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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol㊴ 顧客が発信するライフシフト時代の新たなメディアとは?

シニア予備軍のABS世代が若い頃に影響を受けたメディア
私(鈴木)が一昨年提言したABS世代とは、「JJガールと、POPEYE少年のその後とは?」をテーマにしていますが、ABS世代は若い頃に雑誌で大きな影響を受けています。今年の4月から仲間のクリエーターと、毎月1回定期的に実施している、音声のSNS、Clubhouseで、5月15日に「若い頃に影響を受けたメディア」をテーマに議論しましたが、参加者はやはり若い頃には雑誌の影響が大きかったようです。
1980年前後の当時は、もちろんインターネットがない時代。その頃に私も雑誌とその記事から発信された情報を友人たちと共有してマニュアルとし、流行りのファッションに身を固め、ディスコやサーフィンで遊んでいました。

雑誌に触発された世代は再び雑誌がバイブルに!
そんなミーハーだった私が、40代を迎えるに際して再び遊ぶきっかけを得たのも、1999年5月に光文社から発売された雑誌「BRIO(ブリオ)」でした。
BRIOは、昔JJを読んで影響を受けた30代主婦向け雑誌「VERY」の姉妹紙で、主に40代の東京や大阪等の大都市在住で、エグゼクティブのライフスタイル全般を提案した雑誌でした。
誌面構成はJJやVERYと同じく、等身大+αレベルの読者モデルを起用し、若い頃と今のライフスタイルを対比させながら、何歳になっても「シティボーイ」であることがカッコいい生き方と提案し、復活ディスコの火付け役でもありました。しかし、そんなBRIOも雑誌不況の波にのまれ、2009年8月号を最後に休刊となっています。

寿命が延びたこれからの時代に生きがいを得るには?
話は変わりますが、寿命が延びた今、人生100年時代と言われ、同時に社会保障制度の見直しや定年の延長など、「生き方改革」が大きなテーマとなっています。
従来までは、生まれてから20年成長と勉強をし、社会に出て40年働き、その後は退職金と年金で老後や余生がありました。しかしこれからは、社会に出て40年間会社や家族のために働いた後は、本人の「気持ち」次第で、定年後もマイペースで自身の強みを活かし、働きながら人生を楽しめる時代が来たのです。
人間は社会的な生き物であり、社会や人と関わり、大切な人の笑顔を見ることで、自身の承認欲求や自己実現欲求が満たされ、幸せや生きがいを感じるのです。この考えは、心理学者のアブラハム・マズローの「欲求五段階説」や、エイジング学として昨今日本でも注目され始めた「ジェロントロジー学(美齢学)」でも論証されています。日本社会から「定年制度」を廃止すれば、寝たきり老人は居なくなるという学者も居ます。

誰も経験したことがない人生100年時代のバイブルが必要
とは言え、人生100年時代とは人類未体験の時代であり、これまでにロールモデルも無いため、私たちはどのように生き方改革を行えば良いのかが分かりません。そんな回答のない時代だからこそ、再び読めば「やりたいこと」が自然と湧き出て、ワクワクする「コト」が見つかるような、「真の大人」のバイブル書が今こそ必要だと思います。
しかし、POPEYEやBRIOの頃と異なるのは、媒体社がリードしてムーブメントを起こすのではなく、インターネット、とりわけ「SNS(ソーシャルメディア)」で、顧客が特定なテーマの尖った情報をその人の「感性」で発信し、そこから口コミやコミュニティが形成され、メディアはその情報を拡散させる「アンプ機能」としての側面が大きくなったことです。
この考え方は、フィリップ・コトラー著「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」でも、これからの時代は顧客がスマートフォン、SNSからの発信と口コミで、笑顔をもたらす「感動体験」を求めていると提唱しています。本当に価値あるモノ・コトは口コミで、コミュニティで支持される。いわば時代が原点回帰した訳です。

ABS世代のインフルエンサーからの発信に期待!
私は、1970年代後半から1980年代のバブル期に青春時代を過ごしたABS世代には、SNSによる影響力・拡散力が大きいインフルエンサーが多数存在していると感じています。その背景には、唯一バブルの財産とも言える「直感と感性を生かす仕事」を経験し、「ポジティブな気分」の楽しさと面白さが身にしみているからです。
60歳を過ぎて、酸いも甘いも噛み分けた「真の大人(真成人=しんせいじん)」のバイブル書は、「顧客が主体となって」コンテンツを発信しコミュニティを形成する。それを媒体社が後追いで拡散して、多くの人のバイブルとなる。そしてメーカー等の事業会社が、そのような顧客から発信された情報をマーケティングに生かす時代が到来したのです。

■ABS世代
昭和30(1955)年から43(68)年生まれの、若者時代にバブルを謳歌した世代。

私が今でも保管している雑誌BRIO。これからは顧客が発信してライフシフトを創造する時代が到来するのです。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


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