ティーンエイジャーに人気のファッションブランド
現在、アメリカのティーンエイジャーに人気の高いレディースファッションブランドとしてPrincess Pollyがあります。Princess Pollyは、常にトレンドに沿った高品質のファッションを、最高のカスタマーサービスとともに提供することをビジョンとして、2010年にオーストラリアのゴールドコーストのビーチサイドにあるアパートからスタートしたオンラインショップです。
最新のファッショントレンドを提供するPrincess Pollyは、価格は決して安くはないのですが、サイズ、色、デザインなどさまざまなバリュエーションがあること、服に加えハンドバッグ、靴、ジュエリー、アクセサリーなども販売していること、デザインはシンプルでトレンディ、そしてキュートであることが、ティーンエイジャーからの支持を得ているようです。ここまで成長した背景には、インフルエンサーとのパートナーシップによるアフィリエイトプログラムがあります。インフルエンサーに服を無料で送り、その見返りにインフルエンサーはInstagram、TikTok、YouTubeなどのソーシャルメディアで商品を宣伝し、コミッションを得ることができます。また、コミュニティの創設にも力を入れており、特に”カレッジアンバサダー”という大学生向けコミュニティプログラムが好評のようです。カレッジアンバサダーは、学生用Eメールアドレス(.edu)および公開ソーシャルメディアアカウントを持っていれば誰でも応募でき、カレッジアンバサダーに選ばれると、リンク経由での購入に対して、インフルエンサー同様にコミッションも得ることができます。各大学での認知度を高めるために、右イメージのようにキャンパスツアーも行っています。
オンラインショップからスタートしたPrincess Pollyですが、実店舗の展開も進めており、現在カリフォルニア州に1店舗、アリゾナ州に1店舗オープンしています。さらに、左イメージにあるとおり、ここシリコンバレーのショッピングモールを含めカリフォルニア州に3店舗、マサチューセッツ州に1店舗オープンする予定となっています。
ところで、ティーンエイジャー向けファッションブランドとして、以前Brandy Melvilleというブランドが絶大な人気を誇っていたことがあります。Brandy Melvilleもトレンドを先取りした素晴らしいデザインで、従来型の広告を使用せず、ソーシャルメディアマーケティングを活用し、Instagramページは310万人ものフォロワーを擁しています。が、服のサイズが一つしかない”ワンサイズポリシー”を採用し、サイズにフィットしない消費者をターゲットとはしないことから市場が小さかったこと、また細身の美学を推進し、ショップで働くスタッフも主にその服が着られる人のみの雇用に限定していたことから社会的反発も多く、それらを題材としたドキュメンタリー映画も作られたほどで、この多様性の時代において以前ほど人気はないように見受けられます。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。