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ドローンによる配送

最近、フードデリバリー先駆者のドアダッシュと、ドローン配送サービスのウィングが、アメリカでドローンによる配送パートナーシップを開始すると発表しました。まずは、バージニア州のある地域で、ドアダッシュから注文されたハンバーガーチェーンのウェンディーズの商品配送が対象となります。ドアダッシュとウィングは、2022年にオーストラリアでドローン配送パイロットプログラムを開始し、1年以上にわたり数万人の顧客にサービスを提供してきており、オーストラリアでの拡大成功を経て、アメリカでの新規サービス開始となりました。ドアダッシュでは、市場のあらゆる側面にサービスを提供するマルチモーダル配送プラットフォームを構築することで、より効率的で、持続可能で、便利な配送オプションを消費者に提供することに取り組んでおり、今回のドローン配送もその一環となります。

ウェンディーズからドアダッシュアプリで注文をすると、チェックアウトページにドローンで配送するオプションが表示され、それを選択して注文すると、ウェンディーズの店舗で準備および梱包され、ウィングのドローンにより、通常30分以内に配送される仕組みになっております。ドローンは時速約160kmで飛行し、ホバリングして、ロープにより玄関先で注文品を静かに降ろします。今までのウィングの最速配送時間は、なんと3分だったそうです。ただし、重さ制限および時間制限があり、一つのドローンで配送できる重さは約1,500gで、それ以上の場合は複数のドローンを使用するとのことです。また、暗くなってからの配送を避けるため、注文は午後4時30分までとなっています。顧客としてのメリットは、迅速な商品受け取りに加え、通常ですとドアダッシュの配送ドライバーに払うチップも必要なくなります。今年後半には、アメリカの他の都市でもサービスを開始する予定とのことです。

イメージは、ウィングのホームページより抜粋

ウィング同様、自立配送ドローンのスタートアップであるジップラインも、自社独自の配送用ドローンの設計、構築、運用を行っており、4,700以上の病院やウォルマートとの提携により、ヘルスケア、クイックコマース、食品の分野に注力して、アメリカ南部を含む世界各地でサービスを展開しております。ちなみに、マイルストーンとなる100万回目の配送は、ガーナのジップライン配送センターから地元の医療施設まで点滴液2袋が運ばれたとのことです。

ところでドローンの配送と言うと、約10年ほど前にそのコンセプトを発表したアマゾンを思い浮かべる方も多いと思います。アマゾンでも、カリフォルニア州やテキサス州ですでにドローン配送プログラムを実施しておりますが、実は配送件数やサービスエリアの拡大が当初の予定どおりにはなかなか進んでいないようです。その理由として、道路を横切ったり、人の近くを飛行したりすることを禁止するドローンに対する規制があり、ウィングやジップラインと異なり、人口密度の多いエリアでのサービス展開を行うアマゾンにとって、そのような規制を回避するのはかなり困難であることが挙げられています。アマゾンで構築しているドローンは、安全設計において実証済みの航空宇宙アプローチを採用しており、アマゾン独自の感知回避システムにより、他の航空機、人、ペット、障害物を安全に回避しながら、より長距離での運用を目指しており、そのためにも政府機関と緊密に連携し、各規制をクリアしながら進めているとのことですので、もう少し時間が経てば、アマゾンの配送ドローンを頻繁に見かけることができるかも知れません。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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