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コロナウイルス終息に向けて、企業として今だから出来ること。

JECCICA理事の小林厚士です。令和2年4月某日、このコラムを書いています。
コロナウイルスの世界的流行において、日本でもついに全国緊急事態宣言の発動が行われました。
まさに今まで経験したことがなかった事が現実となり、ほとんどの企業は今まで当たり前であったビジネススタイルの激変を余儀なくされています。

テレワークが仕組み化されている企業はテレワークそのものが定着化し、有給の消化や自宅待機で仕事そのものが出来ない業種、実店舗展開を行っている小売店やサービス業、飲食店等に至っては、休業を余儀なくされてしまうケースも多く、数ヶ月先の自身のビジネスにおいての展望が見出せない状況化に陥らざるを得ない状況が続いています。

過去をさかのぼると、リーマンショックや災害経験のある日本の企業は、少なからず多くのことを学ばれているはずです。 いつか、何かマクロ的な脅威が起こったときに、今を凌ぎながら僅かずつでも一歩踏み出せる企業こそ、生き残れる企業といえるでしょう。

企業を存続させるために必要な事は、攻める事(売り上げの拡大や利益確保)だけではありません。
「何かあったとき」の為の守りの準備も用意周到に計画していく必要があります。

当然、国の「補助金」「助成金」制度においては的確な情報収集を行い、該当するものは交付に向けてアクションを起こすことは必須といえますが、それに業務におけるすべてのリソースを割くことは難しい問題です。

経営者や幹部は今おかれている現況を受け止め、冷静になり、企業として攻めと守りのバランスは崩さない企業体質作りを目指す必要があります。

コロナウイルス終息に向けて、企業として今だから出来ること。
現在コロナ関連に伴い、売り上げ減少に直面する多くの企業より相談を受けています。
先にも挙げたリーマンショックや震災等の教訓から、経験を学びとして今に活かしている企業とそうでない企業の差は歴然であるのは致し方ないのですが、そのような企業様には今と今後に向けて今だからできる事をアナウンスするようにしています。

今だから、真剣に「PEST分析」を行ってみる。
PEST分析は、経営学者でマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラー氏が提唱したものであり、マーケティングにおいては様々な分析手法がありますが、その中で特に外部環境を「マクロ」の視点から分析する手法となります。

今回はEC事業者視点で、PEST分析の進め方を説明します。

PESTは以下の項目で構成されます。これをEC業界に当てはめると、
•政治的要因(Politcs)→ 規制など、市場のルールを変化させるもの → EC業界動向
•経済的要因(Economy)→ 景気や経済成長など、価値連鎖に影響を与えるもの → 市場規模動向
•社会的要因(Society)→ 人口動態の変化など、需要構造に影響を与えるもの → 利用者動向
•技術的要因(Technology)→ ITなど、競争ステージに影響を与えるもの → 技術トレンド

と置き換えることが出来ます。 例を挙げますとこの様な考え方になります。

●政治的要因(Politcs)→ EC業界動向
 ・デフレは続き、通販事業者は薄利多売傾向(または粗利の減少)に陥る危険があるなどを考慮。
 年々コストアップされる送料問題と、売価アップが出来ない小売店の粗利バランス問題。
消費税増税の脅威、2023年10月からインボイス制度が導入  『適格請求書発行事業者』の登録が必須となる。 等

●経済的要因(Economy)→ 市場規模動向
 ・EC市場規模、企業のEC化率は拡大傾向にあるが、BtoCよりもBtoB市場規模、EC化率が成長している。
・人件費はますます増加傾向となる。(即戦力となる人材確保に多額のコストがかかる)MA,プラットフォームの簡易化などの進化。 通信販売業者の倒産の懸念(2018年4月~2019年3月における通信販売業者の倒産件数は30件) 等

●社会的要因(Society)→ 利用者動向
 ・コロナ問題にて生活用品や食材等、ニーズ商品においてのEC利用は増えていくが、ウォンツ商品の買い控えが目立ちつつある。送料の値上げは続き、送料無料を掲げるECショップの負担が増える。  
  キャッシュレス・消費者還元事業は2019年10月からスタートしたが、還元期間は2020年6月までとなる。 期間終了後の買い控えの脅威が懸念される。 等

●技術的要因(Technology)→ 技術トレンド
 ・技術の進歩により、高機能でより簡素なオペレーションが可能となるプラットフォーム環境を望む企業は増える。(既存の高額なシステムよりも安価でメリットが多ければ、乗り換え検討もしやすい)
  EC業界を熟知しており、精度の高いディレクションが行える人材不足の中で起こる日常業務におけるテレワーク環境の進化、業務のアウトソーシング化の加速。 等

上記のように外部環境をマクロ視点で分析すると、決して思い込みではない冷静なアウトプットが出来るはずです。
普段の業務ではなかなか出来ない、外部環境を「マクロ」の視点から分析してみることで、その4の項目から自社の課題を抽出し、今企業として何が出来るかを掴み、先に繋げる為の経営判断を行うに際しての糧にして頂ければと考えます。

JECCICA客員講師

JECCICA理事・講師 小林 厚士

EC得意分野/地方型EC運営、戦略構築総合支援
地方拠点かつ海外事業部展開をしたEC企業経営で培ったマーケティングノウハウ及び実績を活かし、経営戦略的視点を重視した、現場最優先の実践的なアドバイスを得意とする。


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