなく、中には大きな実績を挙げている事例は多くあると想像します。しかしながら、上述のような「初回購入時の肯定度」について十分理解している方々はそれほどいないのではないでしょうか。この点を上手く加味すれば、さらなるLTV向上へとつなげることができるように感じます。
まとめ
あらためて話を整理すると「Think with Google」によればとにかく初回購入を検討する消費者に対し、十分納得できるコンテンツを提供することがその後の継続購入を期待する上で重要であるということです。文字で書くと簡単なように見えますが、言うは易く行うは難しで、実態としてはなかなか難しい面はあるでしょう。しかし是非この点を意識して取り組んでいただけたらと思います。勝負は実は初回購入時についている。この点を意外な盲点と思って頂いた方に対しては特にそのように思う次第です。最後に「Think with Google」にはその他にもとても参考になるマーケティング系のコンテンツが記載されていますので、是非参考になさってみてください。