最近の楽天ショップに多い5タイプ
JECCICA特別講師 清水 将平
2010年5月に独立した私は、2012年3月頃までセミナーを開催していましたが、その後講師依頼での外部セミナー以外、2年半ほど全くセミナーを開催していませんでした。
というのも単純に、セミナー参加者からの個別相談やクライアントの紹介の対応だけで手一杯だったからです。
ただ、楽天市場も4万店に達し、機能も複雑化してきたことにより、昔と違う悩みがあるのではないかと感じはじめ、もう一度原点に帰り、ショップの現実を理解して、より多くの困っているショップさんをサポートできるサービスを立ち上げようと、昨年8月から全国でセミナーを開催することにしたのです。
そして、1年間で約800名の楽天ショップの運営者に参加いただきましたが、2〜3年前とかなり異なり…多種多様な運営者が増えたという印象です。
モールによる出店営業が過剰な理由も考えられますが、多くみられるいくつかのケースとその事例をご紹介したいと思います。
定年退職後など年配の方
例えば、実際には68才の方が、退職金を資金に楽天市場に出店されており、趣味の延長で作った雑貨を売っているという方や、地方で実店舗のサロンを運営している72才の方が、そのお店の商品を販売しているなど…
何れも楽天市場にオープンした途端、営業の電話が増えて、数々の業者に依頼したものの売上が伸びず、弊社のセミナーに参加されたのですが、年配の方は、着実に習ったことを愚直に実行されるケースが多く、売上規模は小さいものの、少しずつ売上は伸びているようです。 (が、儲かっているはどうかは?です。)
Amazonからはじめた方
「楽天市場では、100万も売れません…」というセミナー参加者の方には、実は、Amazonでは数百万〜1000万を1〜2人で販売されているケースもよくあります。
昔は、ヤフオクから始められて、楽天市場に出店されるケースが多かったのですが、商品数が少なくても価格や商品力があれば、簡単に売れるAmazonから始められると、多くのショップに埋もれてしまう楽天市場では、苦労されるケースが多いようです。(そしてよくわからないまま広告を購入され…)
1人で運営している方
このような方は、ネットショップに興味を持ち始め、一番有名な楽天市場に何気なく資料請求をしたことがキッカケで、出店営業され、出店された方に多いようです。
ただ、これは1人の会社という意味ではなく、ネットショップや通販事業が本業ではなく、楽天ショップを運営するスタッフが1名しかいないというケースも含みます。
このようなケースは、結局何から手を付けて良いかわからない状態で、担当ECコンサルタントや営業される会社の提案により、更にわからなくなって困られているケースが多いようです。
ページを拝見すると、基本的なことが全くできてないというパターンが多いのですが、楽天市場の機能も複雑になり、マニュアルを読んでもわからないというのも問題なのかもしれませんね。
そして、1人で運営している方に便利な楽天市場対応サービスも増えてきましたが、結果的に出店料と同じくらいの費用がかかるという結果に… せどり、無在庫販売の方 ここ数年で情報商材と呼ばれるコンテンツビジネスが流行り、サラリーマンでもできる副業として、せどり、無在庫販売のノウハウが広がるようになりました。
固定費の負担がほとんどないAmazonやヤフオクで儲けた方が、楽天市場にも出店されるケースもあるようです。
ただ、楽天市場の場合、注文後のキャンセルが容易であり、注文者から楽天へのクレームも増えていると思われますので、出店審査でのインボイスや在庫の有無など、審査基準も増やして、出店するのが難しくなってきているようです。
売れれば何でも良い方
楽天市場などモールのランキングを見て、売れているものと同じものを販売される方、アリババなどを介して売れそうなものを仕入れて、販売される方。
売れなくなるとまた違う商品を仕入れて…もともと本業があるわけでもなく、売らなければならない在庫があるわけでもないので、非常にフットワークが軽い反面、モールという同じものを継続的に売ることが一番大事なプラットフォームでの商売では、安定した売上を作ることに苦労されるケースが多いようです。
脱サラされた方
有名通信企業、IT企業の人事部出身など、そういう方もいらっしゃいます。
どうやらサラリーマン時代にできた人脈を利用して、今まで紹介したパターンの組み合わせで、副業としてAmazonから無在庫で始めた結果、サラリーマンの年収を超えてしまい、会社を設立したという方も…なかなか凄い時代ですね。
まとめ
もともと弊社のクライアントは、オフラインの本業がうまくいかなくなり、楽天市場からはじめて大きくなったネットショップメインの方が多かったのですが、ここ1年のセミナーを通して、楽天市場に出店するということは、個人にとっても非常に身近になってきたと感じました。
インターネット、スマートフォンの普及により、個人でも数百万〜1000万以上を売れるほど、活躍できる時代になってきたのだなという印象が強いです。
そのような個人の方は、ITリテラシーも高く、失うものがない分、チャレンジ精神も非常に高い傾向にあります。
これからは、パソコンが当たり前に使えて、スマートフォンだけで稼ぐような20代も増えてきそうですね。
あと数年で、ネットショップのライバルは、20代前半の若者になるかもしれません。
として、外国語に堪能な若者が、世界中でものを売るのが当たり前になってくるのではないでしょうか。
ぜひ早い段階からこのような若者を仲間に入れることも考えてみてください。
JECCICA特別講師 清水 将平
EC得意分野/楽天などモール出店ショップ支援 日本ECサービス株式会社 代表取締役社長 ECマーケター。 元楽天ECコンサルタントとして数千店舗を担当。 独立後、月商数千万円規模のショップをメインに会員制サービス「ECマスターズ」を運営。