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オンラインショップでの購入とその返品

PayPalが独立調査会社のTRCと、過去1年以内にオンラインで購入した商品を返品したことのある2,002人のアメリカの消費者を対象として、2022年9月8日から19日までの期間に実施した調査レポートを見ますと、消費者の購入習慣と、返品に対する態度がショップ側の行動にどのように影響するかについての洞察が得られます。

まず、年齢層と購入価格を見た場合、右のグラフのようになっており、どの年齢層でも50-100ドルの注文価格帯が一番高くなっています。ちなみに平均注文額は、18-29歳で213ドル、30-44歳で226ドル、45歳以上で113ドルで、45歳以上のオンラインでの注文額は他の年齢層の半分ほどとかなり低い実態となっています。

次に全体的な消費者の動向として、ガソリン価格の高騰などインフレや財務状況による経済的圧力が引き続きオンラインでの購入商品の返品率を押し上げています。その返品に関して、消費者の72パーセントがカスタマーサービスに電話して返品方法に関するコミュニケーションをとっていますが、電話では長時間待たされることも多く、ショップ側としては少しでも顧客満足度を下げないためにも、オンラインチャットやEメールなど電話以外での連絡方法を増やす必要性があるようです。

返品方法に関して見ますと、数種類ある返品オプションのうち、最も低コストな方法とも言える”持ち込み返品”が好まれているようです。ガソリン代が高いにもかかわらず、消費者の96パーセントは無料で商品を返品するためならその場所まで持っていってもいいと考えており、その距離に関する内訳は、9パーセントが1マイル (約1.6km)まで、40パーセントが5マイル (約8km)まで、35パーセントが10マイル (約16km)まで持っていっていいと回答しております。最大25マイル (約40km)までいいと回答している人が全体の約10パーセントもいるのには驚きを隠せません。ところで、消費者の62パーセントは、返品した際の返金を使用して、店舗または第三者の持ち込み返品場所で買い物をしたことがあると述べており、持ち込みによる返品はその場所に対して別の収益をもたらしているようです。

他の返品方法に関して見ると、郵送による返品が煩わしいと感じている消費者が多いです。消費者の40パーセント以上は、郵便で返品するよりも、ラッシュアワーの渋滞に巻き込まれても持ち込み返品のほうがいいと回答しています。この主な理由の1つとして、返品ラベルを印刷するためにプリンターに継続的にアクセスできないという点があり、回答者のほぼ半数がこの問題をあげています。また半数は、便利な返品方法がなかったためにショッピングカートを途中で放棄したと述べていることから、ショップ側としては返品方法に関する再考も必要なようです。

最後に、返品率をカテゴリー別に見ると、次グラフにあるとおり、衣服や靴が高いことから、やはりオンラインではいかに的確なサイズや色などを消費者に伝えることができるか、その対策が重要そうです。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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