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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol㊼ ペルソナの動きを見える化する「カスタマージャーニー」

顧客の態度変容を促すフレームワーク
以前にプロモーション計画は、4つの要素を考えることとお伝えしました。「①誰に伝えるか?」「②何を伝えるか?」「③どのように伝えるか?」「④何を通じて伝えるか?」の4つです。①と②はターゲットと訴求ポイントを明確化し、③はクリエイティブでどんなコピーやデザイン&レイアウトで表現するか。そして④はターゲットとなる顧客の心理と行動を理解した上で、認知から購買行動までの筋道を決めて最適な媒体や販促策を組み立てます。これを「プロモーションミックス」と言います。
効果的なプロモーションミックスを行うフレームワークには従来から、顧客の心理と行動を的確に捉える「態度変容モデル」として、「AIDMAモデル」や「AISASモデル」などがありました。
カスタマージャーニーも顧客の態度変容を促すフレームワークで、直訳すると「顧客の旅」。つまり「顧客が商品を知り、購入し、利用に至る(また情報を共有したり、最終的に廃棄するに至る)体験の道のり(旅)」のことです。この「体験の道のり(旅)」をマップ化することで顧客とのタッチポイント(自社製品を触れる機会)を最適化するプロモーション施策が可能となり、さらに成果を伸ばすことができます。

何故「カスタマージャーニー」なのか?
小売り店を介して販売する従来のマスマーケティングは、マスメディア(テレビ、ラジオ、雑誌、新聞)や店頭が中心であったため、ペルソナを設定した上でタッチポイントを想定し、広告媒体や販促施策を組み立てるだけでした。
しかしインターネット、そしてECが普及した現在、顧客は様々なチャネルを横断して情報取得や購買行動を行っているため、顧客行動を把握することはますます難しくなっています。
一方で、アナログ時代からのダイレクトマーケティングの伝達手段や顧客管理手段がデジタル化された今日は、マーケティングオートメーションツールやアドテクノロジーの進化により、顧客の行動がよりリアルタイムに、そして安価に取得・分析できるようになりました。
このような背景から、アナログ時代の態度変容モデルよりも「個客(顧客)に、正確に、見える化する」プロモーションミックスを組み立てられる「カスタマージャーニー」に注目が集まっている訳です。

カスタマージャーニーのメリット①「顧客を深く把握出来る」
顧客がどのような心理と行動による購買プロセスで、自社製品やサービスを購入しているのか。Webサイトやアプリの行動ログや、アンケート調査で顧客の行動を理解したつもりでも、俯瞰的に見て顧客がどのような動きをしているかを把握するのは難しいものです。
その点でカスタマージャーニーは、ペルソナの動き(心理と行動)を時系列で見える化し、顧客の「体験の道のり(旅)」を全体的に見て、シンプルなストーリーとして表現するため、顧客の行動を深く把握することが可能です。
また顧客の「体験の道のり(旅)」を見える化することで、事業会社のメンバーが客観的に顧客目線でプロモーション施策を組み立てられるようになります。
自社サイトに集客を図りたい場合、Webサイトを考えるだけでなく、オンライン・オフラインを問わず、様々な広告媒体からの流入や、店頭からのメッセージ、あるいは他の情報サイトやSNSからの情報収集、そしてリアルな口コミなど、あらゆるタッチポイントで「体験の道のり(旅)」から自社サイトに流入していることを俯瞰することで、自社サイトや他の施策の役割、伝えるメッセージも変わります。

カスタマージャーニーのメリット②「KPI管理で意思決定が的確になる」
カスタマージャーニーを行う際には、次回お話しする「カスタマージャーニーマップ」というフレームワークがあります。この作成には、マーケティング部門だけでなく、営業部門やサポート部門、開発部門など横断的にチームを組んで考えることで、あらゆる角度から顧客となるペルソナの体験が俯瞰的に見える化できるため、顧客の行動に対する共通認識が持てるようになり、施策の立案・検討が容易になります。
またカスタマージャーニーマップに基づいて行われる施策は、「顧客の体験の道のり(旅)にある、どの段階の課題を解決するか」が明確に定まります。例えば商品・サービスの認知を高めて興味・関心をひく場合は、広告のインプレッションが重要なKPI(重要業績評価指標~Key Performance Indicators)になりますし、具体的ニーズに対する解決手段を探す顧客に対しては、メールマガジンの開封率などをKPIとして施策を検討することになります。つまりカスタマージャーニーマップに基づく施策は、自ずとKPIの設定につながり、効果測定をリアルタイムにします。また最初に設定するカスタマージャーニーは、売り手側の「仮説」を整理して作成されます。施策の実施で結果が見えることで、仮説の検証とブラッシュアップを図りますから、よりカスタマージャーニーマップの精度を高める上でも、KPIの設定は重要となります。
次回はカスタマージャーニーマップの作成方法をお話しします。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント

マーケティングコミュニケーションコンサルタント。「顧客視点でのマーケティング」を信条とし、生活者の価値提供を最重要視したマーケティングコミュニケーション領域の、コンサルティング&プランニングを手掛ける。


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