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楽天市場の受賞店舗とその裏側

JECCICA特別講師 清水 将平

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楽天市場の優秀店舗が表彰される「ショップ・オブ・ザ・イヤー」

2013年の総合賞は、次の通りです。

  1. 爽快ドラッグ
  2. ケンコーコム
  3. Joshin web 家電とPCの大型専門店
  4. charm 楽天市場店
  5. ビックカメラ楽天市場店
  6. エディオン楽天市場店
  7. コジマ楽天市場店
  8. NetBabyWorld(ネットベビー)
  9. ソフマップ楽天市場店
  10. Z-CRAFT

 

「爽快ドラッグ」は、住友商事のグループ企業。

「ケンコーコム」は、楽天が2年前に買収した企業。

「Joshin web電とPCの大型専門店」は、阪神タイガースのオフィシャルスポンサーでもある関西では有名な家電量販店であり、東証一部上場企業。

「ビックカメラ」といえば、皆さんご存知の家電量販店であり、7位の「コジマ楽天市場店」や9位の「ソフマップ楽天市場店」も過去にビックカメラが買収した企業が運営するショップです。

「エディオン」の家電量販店では、ヤマダ電機に継ぐ上位の企業です。

そして、「NetBabyWorld(ネットベビー)」は、ベビー用品メインと独立系ショップでしたが、今年になり、「爽快ドラッグ」に買収されました。

4位の群馬にあるペット用品を販売する「charm 楽天市場店」や10位の名古屋に本社のある「Z-CRAFT」のみが上場していないショップとなります。

80%が大手企業の運営、50%が家電量販店という現在の受賞状況で、100%のショップに共通する商材は、メーカー商品といわれる型番商品をメインに取り扱っている為、1ショップで効率的に集客し、比較的粗利率が低い商材であっても、効率的なオペレーション方法で、モールでも売上を伸ばし続けることで成功していると言えます。(利益が伸びているかは、定かではありませんが。)

 

個人的に、最近の楽天のショップ・オブ・ザ・イヤーは、上記の通り、お馴染みのショップばかりが受賞し、顔ぶれも変わらない為、マンネリ化が加速し、盛り上がりに欠けているのではないかと思います。

来年あたりは、楽天や上場企業が運営するショップは、「殿堂入り」となるなど、期待したいと思います。

 

 

 

さて、この「ショップ・オブ・ザ・イヤー」は、「楽天で一番売れているお店」という意味で考えられますが、実はその裏に、「楽天で一番売れている企業」「一番儲けている企業」が存在するのは、ご存知でしょうか?

 

楽天市場は、Amazon.co.jpと異なり、同一企業でも異なるショップとして出店することができます。

その結果、調べてみると約2%のショップは、複数ショップとして出店しています。

楽天の関連会社である「株式会社ファイントレーディング」が50ショップ以上を運営していますが、それを除いても、30ショップ以上を運営する企業が1社、10ショップ以上が数社、4ショップ以上となると100社以上存在します。

オフラインのお店がそれぞれ楽天に出店されており、出店企業名が同じであるケースもありますが、単純に同じ商品を複数ショップで運営しているケースもあります。

 

弊社独自調査によると、複数ショップを運営している場合の方が、1ショップで運営するより、商品数や売上の平均で4倍ほど差があるのではないかと予想されます。

単純に複数出店しているが売上が1店舗に集中しているケースもあれば、そうでもないケースもありますので、月商で10億を超える企業もあるかもしれませんので、「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞していない店舗で、合計すると受賞店舗より売上のある出店企業も多く存在するでしょう。

 

このコラムでは、具体的な社名を挙げることは、控えますがGoogleで次のように検索するとこで、複数出店しているかは、調べることができますので、お試しください。

site:www.rakuten.co.jp info.html 会社名

 

例えば、site:www.rakuten.co.jp info.html 株式会社ファイントレーディング で検索すると60ショップ以上確認できるかと思います。

楽天市場も出店店舗に複数出店を勧めるキャンペーンを開催し、トップページに出店案内のバナーが掲載されるほど、出店数を増やすことには、苦戦していると考えられます。

ショップを運営されている方もショップを支援しているコンサルタントや支援事業者もこの視点で、ライバル店が複数ショップを運営して、効率的に楽天市場での集客を行っていないか、ぜひ確認してみてください。

 

私が学生時代にアルバイトをしていた某有名チェーン店も、ライバルと同じビルに複数ブランドで出店するという戦略で大きく成長していましたし、オフラインの世界でも例えば、ラーメン店の売上を1店舗で売上を倍にするのは、難しくても、その商圏で、2店舗出店することで、集客が増えて、それぞれの売上が伸びるということもあるかと思います。

 

コーヒーチェーン店では、ドトールコーヒーがエクセシオールカフェで、スターバックスと戦い、星乃珈琲店でコメダ珈琲の客層をターゲットに進出するなど、よくあるケースですが、なぜかネットショップは、10年以上も同じ屋号と看板で運営するケースも目立ちますので、ぜひ新たなマーケティング手法として、考えてみて頂けると幸いです。

 

なお、コンサルタントという立場からは、○○専門店など専門性を強化した見せ方や年齢や性別などでセグメントして、ターゲットを明確化するような戦略は良いと思いますが、単純にコピーするだけというのは、お客様にとってもメリットはありませんので、お控えいただきたいと考えています。

 

 

JECCICA特別講師 清水 将平

shimizu

EC得意分野/楽天などモール出店ショップ支援 日本ECサービス株式会社 代表取締役社長 ECマーケター。 元楽天ECコンサルタントとして数千店舗を担当。 独立後、月商数千万円規模のショップをメインに会員制サービス「ECマスターズ」を運営。

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