DHLが、世界29ヶ国のオンライン購入者29,000人およびEコマース事業者5,800社を対象に行った調査レポート、”2026 Eコマーストレンドレポート”が最近発表されました。このレポートは、オンライン購入者、Eコマース事業者、双方の視点から見た世界のEコマースにおける行動について、包括的な見解を提供しています。ただし、調査対象国は、南北アメリカ、ヨーロッパ、中国、オーストラリアなど広く網羅されていますが、日本は残念ながら含まれていませんでした。このレポートから、今回は越境ショッピングに関してご紹介したいと思います。
越境ショッピングの利用拡大と消費者動向
海外から商品を購入する消費者は、昨年の調査では60パーセントでしたが、今年はさらに10パーセント増の70パーセントとなっており、越境ショッピングはごく一般的になっていると言えます。また、月に1回以上の頻度で越境ショッピングを行っている消費者は45パーセントとなっています。消費者の世代別に見ますと、テクノロジーに精通した若い世代が越境ショッピングを牽引しており、Z世代とミレニアル世代の53パーセントが月に1回以上海外から商品を購入しています。一方、ベビーブーマー世代の51パーセントが越境ショッピングにおける不正利用を懸念していますが、それでも69パーセントは、より低価格で購入できるという理由から海外での買い物を続けています。主な購入アイテムは、衣服、靴、電化製品が上位になっています。国別にみますと、右表のとおりで、ここではEUの貢献が見えます。
購入者・EC事業者の国別ランキング
購入者が利用する国トップ5
| 国 | 割合 |
|---|---|
| 中国 | 59% |
| アメリカ | 32% |
| ドイツ | 23% |
| イギリス | 17% |
| フランス | 13% |
EC事業者による販売先の国トップ5
| 国 | 割合 |
|---|---|
| フランス | 43% |
| ドイツ | 43% |
| アメリカ | 35% |
| イギリス | 34% |
| カナダ | 30% |
海外需要とEC事業者の対応にあるギャップ
ところで、このような消費者の傾向に対して、Eコマース事業者の観点では、海外の購入者に向けたEコマース体験の整備が依然として不十分なようで、カナダ、アメリカ、イギリスのB2C企業のそれぞれ22パーセント、21パーセント、18%パーセントが現地語や現地通貨へのEコマースのローカライズを行っておらず、世界的な需要と企業による対応との間にギャップがあることがわかります。また、海外からの需要は価格や品質に左右されると思われますが、実際に購入に至るかどうかは、最終的に配送や物流のあり方も重要な要素になります。高額な配送料、長い配送期間、複雑な通関手続き、返品に伴う煩わしさは、消費者と企業の双方にとって最大の障壁となっており、これらの解決が更なる越境ショッピングの成長につながると思います。事実、現時点で越境配送を行っていない企業のうち25パーセントは、今後12ヶ月以内に越境配送機能の導入、強化を優先事項として挙げています。
越境ショッピングの成長を左右する条件
越境ショッピングの成長における次のフェーズでは、自動翻訳や洗練された決済環境に加えて、海外への配送を国内配送と同様のシームレスな体験を提供できることが、成功の鍵となりそうです。