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ゼロから学ばない!カンタン「GA4」乗り換えガイド(1)

■課題1:旧Googleアナリティクスは、ログインも閲覧もできなくなる。
「2023年7月1日をもってユニバーサルアナリティクスのサポートは終了します。」3月にグーグルが出したGA4乗り換えの最後通牒です。しかし実は、GA4で新しいデータが取得できなくなるだけでなく半年後の「2024年1月以降」はユニバーサルアナリティクスのデータそのものを「閲覧することもできなくなる」とのことです(本稿執筆時点でグーグルへ確認済み)。グーグルのヘルプによると「必要に応じてエクセルなどに出力しておいてください」と、エクスポート機能を使うことをお薦めしていますが、これが事実なら相当な作業量が発生することになります。#これに異を唱えたいユーザの方は、ぜひアナリティクスの画面右下の「フィードバックの送信」や「ご意見フォーム」から改善要望の声を上げていただきたいです。


https://support.google.com/analytics/answer/11583528?hl=ja


ユニバーサルアナリティクスのエクスポート機能で過去のデータを保存しておく

■課題2:各カートASPのGA4「eコマース機能」の標準対応が整っていない
こうなると少なくとも2022年の6月30日までにGA4への完全移行を完了してなければ「昨年対比が見られなくなる」「必要なデータが取得できていなかった」などのトラブルが予想されます。ただ、EC業界においては、アナリティクスのガイド通りにGA4を実装すれば解決する問題ではない、という点が厄介です。つまりGA4の実装だけならハードルは少ないのですが、ECサイトにとってのアナリティクスの必須機能である「eコマース機能」が各ASPでは未対応です。

筆者は定期的に各カートASPに問いあわせをしている範囲では、現段階で明確な回答があったのは「FutureShop」さんのみです(※対象はコマースクリエイター店舗のみで、それ以外の店舗は手動実装のマニュアルを準備するそうです。)


futureshopシリーズのGoogle アナリティクス 4(GA4)対応は、22年10月を予定しています

■課題3:標準対応できないならカスタマイズして実装しておく
一方でこうしたカートASPにすぐにでも実装したい、という要望は多く、タグマネージャでスクリプトを組み込むスキルがあれば可能です。

公式ヘルプ:Google アナリティクス 4 プロパティで e コマースのデータ収集を設定するベストプラクティス
https://support.google.com/analytics/answer/10119380?hl=ja

問題は「いざ実装しようとしても動かない」「ユニバーサルアナリティクスのeコマースデータが消えた」というケースです。

特にshopifyなどは使用しているアプリなどが影響してマニュアルに忠実に実装してもうまく動かない場合があります。たとえば弊社にお寄せいただくご相談のうち最も多いのは「マニュアルを読んで実装しようとしたが他のアプリとコンフリクト(競合エラー)が発生して上手く動いてくれない」「eコマース機能自体を理解することが困難で手動で埋め込めない」です。ここはトライアンドエラーで解決してゆくしかなく、フロントエンドエンジニア泣かせといったところです。

なお、弊社では2020年にGA4がリリースされてから数十近くのカートASPで「eコマース機能」を実装しています、もし実装を急いでいる、などお困りの場合はお気軽にご相談下さい。

■さぁ!GA4には、こうして乗り換えよう!
ようやくGA4が実装できたところで多く寄せられるのは「GA4の書籍やYouTubeを見たけれど、いつも使っていた機能が見つからない、どう乗り換えたら良いか分からない」という質問です。

最も多いのは「ユニバーサルアナリティクスで、集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア で、SEOや広告の成果を会議で報告していたのに、GA4ではその画面が無くなった」です。

答えは、「GA4で、レポート>ライフサイクル>集客>トラフィック獲得 と進み、下図のように設定してください」です。

1:セッションのデフォルト チャネル グループ を セッションソース に変更
2:+マークを、セッションメディア に変更

これで、ユニバーサルアナリティクスで、集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア とほぼ同じデータが閲覧できるようになりました。

あとは毎回この作業をしなくてすむように、図の様に画面右上からショートカットURLを作成して保存しておきます。

UAの時のような「レポートを保存」機能がないので不便ですが、画面右下の「ご意見・ご感想をお送り下さい」から改善要望しておきましょう。

なお「直帰率」という指標は無くなり、かわりに「エンゲージのあったセッション数」がそれに相当できます。

つまり、直帰率は「全セッション中、サイトに訪れて1ページしか閲覧しなかったセッションの割合」でした。

直帰率とよく似た新たな指標「エンゲージのあったセッション数」は、「10 秒を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のスクリーン ビューもしくはページビューが発生したセッションの数」となります。

つまり、多くの場合で「直帰率の逆」と捉える事ができます。このような変更を会議の前に説明さえしておけば、明日からの会議とレポートもGA4にサックリ置き換えられますね!

次回は、こうした「いつも使っていた機能が見つからない」の解決方法をご紹介しながら、最短距離でGA4に乗り換えるテクニックをご紹介いたしますので、本稿を参考に、GA4「eコマース設定」を完了しておかれて下さいね!

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 宮松 利博

得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。


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