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ハイブリッド型Eコマース

今までのレポートで何度かご紹介したことがありますが、オンラインで注文して店舗で受け取る”Buy Online, Pick Up in Store -BOPIS”は、消費者にかなり浸透してきております。最近では、写真にあるように、大手百貨店でもかなりのスペースをこのピックアップ用に確保し、さらにはピックアップした衣服をその場で試着できるようにもなっています。



ショッピングモールに入っているノードストロームのBOPIS

eMarketerの予測によりますと、アメリカにおける今年のBOPIOSの売上は、対前年比19.4パーセント増の958.7億ドル、来年には1,000億ドルの大台に乗るだろうと言われております。この数字は、小売Eコマース全体の売上の約9〜10パーセントを占めます。

BOPISサービスを提供するには、注文、決済管理に加えて、在庫管理、出荷配送管理、購入者への通知など複数のアプリケーションを連携させる必要があることから、まだまだ大手小売が主となっており、ウォルマート、ベストバイ、ターゲット、ノードストローム、メイシーズなど全国ベースで展開している大手7社でBOPIS売上全体の64パーセントを占めておりますが、BOPISソリューションを提供するIT企業もでてきており、裾野が広がっていると考えられます。

また、小売に加えて食料品などでも利用が広まっており、2019年にはBOPIS利用者の39パーセントがこの方法を使用して食料品を購入していましたが、2021年には8,890万人が利用し、そのシェアは58パーセントまで増加しています。

このようにBOPISが大きく成長した理由として、新型コロナウィルスによるパンデミックの影響から極力外出を控えなければならなかったことおよびソーシャルディスタンスの徹底などがありますが、Digital Commerce 360による消費者の声によりますと、やはりその利便性、店舗での買物時間を減らしたいと言った理由が上位になっています。

また、早く商品を欲しいという、今まで配送に頼ってきたがために商品の入手が遅いというEコマースのネガティブな一面を解決できることも理由の一つに挙げられています。

ところで、ショッピングモールに入っている有名ブランド店などを見ていますと、以前より展示している商品が減っているように見えます。店舗には極力在庫をおかないことによりスペースを削減、バーチャルリアリティによる擬似購入体験などオンラインでの購入プロセスを充実させ、注文商品を郊外の倉庫から店舗に移動し、注文当日もしくは翌日に商品を手渡しするというハイブリッド型Eコマースが当面の主流となっていくような気がします。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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