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ECの成否を握る新規顧客獲得単価の限界値設定

限界CPOという言葉を普段使いますでしょうか。私共は化粧品、健康食品のような単品リピート通販のお客様と取引をすることが多く、新規顧客獲得単価の限界値設定をする際に利用しています。単品リピート通販と言えば、メーカーやOEMとPB(プライベートブランド)で独自のブランドを持つことが大半であります。中には世界各国から独占販売の契約で仕入れをしているケースもありますが、ECで販売する場合は販売者が新規顧客獲得のコストを支払うことになるでしょう。

限界CPOの計算式ですが、売上(LTV)-広告費以外=広告費(限界CPO)となります。一回の売上ではなく、新規顧客の状態から平均で幾らご利用いただけるようになるかが重要ですので、まずはLTVの計算から始めます。LTV(ライフタイムバリュー)とは顧客生涯価値という意味で、顧客が生涯どれだけの金額をご利用いただけるのかを数値で表しているものです。1顧客単位で単価×回数の総合計となり、細かく計算するのであれば、媒体毎(流入元)や商品毎(商品の組み合わせ)に限界CPOを設定していきます。

この計算方法を日々ご利用されていれば会社が儲かるか儲からないかを瞬時に判断できます。広告費の投資対効果を合わせるには、この計算式から逆算して限界CPOを設定、新規顧客獲得単価を下げていくことで利益を増進し続けます。

新規顧客獲得単価を最適化する方法としては、商品販売額の設定、サンプル販売から引き上げる2ステップマーケティングや、本商品訴求、定期購入販売訴求、纏め売りの仕組みなどの販売計画、LP(ランディングページ)や商品ページなどの商品訴求のクリエイティブ制作、入力補助やチャット形式などのツールで利便性を向上させる方法、システムでUI・UX(表示方法・操作方法)の改善、広告出稿媒体の選定、広告配信する属性などのターゲット設定などが挙げられます。

新規顧客獲得単価を最適化と同様に重要なのがLTV向上させることです。LTVを向上させるには、MAやCRMでお客様に確実に沢山お金を使っていただく必要があります。その為にはカスタマージャーニー設計をして、お客様に気持ちよくご利用いただける導線を作り上げることです。この導線を仮説、実施、分析の繰り返しで『必勝パターン』が確立されていくのです。

ECでのLTV向上はどのような施策が必要となるか?それは、お客様が会員登録、初回購入した時点から如何に優れたコミュニケーションを取るかが鍵となります。お客様は商品を購入する際に何らかの悩みや課題、期待があり、商品を購入することで解決、解消することを望んでいます。貴方が販売する商品だけで満足なのか、他の商品も組み合わせする必要があるのか、1回だけではなく継続的に利用することで満足いただける内容なのかはビジネスプラン、個々それぞれなのでターゲットに合わせて適切な内容、適切なタイミングで訴求していく必要があります。

このように限界CPOを設定する過程には様々な仕組みがあり、どれが欠けても高収益モデルを築くことは不可能です。イメージが完成しても実行するには意外に労力が掛かります。EC店長やマーケッターは日々の業務に追われることが多く、どれもこれもやることの優先順位を判断する毎日。なので、人が考える必要があるものに軸を置き、機械やツールで自動化できる内容については人が手を動かす必要はないと私は考えます。勿論、全てに手間ひま掛けて対応するのは賛成なのですが、費用対効果に向けて手動か自動かの比重を調整して上手く時間と付き合っていく必要があります。

高収益モデルを構築する過程に、限界CPOの重要さをご理解いただきましたら、広告業界の方々と良好なお付き合いができるようになります。広告業界の方々に限界CPOの設定、広告出稿停止、さらに全ての業務の改善まで対応いただけることは確率としては非常に少ないのです。理由は上記の業務内容を十分に理解し切れていないことが多く、それを理解するのは事業者と同等レベルの経験が必要であるためだと考えられます。

昨今のシステムやツールは優秀で、広告費用対効果を分析することが安易になりました。広告プロモーション提案時に高収益になる仕組みが整っているかどうかを確認しないと、スタートしても広告予算を消化することができない、或いは広告予算を消化しても費用対効果が悪く継続的にお付き合いができないといったケースが生まれます。ですが広告の費用対効果分析システムがあれば、特にWeb広告の場合、費用対効果が良好であれば広告出稿のボリュームを上げて、悪い場合は逆にボリュームを下げる、または停止するなどの対応が瞬時に可能です。

まとめになりますが、高収益を構築するには、『人』が計画・戦略を練り必勝パターンを構築、それを実行する為の『システム』を導入する必要があります。『人』と『システム』の選定によって勝敗は大きく左右しますので、選定する場合は計画・戦略を入念に確認し、それをどのように組み立て、実行し続けるのかを確認してから、実行に移す。後は、日々改善が必要となりますので、真面目に業務に向き合い、日々挑戦できる環境を整えチームに与えてあげることが成功の秘訣だと考えています。

最後に、一般的に一部分のみのサービスを提供する支援側が多いですが、当社は事業主の気持ちになって考える『顧客中心主義経営』を実施する為、幅広い分野の体験に挑戦しております。他にも、『オンオフ融合マーケティングⓇ』を提唱しており、オンライン(デジタル)とオフライン(アナログ)を融合したマーケティングとして、顧客軸に物事を考え、接触するチャネルごとに分断させることが無い仕組みを提供しています。事業側が何らかの課題に対応できないと妥協してしまうのは、顧客にとって一切関係のないことです。顧客が求めていることを少しでも解決できるように近づけるに、デジタルトランスフォーメーションで仕組みの改善、データベースマーケティングで高収益化の構築を支援しております。慣れない言葉があったかと思いますが、高収益に向かうためには避けて通れない道なので、着実に進化し続ける必要性を説明させていただきました。

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