「ペンパイナッポーアッポーペン」に学ぶ商品名決定における半濁音の法則
10月8日、都内で開かれたファッションイベント「Girls Award2016 AUTUMN/WINTER byマイナビ」にシークレットゲストで出演した芸人がいます。
「ペンパイナッポーアッポーペン」の動画で大ブレイクし、YouTubeでは3500万回再生(2016年10月10日現在)を突破したピコ太郎さん。
日本国内だけでなく、海外でもかなり話題になっています。
ピコ太郎さんは、古坂大魔王さんという、かつてお笑いトリオ「底抜けAIR-LINE」の一員として活動していたそうですが、解散後はお笑い芸人以外にもアーティスト、DJとしても活動しておられるそうです。
今回大ブレイクしている「ペンパイナッポーアッポーペン」
aアイハブアペ~ン
アイハブアパインアッポー
アー!パイナポーペンー!
アポーペ~ン!パイナポーペンー!
ペンパイナッポーアッポーペン!
ペンとリンゴ、パイナップルを合体させる意味不明さが中毒性を増しているようですが、ブームの裏には後付けになるものの
マーケティング界でかねてより言われている「半濁音の法則」が起因しているように思われます。
「半濁音の法則」
商品を開発する際に「ぱぴぷぺぽがつく言葉ヒットしやすい!」という傾向・・・
グリコさんのヒット商品で見られるようなポッキー、プリッツ、カプリコ
音数が5音以下で韻を踏んで濁音・半濁音が1音はついていること
濁音や半濁音のないネーミングは音のひっかかりがないため人の印象に残りにくいと言われています。
今一度ヒットしているものをカテゴリーごとに分けてみると
商品名では、「アポロ」「ポポロン」「パピコ」
テレビ番組では、「ポンキッキ」「ピッコロ」「ポロリ」
キャラクターで「アンパンマン」「プーさん」「ガチャピン」
ギャグでは、小島よしおさんのギャグ「オッパッピー」
鼠先輩の「ぽぽぽぽぽぽ~ぽ」
そして
トレンディエンジェル斎藤さんの「ペッペッペー」
町名では京都の「先斗町(ポント町)」
芸名では、きゃりーぱみゅぱみゅさんなどなど
かつては「パラパラ」という踊りが大ブームにもなりました。
総じて、「パ行」は子供に好かれる音なので、上述のようにポリンキーだとかポッキーなどのお菓子や、ポンキッキーズなどの子供番組のネーミングに使われていることが多いようで、かつ、破裂音は、消費者に明るいイメージを与える効果があると言われています。
人間は、生まれつき、ミラーニューロンと呼ばれる自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞によって他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように鏡のような反応をすることが研究で明らかになっています。
韻を踏んで半濁音が入ったネーミングは、心地よく明るいイメージを脳裏に写し取り、自らのそれのように感じとる能力がある。
このため、発音して気持ちいいことばは、聞いても気持ちいいことばなのだそうです。
少年少女期歳の言語脳完成期を超えると、文字面を見ただけでも、聞いたときと同じ脳細胞が活性化するため、「発音して気持ちいい」は、「見ても気持ちいい」となり、今回のペンパイナッポーアッポーペンのヒットが科学的に裏付けられたことになるのかと考えれます。
キャッチコピーやネーミングには
シーガイアのようにピップ+エレキバン(A+B=AB)などの2つの言葉をその足して合わせるプラス造語法や
お米のパン焼き器の商品名ゴパンのようにごはん+パン(A+B=ab)のように2つのをそのまま足すのではなく、元の言葉の意味を保ちながら、発音しやすいように文字をカットする減量造語法や
ハリーポッターのようにキーワード単体でコンセプトが充分に表現できていても、発音しにくかったり文字数が多くてインパクトに欠けるときに、キーワードの一部を都合の良い文字に替えたり削除する変形造語法(A→a)などがあります。
ネーミングやキャッチするもののコンセプトに対して色、見た目、雰囲気、目的、使う人などをイメージし、それにあったキーワードを選ぶことが肝要ですが、意味はもちろんですが語感も大事で「ゴジラ」のように、江崎グリコのロングセラー商品にはポッキー、プリッツ、ペロティ、パナップなど、パピプペポの破裂音を含んだ商品が多い
半濁音濁音が入るものは強く硬いイメージがあり、「ハリーポッター」のように半濁音はかわいさをハ行・リ行は不思議な印象を与えます。
江崎グリコのロングセラー商品にはポッキー、プリッツ、ペロティ、パナップなど、パピプペポの破裂音を含んだ商品が多いのも納得がいくかと思います。
今後、商品名などを考える際に、参考になさってみてください。
もちろん、ヒット商品の影には、隠れた努力とすばらしい品質、そして価格バランスなど、さまざ
まな要素が必要であって、商品名が秀逸だからといってヒットするという勘違いだけはされないようにお気をつけください。
JECCICA理事・特別講師 中谷 昌弘(トントン先生)
EC得意分野/独自ドメイン、販促戦術マーケティグ 200社以上のネットショップ開設に携わり数々の繁盛ショップを輩出。 理路整然とした解析術に基づく販促手法の構築運営指導に口コミによるクライアント依頼が後を絶たない。