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広告の単体の「勝ち負け」のない時代に

AIの登場により、バナーのクリエイティブが自動で作れるようになってきました。

まだまだ若干のAI感は残っているものの、十分に使えるレベルのクリエイティブが一瞬で出来上がるというのは革命的で、つくづくこれから先の未来は「AIとの共存」になるのだなと思わされます。

広告の費用対効果は悪くなる一方

一方で、全世界的にWEB広告への出稿金額は増え続けている結果、競争は激しくなり、広告の費用対効果は悪くなり続けています。クリエイティブ制作のハードルが下がった結果、今後競争はより激しくなり、多少便利になってもWEB広告代理店は改善に追われて忙しくなっていくことが想定されます。

競争は次のフェーズへ、アフターAIで生き残るための広告はどうすればよいのでしょうか。

広告は「単体」から「文脈」へ

実は昨年、Meta広告の入札に地味ですが大きなアップデートがありました。何かというと、「購入」目的の広告でも「広告が表示される順番」を設定できるようになった、というものです。

これがどういうことかというと、ユーザーが広告に触れるフェーズによって、訴求内容がコントロール出来るようになった、ということです。

例えば

  1. 広告が初めて表示されるユーザーには少しセンセーショナルな、興味を惹いて印象に残す
  2. 次に表示される時は、「安心・安全」をアピールする広告
  3. 最後に、割引などのキャンペーン情報を表示することで購入へ

といった、ユーザーの検討段階に合わせた広告のコントロールが想定されます。

今まではユーザーがどの検討段階にいるか、ランダムに広告を表示させていたことで、割引がなくても買うユーザーに割引を提示していたり、最初の「覚えてもらう」ことに費用を割きづらい、などの課題がありましたが、上手く設計をすることによってそれが解決できるようになります。

こうなると、ひと昔前の広告運用でよく言われていた「勝ち負けクリエイティブ」の概念だけでは説明できない攻略パターンが必要になります。

WEB広告代理店に求められるのは、ただ「売れる」クリエイティブをAIで量産させるのではなく、ユーザーのインサイトに合わせ、感情を動かす体験を広告・LPで作れるかになるのではないでしょうか。

広告だけでない、オーガニックのSNS運用との連動

WEB広告の設計が複雑化している背景には、「消費者も学習している」ということもあるでしょう。多少アルゴリズムをハックしてバズらせたり、大げさな表現でクリックをさせても購買にいたる前に企業側の意図は見透かされてしまう。

そうなると、一撃必殺で購入をさせる広告で成果を出し続けるのは難しく、SNSの運用や、継続的なPRでユーザーとの関係性を細く長くもっておくことの重要性が増しています。

やるべきことは多いですが、シンプルに「ユーザーに信頼してもらう情報を揃える」「一度信頼してもらったら約束を守り続ける」という、当たり前のことをちゃんとやるしかないのだなと。改めて思わされる日々です。

まとめ

AIの進化によって、広告の制作工程は劇的に効率化しました。バナーも動画も、一定のクオリティまでは一瞬で到達できます。しかし、その「一定のクオリティ」が誰でも出せる時代になったからこそ、競争の本質は別の場所へ移りました。

これからの広告は、単体のクリエイティブの良し悪しではなく、「どの順番で、どの文脈で、どんな感情の流れをつくるか」という設計勝負になります。AIが武器になるのは事実ですが、それはあくまで“量産と最適化”の部分。ユーザーがどんな不安を抱え、どんな期待を持ち、どんなタイミングで背中を押されたいのかを描くのは、人間側の仕事です。

AIによって様々な煩わしいことがスキップできるようになった分、人間と仲良くなろうと、人と会う頻度、会話する量を増やしていこうと思います。皆様これからも、何卒よろしくお願いいたします。

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客員講師

矢崎 宏一郎

(株)ISSUNチーフマネージャー

得意分野はWEB広告、EC販売支援。WEB広告のなかでもAI系広告を得意とし、事業規模に合わせた集客戦略でD2Cの売上を2年で10倍にするなどで、日本上位3%の代理店であるGoogle Premier Partner認定に貢献。

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