一般社団法人ジャパンEコマースコンサルティング協会

トップページ JECCICA記事 構造転換を理解してECを磨く Vol.2:接客を磨く
シェア
ポスト
メール

構造転換を理解してECを磨く Vol.2:接客を磨く

前回は、「ネットショップだけを磨かない」というテーマで、商いの構造を見直す必要性について整理しました。売場を磨くことは、間違いではありません。しかし、売場だけを磨いても成長が続く時代ではなくなっています。

ECの相談を受けていると、多くの事業者が同じような改善を考えます。広告、SNS、AIなどの新しい施策です。もちろんそれらも重要です。しかし現場を見ると、もっと手前で止まっていることが少なくありません。それが「接客」です。ネットショップでも接客は存在します。むしろECとは、接客をテキストとコンテンツで再現するビジネスです。対面で説明できないからこそ、接客の質は売上に直結しますし、関係性構築の基礎となります。

選び方を伝えているか、商品の理解を助けているか、買った後にフォローしているか。もしここができていないなら、まずはここから始めてください。これは基本ですが、最も効果の出る改善の一つです。
今回はその接客について一緒に考えていきます。

専門家だから書けること

ある高額専門商材を扱う店舗さんでは、商品ページ、カテゴリページでの離脱が多いという課題がありました。商品自体の評価は高く、ブランドの信頼もあります。それでも購入まで進まない。理由は単純で、高額商品故に選び方に不安があるからでした。

多くのECサイトには商品説明ページはありますが、選び方を専門家の視点で説明するページはほとんどありません。そこで行ったのは、商品を売るページではなく「選び方を解説するコンテンツ」の作成でした。素材の違い、用途による選び分け、ライフスタイル別のおすすめなどを整理し、あえて、カテゴリページからコンテンツページに導線を設置しました。

するとコンテンツを読んだお客様は、滞在時間が長くなり、回遊が深くなり、離脱が減るという行動に明らかな変化が見られました。その結果、購入率も+2%を超えるように明確に改善しました。

ポイントは、売ろうとしたのではないことです。お客様が「この専門店は信頼できる」という状態を作っただけです。専門店が持つ商品知識は、そのまま接客になります。

買った後の接客

接客は購入前だけではありません。購入後も続きます。もっと言うと購入後の接客の方が効きます。

ある家具を取り扱いの店舗さんでは、商品購入後に使い方やお手入れ方法を紹介するフォローメールを送るようにしました。目的は販売ではなく、商品を長く使ってもらうこと、困ったときの参考にしてもらうことです。いわばアフター接客です。

このメールは通常のメルマガよりも高い反応を得ました。通常のメルマガは40%程度の開封率ですが、このフォローメールは80%近いです。さらにフォローメールの中でレビュー投稿を案内することで、前年同月のレビュー数が1−2件の投稿だったのに対し、40件近い、大幅な投稿数の増加につながりました。

売るためのメールではなく、役に立つメールだったからです。

関係を作る最初の一歩

ここで大事なのは、特別な施策ではないということです。選び方を伝えること、使い方を説明すること、購入後にフォローすること。どれも商売の基本です。

しかしこれらはすべて、「この人、この店と関係を持ちたい」と思ってもらうきっかけになります。関係性は広告では作れません。接客でしか作れません。

まずはここから

繰り返しになりますが、ECの改善というと、広告、SNS、AI、CRMといった施策が話題になりがちです。しかしその前に確認してほしいことがあります。

基本の接客が、設計されていますか。

  • 商品は、「説明」ではなく「選べる状態」になっているか
  • カテゴリページは「比較」ではなく「理解」を助けているか
  • 購入後に「売り切り」で終わっていないか

接客は意識しないと設計されません。多くの場合、自然にできているのではなく、抜け落ちています。もしここができていないなら、まずはここから始めてください。

新しい施策よりも先に、接客を整える。それだけで、売上の質は確実に変わります。

まとめ

商売の基本は昔から変わっていません。お客様の理解を助けること。つまり接客です。

ネットショップでも接客は存在します。むしろ対面できない分、接客はコンテンツやフォロー、情報提供という形で表れます。いろいろな施策を始める前に、まずは接客を磨く。それがEC改善の基本中の基本です。

シェア
ポスト
メール
客員講師

豊島 恵太

EC得意分野/食品通販支援

大学卒業後、照明メーカーを起業。2013年、株式会社Eストアー入社。サポート、セールス、コンサルタントを経験し、現在は企画設計室のマネージャーとしてECの未来を作る活動を行う。

関連記事

客員講師

豊島 恵太

EC得意分野/食品通販支援

大学卒業後、照明メーカーを起業。2013年、株式会社Eストアー入社。サポート、セールス、コンサルタントを経験し、現在は企画設計室のマネージャーとしてECの未来を作る活動を行う。

執筆記事の一覧

「顧客満足って何?」
ユナイテッドアローズのOMO戦略
Temu初月1,000万円セラーの実例