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「メタバース」を紐解くと今、ECに必要なことが見えてくる

昨今、「メタバース」という言葉をよく耳にする機会が増えてきていませんか?
実店舗ではないものの、バーチャルマーケットのイベントではBEAMSが、スマートフォン向け仮想都市空間プラットフォーム「REV WORLDS」では仮想伊勢丹新宿店が営業していることをご存知の方も多いと思います。
でも、そのメタバースについてきちんと説明できる方というのが少ないのも事実だと思います。そこで、今回は、改めてメタバースの解説とその先の未来について、私の見解をお話ししたいと思います。

メタバースとは何なのか?
メタバースはコンピュータ(インターネット)等で表現された仮想空間のことで、現実からかけ離れた世界を構築することが可能です。
インターネット上の世界のため、現実のような時間、空間、肉体などの制約がなく、どこまでも制限のない大きな空間を作ることができます。
その仮想空間ではアバターと呼ばれる、空間上の自分の分身が、誰かとコミュニケーションを取ったり遊んだり、もちろんお買い物をしたりします。
また、手持ちのスマートフォンやPCなどのディバスからアクセスが可能ですが、VRゴーグルを使うことで「没入感」を味わうことができるのです。
言葉だけではわかりづらい!!と思った方。そんな方は「レディ・プレイヤー1」という映画を観てみてください。この映画は2018年スティーヴン・スピルバーグによって製作されたものです。
2045年、大金をめぐって大勢が争い合う壮大なゲームに若者が挑んでいくメタバースの空間をとてもわかりやすく表現しています。

決済方法に変化が!?
世の中は便利なものが普及していきます。電車に乗るのに以前は切符を買っていましたが、交通系電子マネーの普及により今では当たり前のように電子マネーを使い、乗り換えでも切符を買うことなく利用することができます。コロナ禍により決済方法も電子化が一気に進み、買い物も現金払いではなく電子マネー決済、カード決済される方が圧倒的に増えています。非接触型かつ便利だからです。
先に述べた「レディ・プレイヤー1」。この映画では、単なるメタバースの世界だけでなくゲームで必要な武器の購入やその決済方法など、この先の未来を示唆している描写がいくつも見受けられます。
特に決済方法はメタバース上での専用通貨が使われており、そこにはクレジットカードすら存在しません。既にあるインターネットカジノでも暗号資産の決済が主流となってきていることから、今後、メタバースが普及していった場合、この現実にはないバーチャル空間においては、そのサービス世界への「没入感」をそこなわない方法、例えば、暗号資産やゲーム内通貨などが採用されることでしょう。
メタバースの世界だけでなく、これからはあらゆる決済方法で暗号資産が使えるようになっていくでしょう。

時流は「第4次産業革命=金融革命」
世の中が大きく変化するタイミングには、必ず産業革命がありました。
第1次産業革命では、石炭燃料に代わったことで機械化が進み、第2次産業革命では、石油と電気が普及し、大量生産化が進みました。第3次産業革命では、ITにより作業の自動化し、またインターネットにより情報伝達力が格段に早くなりました。
 そして、2009年サトシナカモト名で発表されたビットコインから始まった暗号資産は、国家間の枠を超え、また、金融機関の枠も取っ払い、今や銀行のない地域の人々にも流通しています。偽造や改ざんが難しいブロックチェーン技術の誕生からスタートした暗号資産ですが、そこには様々な金融システムがあります。 
・Defi(Decentralized Finance)/分散型金融
銀行等の中央管理者を通さずに、ユーザー同士が直接取引や管理を行うこのできる金融サービス
・NFT(Non-Fungible Token)/非代替性トークン
デジタルデータに資産価値をつけ、例えばライブチケットや自作イラストなどの転売を抑止できる
・DAO(Decentralized Autonomous Organization)/分散型自律組織
特定の所有者や管理者が存在せずとも事業やプロジェクトを推進できる組織を目指す
まだまだ成長過渡期ではある暗号資産ですが、これこそが金融革命であり、それが第4次産業革命なのではないでしょうか。
ただ、ここではこれらの言葉を詳しく説明したいわけではく、それほど、世の中が変わってきている、だからこそ、この先のメタバース市場だけでなく、ECに係わる決済サービスにも革命が起こるのではないかと思っているのです。
だからこそ、「暗号資産=ビットコイン」や「暗号資産は怖いもの」と思っている方がいるのであれば、本当に今こそ勉強していただきたいのです。

「メタバース」を紐解くと今、ECに必要なこと
そんなメタバースの仮想空間が現実化するのか??リアリティがあるのか?と思っている方がいらっしゃるようでしたら、内閣府から発表されている「ムーンショット目標」をお調べいただきたいと思いまます。
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/target.html
その目標①では2050年までに「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」を掲げており、誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤を作ると言っています。
映画のレディ・プレイヤー1は2045年、このムーンショット目標は2050年。設定期間がとても類似しています。
そして、私はケータイでは物が売れないと言われていた時代からECに携わってきました。当時のガラケーは白黒の画面でしたが、一番最初に売れたのは電子レンジと自転車でした。そして、その後20年あまりでECのスマホ購入比率は70%を超えてきているのです。
それを経験している私からすると、メタバースは2045年と言わず、もっと近い将来に現実化すると確信しています。

今の世の中、現実に存在するものだけしか信用しない時代ではなくなってきました。
宇宙の世界では95%は目に見えないものです。酸素は見えていますか?紫外線は?赤外線は?電子マネーは?すでに目に見えない物の中が私たちの生活にはあふれているのです。
メタバースを紐解き今必要なことは、『時流』を掴むことです。ECの世界もこの時流の先頭に立って進むことで更に業界の発展に繋がるのではないでしょうか。


JECCICA客員講師 松本誠世


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