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必要なものでなく、欲しいものを売る ~「価値」を高めるマーケティング~

「欲しいと思うものを買うな。必要なものだけ買え」
これは、紀元前234年から紀元前149年を生きた政治家である、カト・ケンソリウスの格言です。以前、とあるお金持ちの方に「お金が貯まる方法」を伺ったときに聞いた言葉です。お金を貯めるためには、欲しいものを買うのではなく、必要なものだけを買うようにと提言しています。そうです、そうなんです。正しいのです、お金を貯めるためには。
しかし、なぜこの言葉が格言となっているのか??そこにこそ、人間の購買心理があると思いませんか?

今回は、先日手に入れた「ベストアイデア全集2023」(ダイレクト出版発刊)という書籍の中から、マーケティングに役立つ考え方をシェアしたいと思います。その内容とは、「必要なものでなく、欲しいものを売る」ということ。要は、「必要性」をいくら訴えかけたところで、なかなか商品を手に取ってはもらえない。「欲しい」という気持ちに訴えかけることが大切だということを言っています。私もその通り!と声を大にして納得する内容でした。

私が以前勤めていた通販会社で、ダイエットサプリの購入者にアンケートを取ったことがありました。そのアンケートは購入者の意識調査だったのですが、面白いことに購入者の8割が数字的にはそれほど太っていない、言い方を変えると「普通の体型」の方だったのです。そして、その方々に、なぜ購入しているのかと聞いてみると、「とっても太っているわけではないが、少しでも痩せていると洋服が綺麗に着こなせる(気がする)」や「ダイエットサプリを飲むことで、好きなものを好きなだけ食べても大丈夫だと思える」など、ダイエットサプリは「無い」と生活が困るくらいの「必要なもの」ではなく、理想の自分や食べることに対する自分への許可を得るための「欲しいもの」だったのでした。

その当時の私は、「ユーザーが必要としているものが売れるもの。この人たちは何を必要としているのだろう?」という考えのもとで、商品を選定し、「必要性」に訴える売り方を考えていたので、このアンケートの結果はとても衝撃的でした。この時、私は「必要なもの訴求」ではものは売れない。「欲しい」と思わせる訴求をすることが重要だということを学んだ瞬間でした。

さて、この「欲しいもの」とはいったい何なのでしょうか?
それは、以下の3つだと言われています。
●時間●努力●お金

この3つのどれかを満たすことで、欲しいもの訴求が出来上がるのです。人間というものは「時間を節約したい」「努力したくない」「お金が欲しい、お金を失いたくない」ということにとても強い欲求をもっており、それらの欲求に抵抗することは難しく、どうしても興味を持ってしまうのです。

例えば、以下のキャッチコピーはいかがでしょうか。
「10秒つまむだけ!目の下のたるみが解消する、ご機嫌エクササイズ!」
「転職をする前に知っておけば、年収100万円アップするチェックシート」
目の下のたるみが気になっていなくても、もしくは転職する予定がなかったとしても、なんとなく、気になるのではないでしょうか。

商品を売るときには、この3つの欲求のどれかに刺さるように、アピールを考えてみるといいと思います。
●時間がかからない、短時間でサクッとできる
●努力が必要ない、簡単に楽にできる
●今までより安い、無料でできる

重要なのは、人は必要なもの訴求ではなく、欲しいもの訴求のものを買うという、ただそれだけのことです。今一度、皆さんが手掛けている宣伝用コピーや商品テキストを思い返してみてください。ユーザーの「必要性」に訴えかけていませんか?「欲しい」という気持ちに訴えかけることが出来ているでしょうか?まずは「欲しい」という欲求を突き動かしてからでないと、「必要性」をいくらうたったところで、なかなか商品は手にとってもらえないのです。

もちろん、商品のなかに顧客の「必要なもの」があってはいけないと言っているわけではありません。セールスコピーという観点から見たとき、顧客の欲しいものに関する話だけするように、と言っているのです。要は、ユーザーの必要なものは欲しいものと一緒に売る、必要なものは商品に含める、ということなのです。

みなさんの商品には、「時間」「努力」「お金」3つのうち、どれかアピール出来るポイントはありますか?あるいは、商品やサービスの一部だけでも、これら3つの要素はないでしょうか?この3つを意識してセールスコピーを作ると、きっと反応は変わってくることでしょう。


JECCICA客員講師 松本誠世


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