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令和の黒船「ショッピファイ(Shopify)」は文明開化の音を鳴らすか

かつてECサイト構築といえば「ドヤ街」と「注文一戸建て」に例えられました。一方は、毎月数千円で即入居可、いつでも退去できるかわりに、カスタマイズ不可、もちろんセキュリティ保証はありません。かたや思い通りの機能を追加して、セキュリティ面も鉄壁の安心感、お値段数千万円から数億円、というのが相場でした。

しかし先日Googleで「ホームページ製作」と検索したら「10万円ポッキリで自由にオーダー、ホームページはじめませんか?訪問してお打ち合わせ、」と、昭和風味と怪しさがほんのり漂う広告が、1位表示されていました。見事にウィズ・コロナ時代のニーズを捉えた斬新な広告文だ、さぞかしキレキレのサービスを提供しているはず!とクリックしてみたところ、次の瞬間「あ、関わるとヤバイな」とそっとブラウザを閉じた次第でした。

上記の広告は残念でしたが、実際に初期コストは製作費含めて10万円、毎月数千円で機能も追加し放題、毎月の運用だって知識ゼロでOK、というECサイト案件が増えてきています。その裏に潜んでいるのが令和の黒船「ショッピファイ(Shopify)」、カナダ製のECサービスです。今まさに、日本のEC業界が文明開化の音でけたたましく鳴り響こうとしています。

今や、eBayの流通額を追い抜き「アマゾンキラー」とも称されるショッピファイ、大躍進の理由はなんといってもその導入の手軽さと低価格。STORESやBASEでいいじゃないか、という声も聞こえてきそうですが、ショッピファイには最低月商1000万円を目指せる機能が満載です。筆者がはじめてショッピファイに触れたのが2010年。この年登場した「iPad」をGETした筆者がレザーケースを探していたら、米テキサス州に「DoDocase」というブランドを発見。日本にも発送してくれるということで購入したところ、なんだかECカートが使いやすい。そそくさと画面を右クリックしてソースコードを確認したところ目に入ってきたのが、まだ日本デビューしていなかった燦然と輝く「Shopify」の文字でした。

現在では2017年に日本法人が設立され、現在では概ね支払い方法も日本語環境も整ってきましたが、ブログのURLに日本語を使うとエラーが出るテンプレートがあったりなど、ハマりそうな落とし穴もいくつかあるにはあります。しかしそうした欠点を補ってなお余りあるショッピファイの強みが「豊富なテンプレ」「HTML+CSSの知識ゼロでOKのノーコード運用」「サポート万全、よりどりみどりの追加機能」の3つでしょうか。

LPサービス「ペライチ」やWordPress「エレメンター」など、ここ数年で進歩してきたHTMLやCSSの知識無しでもレスポンシブサイトが組める「ノーコード」のトレンドは、一見するとWEBコーダーやフロントエンドエンジニアの職が奪ったように感じますが、実際にはそうではありません。筆者もここ数年で30数社のショッピファイ開発を支援してきましたが、画期的なのが「サポート万全のよりどりみどりの追加機能」です。この開かれたオープンな環境は、打倒黒船を掲げる日本国内のカートASP企業様にはぜひ取り入れていただきたい点です。

「ショッピファイのサポートは対応が悪い」などの声もありますが、実際に使って見ると数あるテンプレートから選んだテンプレート業者のサポートの手厚さに驚きます。「あぁこれは3日はかかるな」と急ぎの開発なのに遅延リスクが発生しそうな気の遠くなるトラブルにも、チャットを放り込んでおけば2時間ほどで解決してくれます。もちろん英語ですが、すでに様々な言語の国でサービス展開されているサービスだけに、Google翻訳使ってますよね、という前提で対話が進むので、話しは早いです。その他、3Dモデルファイルがあれば簡単にユーザのスマホ越しの部屋にインテリア家具を設置してもらえる仮想現実(AR)機能や、楽天店舗との連携など革新的な機能が目白押しですが、ココだけは一度見ておいて頂きたいURLが「アプリストア」です。

スマホにアプリで機能が追加できるように、自分のECサイトにアプリ感覚で、UGCやクーポン発行、SEOツールなどを、1種類だけでなく、数多くのサービスから比較検討して、自分が必要な機能だけを追加することができます。またこの機能をインストールした後はショッピファイではなく、アプリ開発会社がサポートしてくれるのですが、この対応が前述の通りものすごく速い!まさにペリー来航の予感です。
https://apps.shopify.com/

ショッピファイが完全日本語対応するまでには、まだ少し時間がかかるようなので、日本国内のECカートASP様にもぜひ切磋琢磨していただき、よりよい価格とサービスで日本のEC店舗さまに令和維新を起こして頂きたいと思います。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 宮松 利博

得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。


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