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2016年 年頭所感《JECCICA理事 中谷 昌弘》

JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)

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謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

2015年上半期は物流改革として信書と言われる「手紙」をメール便で送ると罰せられる法律に基づき信書とメールで送ることが許される「書類や冊子」との区別がつかずまま利用することにより法違反のない顧客が罰せられるリスクをヘッジをするため、ヤマト運輸が3月31日に「クロネコメール便」を廃止し、翌日より新サービスとして「宅急便コンパクト」「ネコポス」をリリースさせました。

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同時期に日本郵便は、ECをつかさどる書籍や小物雑貨、さらに信書も遅れるなどのA5サイズ・1kgまでを全国一律料金で専用封筒で配送するサービス「スマートレター」をリリースさせました。

このヤマト運輸のアクションは日本郵政が一般信書の取り扱いを独占していることに対する一種の問題提起として、感じました。

その後8月20日楽天株式会社は、東京都の渋谷区、目黒区、世田谷区、港区において、最短20分からの即時配送サービス「楽びん!」をリリース。

ソフトドリンクやお酒、おつまみなどのコンビニエンスストア商品から、洗剤やトイレットペーパー、おむつなどのドラッグストア商品、「楽天市場」のランキング上位商品などや「楽天カフェ」で提供されているスイーツやコーヒーまで、約450点の商品の購入が可能としました。

 

また決済の分野では、Amazonが5月11日より、他のECサイトでAmazonのアカウントでログインし、簡単に支払いできるサービス「Amazonログイン&ペイメント」の提供を開始しEC業界を大きく賑わわせました。

当然の流れとして、当社でリリースする「トントンカート」にも「Amazonログイン&ペイメント」を実装する投資を行ったのは言うまでもありません。

 

「Amazonログイン&ペイメント」サービスを導入したECサイトでは、Amazonアカウントでログインし、登録されている配送先住所やクレジットカードが利用できるようになるり、全く初めて訪れるECサイトでも情報入力手間を省くことが可能となり、簡単に買い物ができるようになっています。

このAmazonのアクションは、もはやECの頂点に立つことを宣言したことであるとも感じ取れます。

 

それを皮きりに「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」が追加料金なしで、無制限に使える会員制プログラム「Amazonプライム会員」を対象にPrime Video,Prime Musicを続々に発表した後、ダメ押しとも言える配達時間は朝6時から深夜25時まで対象エリアに最短で1時間以内に配達する「Prime Now (プライム ナウ)」をリリース。

まさに改革の年といって過言ではありませんでした。

 

そして2014年からふつふつと湧き出ていた越境ECブーム。

2015年は「越境EC」というキーワードでセミナーを行うとたくさんの方々がお越しになっていただける年でした。

この現象は国内でネットショップを運営しているものの売上の伸び棚に差し掛かってしまい、なんとかさらに売上を伸ばせないかとターゲットを国外に拡大することを検討されておられる事業者が多いということを物語っていると感じました。

海外展開を実践していくにあたっては、現状では向き不向きの商材が明白であることは事実ですが、決済としては世界的にメジャーなサービスPayPalは米国向けでしたらポピュラーと言え、ウエブサイトの翻訳にあたっては翻訳したい文章のファイルをWebサイトからアップロードし言語や料金プランを選択できるようなサービスもでてきていて、もはや「越境EC」は実施しようと思えば既にインフラは整備されてきているので、あとは本気で実践する気持ち次第と言えます。

2016年はターゲットとなる国・地域と販売商品を選別し展開していくことが肝要で特に成長の可能性を秘めているの東アジアを中心としたアジアの国・地域で、菓子類や電気製品、化粧品や医薬品などの商品が人気であることは既存のデータからも読み取れますが、国による違いも大きく「越境EC」をひとくくりに考えるのではなく、自社の商材が合うかどうかを国ごとに考えて展開していく必要があると考えています。

 

外国人観光客が日本で買い物していく商品などの傾向などから読み取れる商品へのニーズは「関税前の安い日本のブランド物」「正規メイドインジャパン商品」「日本でしか買えないもの」と分析することができ、「越境EC」での主力商品も同様と思っています。

大きなカギは物流で、現在は多くのショップは日本郵便のEMSを利用しています。

世界120ヶ国以上30kgまでの商品に対応していて一部アジア地域へはクールEMSも実施されているわけですが、現時点では、「越境EC」にかかわるテクノロジーが発達しているものの関税の問題および各国間における物流取扱いの全世界ルールなどのインフラ統合整備などが壁となっていますが、本年2016年は、物流における国内ハンドリングから到着国内ハンドリングのクオリティの統一など、冒頭「ヤマト運輸」の問題提起同様のアクションが起こり、海外物流が整備されていき「越境EC」の発展元年になる様期待しています。

2016年が皆様にとりまして、より一層の飛躍の年になりますよう祈念して新年度のご挨拶とさせていただきます。

 

JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)

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ハム・ソーセージのウェブショップ通販:北海道トンデンファームウェブショップの開設者。著書には「笑う豚の生活」がある。現在、茨城県および茨城県水戸商工会議所はじめ全国の商工会議所において地域IT戦略の講演を年間200本以上を行い抜群の講座リピート率と満足度を誇っている。全国のネットショップの個別コンサルタントとして20社を超えるサイトプロデュースに活躍中。

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