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Eコマース企業におけるEメールマーケティング

顧客とのコミュニケーションにおいて、最近はSMSの利用も増加していますが、Eメールは引き続き重要なチャネルとなっています。特にEコマース企業にとっては、新規顧客の獲得、顧客体験の向上および顧客維持のため、メールマガジンに加え、キヤンペーン、注文確認、出荷情報、あるいはショッピングカートに入ったままの状態であることの通知等々、Eメールは不可欠と思われます。

EメールおよびSMSマーケティング向けマーケティングオートメーションプラットフォームを提供するKlaviyoが、マーケティング戦略および予算配分の決定責任を持つ750名以上の各業界におけるEコマースリーダーに対して行った調査レポートを見ますと、EコマースにおけるマーケティングチャネルとしてEメールの重要性がデータでよくわかります。

まず、Eコマースブランドが最もよく使用するマーケティングチャネルとして、あらゆる規模の企業において、Eメールが最も使用されているEコマースマーケティングチャネルとなっており、すべての企業のちょうど半数がEコマースのマーケティングチャネルとしてEメールを使用しております。次いでオーガニックのソーシャルメディアマーケティング、有料のソーシャルメディア広告、SEOとなっています。Eコマースの売上規模で見ますと、売上2,000万ドル以上の企業の約73パーセントが、100万ドルから2,000万ドルまでの企業の約78パーセントがEメールを使用しています。

次に、Eコマース企業がマーケティング費用の中で最も多く費やしているチャネルとしては、有料のソーシャルメディア広告がトップですが、Eメールは有料検索、コネクテッド TV (CTV)に次いで第4番目となっております。しかし、右グラフにあるとおり、回答者の約77パーセントが、ROIが最も高い上位3つのチャネルとしてEメールをあげており、有料検索、有料ソーシャルメディア広告、SEOなどを上回っています。

最後に、今まで有料のマーケティング等に大半を費やしてきた企業の中には、Eメールマーケティングへの信頼が低下していると考えるマーケティング担当者もいると思われます。が、2021年のAppleによるiOS 14.5のアップデートにより、有料検索広告やディスプレイ広告などでのターゲティングおよびアトリビューション機能が大幅に減少したことから、Eコマース企業にとっては、マーケティング活動においてEメールやSMSなどのチャネルの優先度を高める必要が生じました。これは、EメールやSMSの顧客データが、インターネット上で自社で本当に所有できる唯一のものであることによります。今後も、この”オウンドマーケティング”および顧客が意図的かつ積極的にブランドと共有するデータであるゼロパーティーデータに基づく顧客データ管理は、それに投資するブランドとともに成長し続けると思われます。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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