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SEM(サーチエンジンマーケティング)とLPO(ランディングページの最適化)

JECCICA特別講師 笹本 克

笹本さん

 

仮に「みかん」というコトバで検索して、出てきたキーワード広告をクリックしたら「りんご」のページだったとします。

この時検索ユーザーは、即座に「見るべき価値がないサイト」と判断して検索結果のページに戻り、次の「じっくり見るべき」(であろう)サイトを探し始めます。

読者の皆さんのほとんどが同じ様な行動をとるのではないでしょうか。

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もう少し言えば最初のクリックは、検索結果のサイト説明文を「ほぼ直観的」に「=超ナナメ読み状態」で「=テキト~」に判断しているかと思います。

そしてリンク先のランディングページも「じっくり見るべき価値があるかどうか?」を「ほぼ直観的」に「かなりテキト~」に判断しているかと思います。

 

「検索結果」という“ページ”がユーザーに示唆している大変重要な要素があります。

それは「他にもいくらでもサイトがある」ということです。

少なくとも現在のPCユーザーはHPのダウンロードにほとんどストレスを感じません。

 

したがって「超ナナメ読み状態」でサイトの選択を行い、そして「他にもいくらでもある」ので「超ナナメ読み状態」のままショップから離脱していくということに皆さんお気づきでしょうか。

SEMの最初の基本は「直帰率を低減すること」ですが、直帰率が下がれば当然ながらCVRの向上にも繋がります。

そしてCVRが向上すればクリック単価の高いキーワードでも広告が出せる可能性が高くなります。

従って集客増へも繋がるわけです。

 

直帰率の低減はこれほど重要な要素となりますが、ここで忘れてはならないのが、「超ナナメ読み状態」で【直観的に】ショップの内容を【判断】されているということです。

 

 

人の脳がある事柄について認識をする際、一番初めに「色彩」を認知します。

明るい/暗い  暑い/寒い  興奮/安静など、色彩は様々な「雰囲気」をほぼ本能的に訴求してしまうのです。

また詳細は割愛しますが、実は色彩は「金額的な範囲」もイメージさせます。

たとえば“漆黒の”店構えのすき焼き屋と“オレンジ色の”店構えのすき焼屋とではどちらが高そうでしょうか。

この本能的な認知段階では、文章はほとんど無視されています。

見ているだけで読んでもらえてはいません。

あくまで直観的な「雰囲気」での判断なのですが、これが直帰率に「大きく影響」します。

 

 

笹本のコンサルティングの実例では商品ラインアップやサイトのレイアウト自体は全く変えずに、1文字分程度の幅のスペーサーの色を変えただけで売上が4割以上向上した例もあるのです。

これほど大きな要因である色彩(およびコンビネーション)をあまり深く考えずに「勘とセンス」だけでショップを構築しているのは大変もったいないと思っています。

直帰率の低減にはLPO(到着ページの最適化)が欠かせませんが、直帰率の低減の「根本」は、検索キーワードが暗喩する「ユーザーニーズ」とランディングページの「雰囲気」が【合致】していることです。

 

ここで重要なことは、あくまで直観的に感じる「雰囲気が合致していること」であり、実際にユーザーニーズに合う商品やサービスがショップの中にあるかどうかは「関係がない」のです。

見るべき価値があるサイトという判断をした後でしか、読み始めないし商品を探し始めないのです。

たとえユーザーニーズにズバリ合致する商品が存在していてもメニューさえも読んでもらえない段階で離脱されればそこで終わりなのですから。

 

つまりLPO的側面から言えば直帰率の低減には、メニューなどのユーザビリティーの改善やウリ=セールスポイントの訴求を行うよりも前に、まずユーザーニーズ=ユーザーがイメージしていることとサイトの雰囲気の合致が大切になってくるということです。

 

このユーザーニーズ(デマンド)とランディングページとの雰囲気の合致を笹本の講座などでは「ありそうだ感」という造語で説明しています。

「ありそうだ感」がなければ検索結果に戻り次のサイトを見に行くのは前述の通りですが、「ありそうだ感」を構築することとはお客様が期待しているコト/モノを期待通りに提案するということであり、これは商いの基本であると同時にLPOの根本であり、そしてこれを深く考えることがSEMの損益分岐点を向上させることになります。

 

例を挙げて説明しますね。

たとえば検索広告のコピーが

A「カワイイ ジュエリー」

B「かわいい ジュエリー」

C「エレガントな ジュエリー」

3つあったとします。

 

お客様がその検索広告をクリックしたということはコピー自体は「お客様の興味を惹いた」わけですが、当然ながら「カワイイ」をクリックしたお客様は「カワイイ」モノを期待しています。

ではリンク先のランディングページはどのようなショップであって欲しいでしょうか?

  • 色はどんな感じ?
  • 商品群の価格帯は?
  • ちなみに検索ユーザーは何歳ぐらいでしょうか?ではご予算は?

 

同じ質問ですが、「エレガントな」をクリックしたお客様は、どんなランディングページであって欲しいでしょうか?

  • 色はどんな感じ?
  • ちなみに検索ユーザーは何歳ぐらいでしょうか?ではご予算は?
  • ランディングページに3~4千円の商品群が並んでいたら、欲しいモノをここで探しますか?
  • それとも他のショップに移りますか?
  • 一般的に考えて3~4千円で「エレガント」が買えると思いますか?では1万円では買えますか?

 

さらに質問です。(検索広告の費用対効果を向上させるヒントとして笑)

  • 「エレガントな」と「カワイイ」では期待できる顧客単価が何倍ぐらい違いますか?
  • 仮に期待できる商品単価が「カワイイ」=3千円「エレガント」=12万円で、 「エレガント」の検索数が「カワイイ」の1/30であった場合、期待できる売上はどちらが高いでしょうか?

 

もうお分かりかと思いますが「エレガント」を期待していたお客様は、カワイイ雰囲気のex.ピンクが印象的なショップを見た瞬間に「ありそうだ感」がないので離脱して行き、もうそのショップでエレガントなジュエリーを探そうとはしないでしょう。

「カワイイ」を期待していたお客様は、高級感あふれるショップを見た瞬間にやはり離脱していくと思います。

となれば「カワイイ」と「エレガント」の検索広告が同一のページにリンクされているところから、まず改善すべきではないでしょうか。

もちろんビッグワードの「ジュエリー」で検索広告を出すのであれば、ランディングページは天才レベルのクォリティーであるべきです。

 

なおAとBついては詳細は割愛しますが、語感は微妙な差でもお客様の年齢層や期待できる商品単価(価格帯)については思いのほか大きな差があることを申し添えます。

ひらがなの「かわいい」ならば40代ぐらいまでありえると笹本は思うのですが・・・。

 

LPOを意識しながら検索広告のコピーや広告を表示するキーワードを考察してゆくことは、どんなお客様がどのようなモノを期待しているかを考えるペルソナマーケティングにもつながります。

お客様の顔が見えないネットだからこそ、より深くお客様のニーズやデマンドを察知してお客様の期待に応えたいですね♪

 

 

JECCICA特別講師 笹本 克

笹本さん

自治体・関連団体にもEC関連の講演や講師を務め、DeNA、Yahoo!Japanショッピング事業部へのレクチャー、ドリームゲート起業講座の他、コンサルサイトの累計約600社、多業種でのコンサル実績も豊富。

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