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私がモノを買うときの決定要因の変化。Everlane購入体験

こんにちは。最近皆さんが商品を購入する際に気にする点は何でしょうか。商品の機能的価値?それとも情緒的価値でしょうか。私は2〜3年前ごろから徐々に自分の消費行動に変化が生じてきたので、今回はそのことについて触れようと思います。

商品を選択するときにチェックする項目が変わってきた
冒頭の皆さんに対する質問に対して、私の回答はというと、「サステナブルか、エシカルかどうか」などという視点の比重が増えてきました。サステナブルやエシカルは私も書籍や動画を見たりして、絶賛勉強中なので詳細な説明は割愛しますが、ざっくり説明すると、私たちが住んでいる地球と私たちに負荷がかからないような工夫や配慮がされているかどうかだと捉えています。商品の生産〜物流〜販売工程において、温暖化対策に取り組んでいるかどうかだけでなく、人権問題を抱えていないかどうか、という視点です。これはファッションだけでなく、化粧品や日用品などの消費財全般に対して意識が変化しています。情報の透明性の高い事例として「Everlane」について後述しますが、一般的なECサイトや店頭で私がチェクするポイントは、主に以下4点です。
●容器が再生可能化どうか(消費財の場合)
●製造国(国内?外国?外国ならどこ?)
●素材・成分(天然か合成かどうか)
●縫製(長く着れないと意味がないので、ロングスカートの場合はとくに裾の縫い方をチェックします)

化粧品の場合だとクルエルティフリーなど他の観点もありますが、主に上記4点を見ています。ただし、私は専門家ではないので、あくまで自分なり気をつけて見ている点ということをご承知おきください。

アメリカのD2Cブランド「Everlane」で購入してみた
今回はファッションでの購買体験を一つご紹介します。今年の夏に、遅ればせながらアメリカのD2Cブランド「Everlane」で商品を購入しました。アメリカから日本への配送になるので二酸化炭素排出量の観点でいうと、エミッションフリーの概念には反しますが、どうしても実体験として1回購入しておきたいという思いがあったのでショートパンツを1枚、夏に注文したわけです。

情報の透明性は、消費者の知識を深め意識を変化してくれるきっかけとなる
「Everlane」は2010年にアメリカで創業し、当初から情報の透明性を徹底したことで注目を浴びたD2Cブランドです。有名なブランドなので皆さんご存知かと思いますが、念のため説明します。Everlaneが情報の透明性では何を公開しているかというと、大きく2点あります。1点目は、使用している素材がサステナブルかどうか、生産している工場の管理が適切かどうか、また製造時に節水しているかどうかという製造工程における情報です。2点目は価格の透明性です。以下の画像は、実際に私が購入したショートパンツの商品詳細ページに掲載されている情報です。商品を製造するにあたって必要な価格を掲載しているのです。このエリアは、商品によって可変しますが、素材やハードウェアだけでなく、人件費、関税などが掲載されています。この商品はすでに完売していたからか「輸送費」が掲載されていないのですが、他の商品では「Transport ¥61.00」といったように輸送費まで記載されています。


※ Everlane(https://www.everlane.com/) から転載

さて私は猛暑に耐えられなくショートパンツを購入したわけですが、注文後、約2週間後に遥々アメリカから日本の私のもとへ届きました。マチありの紙袋で梱包されたシンプルな姿はEverlaneそのものを表現しているかのような気がしました。オーガニックコットンで作られ、縫製もしっかりしており、着心地バツグン、洗っては着て、洗っては着てを重ね、この夏のスタメン選手でした。
配送はどうだったかというと…、サービスは「narvar( https://corp.narvar.com/jp/ )」を使用し、配送状況が随時更新されていました。また、より詳細な情報はDHLのサイトに遷移し確認できるので、配送に対する不安はありませんでした。むしろ、アメリカを横断して日本にくるまでのステータス確認が楽しみになっていたりもしました。

日本だと「CASA FLINE」が好き
また今回海外事例として「Everlane」を紹介しましたが、日本国内のブランドですと、私は「CASA FLINE ( https://casafline.com/ )」が好きで、ちょこちょこ商品を購入しています。あとはブランドではなくサービスになってしまいますが、ZOZOUSEDも長年愛用しています。昨年は、イギリスの伝統的なニットブランドの良質なケーブルニットの古着が販売されていたので購入しました。

何が正しいかはわからないけど、消費者が意識することが大切
私は、サステナブルやエシカル系の情報を発信することに対して、抵抗というか恐怖感を感じていました。今もその感情はあります。Twitterでいう「XX警察」のようにプロレベルの情報をもっていないと、指摘されるのではないかと思っているからです。でも、地球上の消費者すべてが専門家レベルの知識を持つことは不可能ですし、仮に全員がプロレベルの知識を持っていたら、今現在、違う未来になっているはずです。そのため、私が考える最低限大事なことは「本当に必要かどうか」を色々な観点から考えて、わからないことがあれば調べるという姿勢だと思います。それが今後の私たちの責任になるのではないのでしょうか。私は、自分のなかで、ある程度ルールができてくると、検討から購入までの工程も楽しいものになりました。

muraishi

JECCICA客員講師 村石怜菜

株式会社パルコ・シティ シニア・コンサルタント。

日本女子大学被服学科卒。大手専門店企業で接客販売・店舗運営を経験した後、Eコマース支援企業で数々のファッションブランドのECサイトの構築や運用に携わる。現在は、ファッション専門店や商業施設へのECコンサルティングを得意としている。また、クライアント企業のオムニチャネル戦略の計画・実行を支えている。


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