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大波乱続出!! 2022年の補助金について

2022年もあと少しで終わろうとしております。ホントに大変な1年でした。私は本年度も認定支援機関として補助金導入のサポート事業を行っておりますが、本年度は以前では考えられない現象が多数発生しております。本年度に補助金申請を行った方はお気づきかと思います。今回は問題が顕著に出ている「事業再構築補助金」と「小規模事業者持続化補助金」について書いていきたいと思います。

事業計画が採択になってからが本当に大変になりました
このような補助金は、従来は「事業計画書」でプロポーサルを行い、採択の合否を待って事業開始というのが常でしたがそうでもなくなっています。理由があります。例えば事業再構築補助金の場合だとこうなります。事業計画提出締め切り→採択通知→交付決定まで大体4か月くらいはかかります。事業によってはその時期を逃すと設備の調達等のタイミングを逃す場合があります。また、昨今の原油高の影響で材料の値上げが止まりません。ウッドショックも影響大です。そうなるとこの4か月の待ち時間がものすごいロスを出す場合があります。

そういう時のために「事前着手制度」があります。
もし採択不採択関係なくこの事業を進めるのであれば、この「事前着手制度」を活用してください。これは事業計画書提出前でも申請可能です。ここ1年でよくあるケースは事業計画書を提出するために集めた見積書が、事業採択され交付決定が出た4か月後に見積と金額が変更になるケースです。事業再構築補助金で建設関係の費用計上を行っている場合は、平気で費用が数百万円のギャップが出るケースがありました。昨今の経済状態ではいつ値上げになってもおかしくないので注意が必要です。

ダメダメな認定支援機関が存在する
これも再構築補助金なのですが、「採択」がゴールの認定支援機関が多数存在します。補助事業者様にも問題があります。「採択」がゴールではなく「入金」がゴールです。補助金申請で外部に支援を求める場合は、この後の面倒な手続きをどれだけ面倒見てくれるかを確認する事が重要なのです。採択されてさようならのダメダメ認定支援機関がいるので、補助事業者様から救援要請を何度か受けました。これはいけませんよね。(報酬を教えてもらいましたがビックリするくらい高額です!)現実は採択後の手続きを上手に処理しなければ、採択された金額を満額で受取ることは難しいのです。中小企業庁からは、我々に補助事業者様と伴走しながら事業を進めるようにお達しが出ております。また我々の報酬も報告しなくてはいけません。ということは中小企業庁もダメダメ認定支援機関の対策を行っております。また、残念ながら「小規模事業者持続化補助金」に関しては認定支援機関との伴走や支援に関しては何もありませんが、現実には我々が相談を受けるケースが多いです。

全て電子申請になり運用・活用できない人が続出
2022年度から「事業者持続化補助金」も「小規模事業者持続化補助金」も全て電子申請になりました。まずGビズプライムを取得してからこの「Jグランツ」にアクセスして補助金の申請や事前着手の申請、事業完了報告など全ての事項でこれを使います。このシステムがかなりひどいのです!このコラムを読んでいるPCに精通している皆様ならなんとかなるかもしれませんがユーザビリティは最悪です。サイト内迷子続出です。そのようなシステムを持続化補助金が採択された小規模事業者、特にご高齢の方やスマホしか扱えない女性はまず運用できません。このシステムは要改善だと思います。また、再構築補助金の公募締め切り直前になるとシステムがダウンします。(お約束)結局公募期間延長になったのが数度ありましたが、申請中にダウンされるとさすがに精神的に良くないと思います。補助事業者様から泣きつかれたことがあります。

機能していない補助金事務局
ここだけの話、2021年度から「事業者持続化補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の事務局は某人材派遣会社で時給雇用の派遣社員が電話窓口となっております。審査する方も契約で雇われた有識者(おそらく仕事のない中小企業診断士)です。「ものづくり補助金」は中小企業団体中央会や中小企業基盤整備機構が窓口なので事業に精通しており問題ないのですが、この2つの補助金の電話お問合せは、ものすごく待たされるしちゃんとした回答を得るまでにかなりの時間がかかります。まあ、これは仕方ないとしても、一番問題なのは補助事業が完了して事業完了報告を提出してから更に2か月待たされてようやく修正依頼が来ます。とある小規模事業者持続化補助金に採択され事業完了報告を2月に提出したのに修正依頼を10回指示され、半ノイローゼになった状態で弊社に応援申請をいただいたケースがあります。重箱のスミをつついて挙句に否認されたりしたら、事業者は酷く苦しむと思います。もちろんこの間は、補助金は入金されません。結局11月に入金されました。完了報告書提出からなんと9か月もかかりました。これじゃ補助事業者は疲弊します。

これの原因のひとつは審査側の経験不足であるのは否めないと思います。再構築補助金もおそらく入金まで12~15か月以上かかりますので、この間のつなぎ融資も大事です。そうなると資金繰りが必要ですので金融機関と仲良くしてくださいね。こっちは審査する項目が桁違いに多いですから報告書提出には細心の注意が必要です。
以上になります。補助金申請は計画的に。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 渡辺 太志

(株)アイズモーション専務取締役/プロフィットシステム常務取締役
コンサルタントとして企業の経営戦略から組織開発までトータル支援が可能。SNSを活用した集客・販促により宣伝広告費の圧縮を行い、経営改善に繋げるシステム作りのコーディネートを得意とする。


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