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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol.56 年齢・性別でターゲティングする時代は完全に終わった!

2024年からは50歳以上過半数社会に!
日本人の少子高齢化が進み、WHO(世界保健機関)が定義付けている65歳以上の高齢者人口比率は、2021年9月時点で29.1%(総務省統計局)と過去最高となっています。この数字だけでも凄いと感じますが、予備軍とも言える50歳~64歳を加えると、2020年には寿命が長い女性は既に50歳以上人口が過半数に達し、2024年には男性・女性合計で50歳以上過半数社会となります。

しかし、ビジネスやマーケティングの現場では、50歳未満の若い世代はきめ細かくターゲティングを行っていますが、60歳や更に言えば50歳以上をアクティブシニアと言う漠然とした括りでターゲティングを行い、これまでと変わらず「シニア=高齢者」として捉えている傾向はとても多く見られます。

属性でターゲティングするのは昭和のやり方?
ターゲットを決めようとする場合、今でもよくあるケースは「20代の都市部に住んでいる男性会社員」とか、「40代後半の専業主婦」など、年齢や性別と言った「属性」で決めるターゲティングです。

ターゲットを属性で単純に決められたのは、高度経済成長期の話です。当時のライフステージ(人生の変化を節目で区切った段階)は、生まれてから約20年勉強し、約40年働き、その後は余生があるといった画一的社会で、経済の伸長と所得の増加に伴い、あらゆるモノが普及したので、属性でターゲットを単純に決めることが出来ました。

しかし、今では先ほどの寿命の伸長とともに、ライフスタイル(人生観や価値観、習慣などを含めた個人の生き方)の多様化や、ジェンダーレスそしてエイジレスと、単純に属性だけでターゲティングすること自体が難しい社会となっています。

ターゲティングの基本は「ニーズ」から
属性でなければ、何を基本にターゲティングを行うのか。その答えは「ニーズ」にあります。

このコラムでニーズの話は何度も行いました。ニーズを訳すと「欲求」と解釈出来ます。人間が欲を求めることです。端的に言えば「こうでありたい、、」という理想的状態であり、不満や不足、不調などの「不の字」には必ずニーズはあります。

市場を見た時に顧客ニーズを満たし、競合が取り込んでいない、自社が勝てる「同じニーズを持つ顧客集団」を発見することが、ターゲティングの一番重要なポイントです。

そして、その顧客集団に比較的多い属性は誰か?という二次的情報として、年齢や性別といった属性を加えます。

先ほど述べた今の社会のありようから、年代や性別に関係なく、同様のニーズが受け入れられてヒットしているモノやサービスは非常に多いので、先ずは「ニーズ」でターゲティングすることを必ず実行して頂きたいと思います。

年齢に対する固定観念を捨て去る時代が到来した!
以前にシニアマーケティングがうまく行かない大きな理由として、「年齢に対する固定観念」をお伝えしたと思います。特に大企業の現場で働くプレイヤーは、概ね50歳以下の人達で構成されます。

従って、自分たちが経験したことが無い、自分たちより年上世代の本質が分からないのは当然ですし、「高齢者は先細る」という若い間は誰でもそのように考えていた固定観念を変えられない人は、寿命が延びた今の社会に新たな価値を提案することは、必然的に難しいと言えます。

人間の年齢には「実年齢」と「主観年齢」があります。実年齢は本当の年齢ですが、主観年齢は本人が感じている気持ち年齢です。実際に私はここ最近、50代~60代に対するアンケート調査で実年齢と主観年齢の違いをヒアリングしましたが、大きく二極化しています。一つは実年齢と主観年齢が変わらない、年齢相応と認識しているグループ。そしてもう一つは、実年齢より主観年齢が10歳から20歳若いと感じているグループです。

つまり後者は、これまでのシニアというにはあまりにも違う、気持ちや行動が若い人たちであり、本人たちは年齢を単なる数字としか思っていません。

また人口が減少し、今の閉塞感ある日本社会では、若い人がトレンドを創る時代でもない、「トレンド=若い人」自体も固定観念となりつつある気もします。

人生100年時代と言われて久しいですが、これまで地球上で人生100年時代はどこの国にもなく、一度も経験したことがありません。

こうした時代に新たな価値を創造してビジネスを行うポイントは、年齢に対する固定観念を捨て去り、顧客に対してどんな不の字を解決し、更には顧客が知らないどんなワクワクを感じさせるかが大きなカギを握ります。

今一度、そして絶えず人間のニーズ(欲求)を、自らが考えることが大切だと感じる今日この頃です。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


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