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ECシステムリニューアル時のポイントといくつかの注意事項~プラットフォーム選定とカスタマイズ、コスト配分と体制など~

プラットフォームの選定に悩む…!?
コンサルティングやマネジメントのお仕事をさせていただいていると、様々なシステムの構築に関わることが多くあります。
まったく新規に構築することもありますが、課題解決のためのシステム追加・改修や、場合によっては全面リニューアルのお話もあります。
ECシステムに限ったことではありませんが、システム構築の際に悩むのはまずプラットフォームの選択です。
楽天やYahoo!のようなモールへの出店ではなく、自社ECサイト構築の場合は、このプラットフォームの選択によって大きく方向性が決まってきます。

最近は市場から求められることが多いのか、またはEC事業者様の危機感からなのか、あれもこれも必要だといわれることが多い傾向にあります。
事業計画~RFP作成~要件定義というフェーズの中で、重要度と緊急度を整理しても、結局一番カバー範囲が広そうな方向へと意思決定が流れていくように見受けられます。自社の課題と重点施策に沿って段階的にひとつひとつ問題解決してゆくことが肝要かと思います。具体的な施策が決まっていない機能を導入することはできませんし、適当にフィッティグしても有効に使われない機能になるだけだと思います。

当たり前ですが、何でも都合よく解決してくれる魔法のツールはないわけで、EC事業者様だけではなく、そこは多くのコンサルタントたちも悩んでいるのです。

プラットフォームが決まったらほぼ開発も半ば…!?
前段のようにプラットフォーム選定は、時間がかかったり、意見が二転三転したりします。全面リニューアルの際には、せっかく変えるのだからプラットフォームも一新して…となることが多いでしょうか。新しいプラットフォームの導入を検討する際には、そのプラットフォームを学ぶ時間が必ず必要です。おそらく何を選択しても一長一短なので、その『長』の部分をなるべく生かすような要件定義が必要ですね。

しかし、現業を抱えた事業者様はなかなか新プラットフォームを学んでいただけません。

『新プラットフォームに現状機能をカスタマイズしてください。』
(プラットフォームを変えた意味は…?)
『今よりは良くなるでしょ。』
(どの部分が…? 根拠ありますか…?)
『xxさんのご推奨なので安心しています。』
(運用されるのはお客様ですよね…?)

EC事業者様サイドのご担当者様を現担当と新担当に分けて増強していただくのが一番なのですが、なかなか事情が許さないのは理解できます。ただ、そのくらいパワーのいることであるのも事実です。充分な体制は望むべくもありませんが、必要であることのご理解と充分な体制でないことへのご理解は、最低限必要と感じます。

カスタマイズをしているうちにシステム開発予算が枯渇する…!?
私はシステム開発・運用に関してのコストに関して、事業者様には三階建てのイメージでご検討いただくようにお願いしています。
①開発・カスタマイズ費用
②保守・運用費用
③追加改修・チューニング費用

開発・カスタマイズ費用、保守・運用費用に関しては、一般的にもご理解いただけると思います。問題は追加改修・チューニング費用です。
開発作業を進めてゆくと多かれ少なかれ想定外の事態が発生してきます。もちろん決められたスケジュールとコストの上で問題解決していくのが大前提ですが、追加の要件や要件変更、要件の差替えは発生してきます。プロジェクトミーティングもしくは事業者様の判断にもよりますが、現状進行しているプロジェクトの遅延を回避する意味でも、1.5次フェーズや2次フェーズを企画する必要が出てくるケースがあります。その際のコストをある程度想定しておくことが大切だと思っています。

ところが、蓋を開けてみると実質このコストが確保されていないことがよくあります。
当然、事業者様の社内外の事情により計画そのものが変更になるケースもありますが、私の経験ではその原因は大きく以下の2点だと思っています。

・計画書には明記されているが、もともと事業者様社内でオーソライズされていなく、実質は予算化されていなかった
・予算化はされていたが、他の要因で想定外のコストがかかり知らないうちに消化されてしまった

この部分は、予算化されていたとしても最初からあてにせず、無いものと思ってやるという考えかたもできますが、想定外の要件を別工程でも拾っていくという、プロジェクトにとっては大切な部分だと思っています。プロジェクトの成否評価とプロジェクトの継続に大きく影響することは否めません。

よいクライアントがよいコンサルタントをつくる…!?
以前から様々なシーンで言われていますが、よいクライアント様はコンサルタントへの要求が端的です。そうでないクライアント様はコンサルタントに何をお願いしてよいかわからない、またはざっくり丸投げされるケースがよくあります。一般的によいクライアント様といわれる企業は、常に優秀なコンサルタントを求めているのも事実だと思います。

逆に、いろいろなかたがコンサルしてもなかなかうまくいかず、長続きしない企業様も見受けられます。一概によい悪いの判断はしかねますが、私自身もいろいろな企業様のお手伝いをさせていただき、多くの学びをいただいてきています。

その企業様にとって何がよいのか?自分に何ができるのか?また望まれているのは何か?を考えながら今日もミーティングに向かいます。

和田務顔写真

JECCICA客員講師 和田 務

株式会社シーズファクト代表取締役社長。クライアントサイドに立ったITコンサルティングをECに限らず幅広い視点から行い、企画から運用まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。


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