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ネットショップの教科書105 移行準備に2年間以上の猶予期間を持つ意味 楽天SKUプロジェクト移行準備 -2

前号にて、現在楽天市場の出店者が最も注目している「楽天市場SKUプロジェクト移行準備」について、解説しました。2023年4月から商品管理データのスタイルが、「SKU」になるというものですが、いろいろな方からご質問をお寄せいただきました。

・SKUについて説明してもらいましたが、やはりわからない!
・どんな準備をするのか、わからない!
・今まで使っていた編集ソフトはつかえなくなるの?
・カテゴリーの管理ファイル(cat.csv)はどうなるの?
・在庫を持たない受注後の仕入れ商品はどうなるの?
・商品サイズの小さく数量の多い在庫をカウントしていない場合はどうするの?

SKU単位になじみがない方にはわかりいくいと思います。簡単に言うとAmazonの商品単位がSKU単位です。楽天市場で商品数1,000に、項目選択肢(カラーやサイズ)が1商品に対して平均20種類あるとすると、在庫数を管理する20,000 sku の商品数になります。

楽天市場で商品数1,000と表現していたものが、Amazonでは商品数(sku数)20,000となるわけですが、商品ページが、1,000から20,000になるわけではありません。1商品に項目選択肢(5カラー×4サイズ)が20種類あるからと言って20商品ぺージ同様の仕様商品があると買い物する立場で考えてみても、やりずらいこと容易にわかります。

現状のAmazonもそうですが、項目選択肢 5カラー×4サイズ の場合、見た目は1ページに20種類の項目選択肢があるようにみえます。項目選択肢を選択すると、商品画像、商品名、サイズやカラーなどバリエーッション、販売価格、商品説明などが変化します。実は1ページに見えて20枚の商品が重なっているのです。その親バリエーションと言われる商品ページで項目選択肢を選択すると、その商品情報(商品画像、商品名、サイズやカラーなどバリエーッション、販売価格、商品説明)が現れます。前号で紹介しましたが「SKUとは」をもう一度復習してみましょう。

SKUとは
SKUは、Stock Keeping Unitの略で、在庫単位での商品管理を意味します。 現在の楽天市場は、必ずしも商品 と在庫数 が一対ではありません。 例えば、 カラーやサイズ など 商品に バリエーションがある場合、個々の バリエーション毎の 在庫数 は 商品ページ毎に管理されておらず 、 それに比べて 一商品 一ページに集約されているAmazonでは、 商品、商品ページ 、在庫数と、「商品単位で在庫がわかる」商品管理になっています。

現状の楽天市場の商品は、商品と在庫数が1体1となっておりません。

Amazonでは、商品のバリエーションが、バリエーション毎に商品より展開されており、商品と在庫数が一対になっています。言い換えるとSKU項目は、在庫数を決定づけるためユニークである必要があります。

なぜSKU商品管理?
2023年4月に楽天市場は、なぜSKUによる商品管理に乗り出すのかと言うと、「楽天市場を利用する利用者が、商品を探す時に感じる不便さと、検索精度の悪さがあげられ、その要因は、商品ページや商品に商品仕様やバリエーションが同居しているためと考えられています。」とのことです。

それらを改善すべく、楽天SKUプロジェクトが始動したわけですが、この商品管理システムの切り替えには楽天市場システムによる自動変換の他、出品者が行うべき作業があります。

前号でも紹介しましたが、多くの方がここから「イメージできない!」、「よくわからない!」と言います。このあたりをもう少し詳しくご説明しましょう。

移行作業はどのような内容?
現在の「商品ページ」と記載の項目は商品ページ単位での情報登録となり、その他、「SKU」と記載の項目が必要になります。「SKUページ」は商品ページ内に、各SKU単位での情報登録となります。

現在のitem.csvと同等の約60項目あり、一部なくなる項目、新規に加わる項目があります。現在の登録単位「商品ページ」と記載の部分は、移行時自動で記載されます。

現在1商品に下表の項目名のような項目があり、このたびの移行で「なくなるもの」「新規に追加されるもの」があり、概ね60項目くらいあります。

例えば項目名「商品管理番号」は、現在の登録単位に「商品ページ」とあり、1商品ページに項目「商品管理番号」がセットされています。移行時も商品ページでかわりはありません。

項目名「SKU管理番号」は、現在ありませんが、移行時「SKU」に新規登録されます」

各出店者が取り扱う全商品の60項目近くの項目を、「商品ページ」「SKU」に分かれて管理編集することになります。「商品ページ」「SKU」どちらの管理になるかは、システム的に仕分けすればいいですが、項目選択肢で大きく膨らんだ商品数(sku数)の必要項目に記入していくには、膨大な作業時間がかかるものと考えます。

今回の「楽天市場SKUプロジェクト移行」は、発表から各店舗の設定移行日まで2年間以上の準備期間が与えられております。これだけ長い準備期間用意したプログラムは、楽天市場はじまって以来、初めてのことと思います。このこと、何を意味するか?いかに大変な作業になる予感がします。

前号でも、以下のRMS内での編集についてご紹介しました。

出品者が「SKUページ」にRMS内で記入する方法ですが、ここで注意しなければならないのが、項目名にあるリンク「SKU毎に入力」のクリックです。

項目名にあるリンク「SKU毎に入力」をクリックすると、セクションの画面が切り替わりSKU単位での入力が可能です。

すでに値が入力してあるSKUもしくは記入した直後に「SKU毎に入力」をクリックすると、画面切替後全てのSKUにその値が入った状態になる「全置換」という便利な機能です。

しかし、このリンク「SKU毎に入力」はかなり危険です。
誤って、クリックすると、意図していない対象を意図してない内容で全置換する場合があります。

多くの商品数を扱う出品者は「CSV・APIサービス」による一括アップロードサ-ビスが必要です。一括アップロードサ-ビスほ用意されますが、利用可能時期は、2023年2月と思われます。

SKU情報を追加した受注データダウンロードは、2023年2月以降、新しい商品一括編集に至っては、2023年4月以降。移行店舗より利用可能とあります。

重ねて申しますが、楽天市場が1997年スタートして以来、編集作業としては過去最大の難題ではないかと思っています。現状のitem.csvとselect.csvを元にした移行ファイルを作成し、早めの準備をすべきと思います。

移行後は現在お使いの編集ソフトは、商品データの構成が変化する以上、なんらかの改修が必要となり、そのままでは使用できないと思います。

在庫を設定していない場合、在庫数をカウントしていない場合でも「999」など何らかの入力値を要求されるものと思います。

2023年4月の「楽天市場SKUプロジェクト移行」に向けて、しっかりと準備をしておきたいものです。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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