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ライブストリームEコマース

1年ほど前のレポートでもご紹介したことがありますが、ライブストリームを活用したEコマースは、パンデミックにより消費者の購買傾向がよりデジタル化していることに伴い新たなトレンドとなりつつあり、今後成長する分野の一つと考えられます。Bizrate Insightsが2022年4月に行った調査によりますと、ライブストリームEコマースに関してアメリカの成人の利用および関心度は下グラフのとおりとなっています。定期的にライブストリームで購入する割合はまだ6パーセントにすぎませんが、若い世代を中心に関心度はある程度高く、アメリカでは今年中に170億ドル、2年後の2024年には倍以上の350億ドルの市場規模になると予想されています。

ライブストリームEコマースでは、誰でも影響力を持ち、ファン割引を提供し、リアルタイムでフラッシュ取引を宣伝することができます。また、購入までの時間短縮、消費者の声をとりいれた商品開発の短縮化などの効果も考えられます。中国ではいち早くライブストリームEコマースが驚異的なペースで発展しており、今年は4,230億ドルの売上高に達すると予測されております。

アメリカでも、AmazonがAmazon Liveを立ち上げたり、WalmartがTikTokを使いインフルエンサー主導のライブショッピングのテストを行ったりしています。Walmartのテストでは、予想の7倍の視聴者が集まり、TikTokのフォロワーベースが25パーセント増加したというデータがでています。また、オンラインでの花販売から始まり、現在ではギフトのEコマースへと発展した1-800-flowers.comは、対面式のフラワーアレンジメントイベント主催から始まったライブストリーミングプラットフォームの買収を今年1月に発表しました。これにより完全にデジタル化された高度にキュレートされたライブストリーミングの花、料理、その他のユニークな体験を、公共のイベントのゲストだけではなく、全国の消費者や企業クライアントに提供することを目指しています。

このようなことから、Eコマース戦略の改善を検討している企業にとっては、ライブストリームEコマースを含むデジタルエクスペリエンスの開発は、より時代の先取りと言えそうです。ライブストリームEコマースは、単なるオンラインショッピングの方法ではなく、消費者に対面ショッピングとオンラインショッピングの完全な現代的ハイブリッドの提供を実現します。

ところで、ライブストリーミングやビデオEコマースを実現するプラットフォームとして、ShopShopsという会社が注目を浴びているという記事を読んだことがあります。中国で創立し2020年末にアメリカ市場に参入してきたShopShopsの提供するプラットフォームの特徴は、ホストと呼ばれるクリエイターが、地域の小売ブランドや店舗に足を運び、世界に向けて商品をライブストリーミングして紹介することができるようになっている点にあります。その際、ホストはインフルエンサーとしてだけではなく、ライブストリームを通じて顧客からのさまざまな質問にもリアルタイムで回答するという経験豊富なライブセールスアソシエイトの役割も果たすことができます。ライブストリームEコマースは、地理的な境界を打ち破り、世界中の顧客がローカルのようにグローバルでの買い物ができるようになるというメリットも持ち合わせています。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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