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シニア50代でも20代の自分越え!スピードパソコン仕事術 初級編

■アタマにカラダがついて来ない!
まもなく52才の筆者ですが、東京都で再就職する場合の扱いは、ほとんど「シニア」になるようです。

図:東京都の就職支援事業「東京しごとセンター」の年齢区分図(https://www.tokyoshigoto.jp/)

東京都の就職支援事業「東京しごとセンター」の年齢区分図(https://www.tokyoshigoto.jp/)

筆者が20代の頃は「思考スピードを超えるんだ!」と、周囲の誰もが自分のパソコン業務を極限までスピードアップするトレーニングに明け暮れていました。筆者も、親指シフトが最速と聞けばMIFESを習得し、ATOKのほうが賢いと聞けばすぐに飛びつき、腱鞘炎予防に指立てふせが良いと聞けば毎朝100回欠かさなかったりと、スピード・正確性・効率性のためなら労をいとわず身を粉にしてきたわけです。

ところが50の声を聞いたある日、あの頃とは違う感覚が筆者を襲いました。毎日18時間酷使し続けたドライアイには老眼が加わり、モニターの文字はぼやけるわ、なぜか指がキーボード打ち間違うわ、変換ミスるわ、あげくの果てには、うっかり手がすべってスマホを落としかけるわ、と、今まで想像すらしていなかったプチ・ヒューマンエラーが発生しはじめたのです。かつてスピードの師匠とあがめた赤い彗星シャーの名言ですら「認めたくないものだな『老い』ゆえの過ちというものを」 としか聞こえてきません。

■20代の自分のスピードを超える!
一方で、我が国ニッポンにおいては、64歳までは生産活動の中核「生産年齢人口」としてポジショニングされており、個人的にもまだまだ現役で頑張りたいわけでございます。

図:年齢別の人口ピラミッド図、国立社会保障・人口問題研究所

年齢別の人口ピラミッド図、国立社会保障・人口問題研究所

それが経営トップや投資側であっても、デジタルビジネスに携わっている以上は秒単位でのクラウド上のやりとりなどで、パソコン作業をゼロにするわけには当面はいかなさそうです。でも老いは来る、どうすれば良い・・・そこで数年前にふと手に取ったのが、『「超」整理法』の著者、野口悠紀雄先生の新著、スマートフォンを活用した「音声入力」仕事術『話すだけで書ける究極の文章法』( 講談社 2016/5/20)です。

出版当初は、音声アシスタントの模索がきっかけで購入したのですが、読み進めるうちに「これなら、20代の自分よりスピード化できる!」という多くのヒントを発見しました。あれから数年、試行錯誤の結果、すでにいくつかご紹介した方法もありますが、まずは、シニア世代の働き方改革「初級編」と言うことでご案内します。

■目を駆使しないためのトレーニング
まず、簡単に始められるのが「音声入力」です。極端な話し、目を閉じていても入力できますし、キーボードで入力するよりも圧倒的なスピードで思考をテキスト化できます。
精度や使い勝手については、WindowsやMacなどに実装されているOS標準のものから無料・有料の音声入力アプリやソフト、企業向けの議事録書き起こしシステムなど、ひととおり試してみましたが、パソコンなら、WindowsでもMacでもマイクさえしっかりしていれば、オススメは「グーグル・ドキュメント」を使うことです。マイクは音声入力の精度に大きく影響するので、外付けマイクが必須です。高いものでは無いのでまずはマイクを用意しましょう。据え置き型などもありますが、やはりヘッドセットタイプは高精度です。いくつか使って見て、長時間付けていてもあまり苦にならないものが以下のマイクでした。社内ではskype用としても標準マイクにしています。

図:MM-HS403BK

Macでオススメ:サンワサプライ 4極対応ヘッドセット MM-HS403BK

図:KM-A24-005

Windows用変換アダプタ:サンワサプライ ヘッドセット用変換アダプタ KM-A24-005

マイクが準備できたら、次に音声入力ソフトの調達です。パソコンならまずは「グーグル・ドキュメント」が無料で高性能、圧倒的にオススメです。グーグル・ドキュメント」で検索すれば、Gmailのアカウントさえ持っていれば誰でも使用できます。
手順としては、ウェブブラウザの主流である「グーグル・クローム」の最新版をインストールして、「グーグル・ドキュメント」のページを開き、ツール>音声入力、またはCtrl+Shift+Sで音声入力が起動します。ので、あとはべらべらと話すだけです。長文であればあるほど精度は増します。まずは気にせずどんどん話すことです。パソコン版のデメリットは、原則的にモニターの前に座っていることになるので、これは目の酷使からはあまり解放されません。

そこでスマホです。有名なアプリは、Simeji や Gbord、Voice Input、などです。それぞれ句読点が自動的に付けられたり便利な反面、使い勝手やビジネス向けで無かったり、あるいは話している途中で途切れてしまうなどの残念な面もありました。結果的に、色々使って見て、2019年5月20日現在で、個人的に気に入っているのは、iPhoneアプリの「Speechy」有料版です。これが良いのは、時間無制限でドンドン音声を拾ってくれる所です。Speechy Liteなら無料から始められるのでぜひチャレンジされてみて下さい。

図:SpeechyLite(Lite版は無料。時間無制限のプロ版は、840円。ビジネスに使うならプロ版がおすすめです。)

SpeechyLite(Lite版は無料。時間無制限のプロ版は、840円。ビジネスに使うならプロ版がおすすめです。)

スマホの場合もパソコン同様、マイクが精度を左右しますので、できればヘッドセット型を使う方が良いです。
たとえばiPhoneなら、先ほどご紹介したヘッドセットに、Apple Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ を使えばそのまま利用できます。

図:Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ 	(amazon 税込 ¥ 1,031)

Apple Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ

ただ、公園を散歩しながら、思いついたことを片っ端から入力してゆきたい、という場合は、ヘッドセットだと仰々しいので、小型ヘッドセットなども試してみましたが、いまのところはこのピンマイクがオススメです。

図:XO-V001

Ashuneru コンデンサーマイク XO-V001

もし手元に外部マイクが無いときは、スマホのマイク部に口を近づけることになりますが、このとき5cm以内に近づけることが音声認識の精度を保つためのポイントです。

いずれにせよ、マウスやキーボードに比べて、初期投資も安い上に、音声メモはどれだけ取ってもコスト・ゼロです。まずはシニア世代のパソコン業務スピードアップ術を体感してみて下さい。次回はさらにバージョンアップさせた中級編のご紹介です。

JECCICA客員講師

株式会社ISSUN 代表取締役 宮松利博

1993年、独自に開発した顧客管理システムで営業業績を伸ばし、1997年システム売却。1998年、インターネットに公開したフリーウェアがヒット。そのヒット要因を解析するツールを開発(現在のGoogleアナリティクスの簡易版)し、2000年からECで活用。EC立上げ初年度で月商1億円に急成長するも数年後に上場失敗。2003年、学校前のパン屋を拠点とした新たなECを3年で年商20億円に成長させ(現ライザップ)、2006年株式上場と同時に保有株を売却、海外視察の後、2011年「小よく”巨”を制す」を掲げ、株式会社ISSUN立上げ。WEB/ECの運営・制作・コンサルティングで、業界No.1に成長するクライアントを多数抱える。2017年には、EC業界と大学との連携強化を目指した JASEC 日本イーコマース学会を数名で立ち上げ奮闘中。


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