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「伝える」と「伝わる」のあいだに Vol.41 「文学フリマ」って何?

私が去年からZINE(個人で制作する小さな本)を制作して即売会や通販で販売していることは以前のコラムでお話ししましたが、GW中に初めてあの「文学フリマ」に初出店しました!

「あの」と書いてもZINE界を知らない人には「どの??」って感じだと思います。ではコミケ(コミックマーケット)はご存じでしょうか?同人誌(漫画やアニメの二次創作)の即売会として1日十数万人が来場する超ビッグイベントですよね。文学フリマはその文芸版ともいうべきイベントで、特に「文学フリマ東京」はZINE即売会としては最大規模を誇ります。今回も東京ビッグサイトで行われ、参加者の総計は18,689人(出店者が5,619人、一般来場者が13,070人)になりました。

お店のスタイルは自由自在

これまで出店数が10〜20程度のこぢんまりしたZINE即売会にしか出たことなかった私にとって、4,000以上のブース(お店)がずらりと並ぶさまは壮観そのもの。各ブースはあまりに多彩。ディスプレイも千差万別で、学びがたくさんありました。

私の右隣は女性二人のブース。細かなところまで美麗に飾り付けられ、背後に大きなのぼりも立てて世界観が見事に確立していました。いっぽう左隣は開場ギリギリに現れた男性二人。机にドン、ドン、ドーンと厚めのZINEをたくさん積み上げいくつかの山を作り、その場でサラサラと値札を書いてはい設営完了。飾りけはないけど、そのうず高い山自体が存在感を放ち、かえって目立っています。実際、開場後はお客さんがどんどん来てその山がみるみるうちに減ってゆき、その様子も格好よかったです。

そしてお向かいのブースは簡素極まりないディスプレイ。無造作に破いたダンボール紙にマジックで値段を大きく書き、一冊のZINEを真ん中に置いて、以上!いやー、みんな自由。

本が売れない時代でもここは盛況

開場してからはとにかくお客さんが多い!ひっきりなしに目の前を行き来するので、小規模イベントのようにお客さんが途切れて「いまは“凪”だなー」という瞬間が皆無です(おかげでトイレ以外で席を立つ余裕がほとんどありませんでした)。来てくれた友人によれば、入場できるまでに30分も並ばされたとか…すごい。

「本が売れない」「書店が次々と閉店する」という現在、この盛況は本当に不思議です。もちろん書店に流通している書籍に比べたら価格も安く作るのも簡単というのはあります。でもよく言われる「みんな本を読まなくなった」というのはウソなんじゃないか…と思ってしまう。そのくらいの賑わい。そりゃ出版社や編集者、プロの作家さんもたくさん参加するよね。

ZINEに興味があったわけではなく、私が出店するからということでわざわざ来てくれた友人たちは皆「こんな世界があるなんて、しかもこんなに人が集まるなんて全然知らなかった…」と驚いていました。

「自分らしさ」こそ売りになる

私は「エッセイ・随筆・体験記」のエリアで出店したので他ジャンルの雰囲気は分からないのですが、お客さんは(そして出店者も)とにかく活字中毒なんだろうな…という印象です。大きなトートバッグを小脇に抱え、どんどん買っていく。直感でパッと買う人もいれば、じっくりじっくり立ち読みする人もいる。

個人的な学びとしては、彼らは基本的に「読みで」を求めています。内容はもちろんですが、それ以前に文字や情報が多そうなものを欲している感じがします。なので立ち読みですべて読み終えてしまえる私のZINE(イラストが多く、絵本や散文集に近い)は不利だな!と思いました。

あとは「自己開示」と「共感性」。作者個人の体験や思いが読める。自分を投影したり、共感したりできそうな内容である。そういうものに人気が集まっている印象がありました(例えば日記ZINEは圧倒的人気です)。

みんな作って売ったらいい

お祭り感が強い。書き手とお客さんとの距離が近い。「個」の匂いが強い。商業的な(売れるための)計算がないので自由。本屋さんで一冊買う値段で何冊も買える。凝った紙や装丁や綴じ糸など、本屋では決して買えないものもある。数がありすぎるのでニッチすぎる一冊も見つかる。そしてお互いが「自分にも作れそう」「次はこんなの作ろう」と思える。文フリの魅力はそんなところでしょうか。

去年ZINEについて書いた回では「販売チャネルによって合う合わないがある」という話をしました。委託販売や通販、イベントの雰囲気や客層によって、同じZINEでも向き不向きがあるというのが実感でした。「私に合う販売チャネルやイベントもきっとある」とその時は書きましたが、文フリはひとりぼっちでも終始楽しかったので、わりと自分に合っているのかも。多分、ブースもお客さんもあまりに多いので、自由で気楽な気持ちになれたのかもしれません。

個人が思い立ったら好きなものをすぐ作れて、形にできる。簡単に出店・販売できる。書き手(作り手)兼、売り手にすぐなれる。職業年齢性別ぜんぜん問わず誰でもできる。文学フリマは東京以外に全国各地で高頻度で開催していますし、Eコマース業界にいる皆さんにも、ぜひおすすめしたいです。

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コピーライター

近藤 あゆみ

Lamp代表

博報堂コピーライターから(株)ネットプライス・クリエイティブディレクターを経てフリーに。企業のMMVやネーミング、サイトディレクションなど手がける。恋愛コラムやブログも人気を博す。

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博報堂コピーライターから(株)ネットプライス・クリエイティブディレクターを経てフリーに。企業のMMVやネーミング、サイトディレクションなど手がける。恋愛コラムやブログも人気を博す。

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