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チャットボット(人工無能)を作ってみよう!4

facebookのメッセンジャー広告が国内でも開始され、より今後期待される「チャットボット」。今回は、その基本シナリオを実際に作ってみます。

■ボットには「おしゃべり型」と「タスク型」がある

チャットボットには、「非タスク型」と「タスク型」に別れます。わかりやすく言うと、
「おしゃべりに付き合ってくれる」タイプと、「問題を解決してくれる」タイプです。
例えば、LINEで人気のおしゃべり型チャットボットにマイクロソフトの女子高生AI「りんな」があります。

マイクロソフトの女子高生AI「りんな」のチャット

少しチグハグですが、他愛もない会話に適当に付き合ってくれます。先日も「世にも奇妙な物語」で女優デビューを果たし、
新しい立ち位置に驚かれた方も多いと思いのではないでしょうか。
「りんな」の女優っぷりにご興味の有る方は、http://blog.rinna.jp/ にアクセスして「りんなの怖い演技みたい人はこっちで見てね」を
クリックしてみてください。ちょっとホラーなテレビとAIの共演を垣間見ることができます。

りんなの女優デビューブログ

■タスク型ボットの機能の見極め

一方で、eコマースの現場で求められているボットは、圧倒的に「タスク型」が多いでしょう。
たとえば、先日、eBayが発表したfacebookメッセンジャーで動く「eBay ShopBot」などです。
まだ英語版しか稼働していませんが、「80ドル以内の黒いハーシェルの鞄を探してるんだけど」
とメッセージすると、メッセンジャー内で、該当する商品画像がいくつか表示され、さらに詳しく見る、
よく似た商品を探す、などのボタンで、購入を促してきます。ただ、eBayもまだベータ版としているとおり、
会話になると不完全な箇所も多くなってきますし、検索結果もまだ精度は高くないように感じます。
特に、自然な会話による誘導は「自然言語処理技術」「保有データの整理」など、
技術的にも作業的にもハードルが高くなってしまいます。

eBay ShopBot

■「選択式」から始める

一方で、現状では「簡単な対応」だけチャットボットに、
「複雑な回答」は人間がフォローする、という割り切った手法が現実的だと思います。
特に、最初に試してみるのであれば、会話や検索はあきらめて「選択式」のコミュニケーションが始めやすいでしょう。
今回は「選択式」ボットで実績のある例として、高知県という地方にありながら「セリエAインテルアカデミージャパン」
などからも愛用されているサッカーゴール販売サイト「ファンタジスタゴール」さんのコンシュルジュ機能をお手本に、
基礎的なチャット作成の流れをご紹介します。余力の有る方は、過去のメールや電話から「数が多く」「優先度も高い」質問を探して、
実際にそれらをチャットボットに実装できるよう、整理してみてください。

■「最初の問い」を決める。

ファンタジスタゴールさんのコンシュルジュ機能は、facebookやLINEなどのチャットボットシステムは使わず、
独自ドメイン上で動く擬似的なチャットボットになっています。基本的な動きに差はありませんので、
適宜ご自身が実装予定されているチャットシステム等と読みかえてください。

ファンタジスタゴールさんコンシュルジュ画面トップ

最初の画面で最も重要な要素は、上図では「サッカーゴールを使う目的は?」のように、お客様の悩みを解決する「最初の問い」です。
目的・不安・ご予算・個人か法人かなど、業種業態などで様々なパターンがあると思いますので、それを「質問形式」の文言に書き換えます。

■最初の問いに対する「答え」を決める。

次に、お客様はその問いに対してどのように回答するかを3〜4程度、過去のお問合わせからピックアップして、
選択肢にできるよう短い文言にまとめます。例えば、下図のようなシートに3つ書き出してみます。

流れ図

流れ図

■さらに「複数の選択肢」を設ける。

一般的には、上記で選択肢を選ばれたあとに、再度、お客様のニーズにあった商品や商品カテゴリに誘導するための選択肢が必要になるはずです。
ここでも3〜4程度の選択肢を作成します。

先ほどの3つの選択肢に対して、1のA,B,C、2のA,B,C、3のA,B,C を埋めてゆきます。

シート2図

シート2図

■最後の質問を設定する。

この段階で、ある程度ユーザのニーズが特定できていると思いますが、
より適切な商品や商品カテゴリに誘導するために最後の質問を設定します。
図では、2つずつ設定しています。1のAの1、1のAの2、1のBの1、1のBの2、と順番に選択肢を作成します。

流れ図

流れ図

■到達させるべき商品・商品カテゴリを決める

あとは、それぞれに対応する商品やカテゴリを決定して完成です。

流れ図

流れ図

■時間をかけるべき箇所とポイント。

これらの作業は、なかなか一回で完了することは困難です。なんどか行ったり来たりしながら、
選択肢の選び直しや、商品カテゴリの見直し、最初の問いの見直し、あるいは、サイト全体のページ構成の見直しなどが必要になる場合もあり、
それが結果的にユーザからすれば選びやすいサイトに変化してゆくケースもあります。
ここはあせらず、じっくりと時間をかけて、設定・設計することが成功の秘訣になります。

■人間のサポートがあることもアピールしておく

前述のファンタジスタゴールさんの画面を実際に触ってみると、各選択肢のページに専用のお問い合わせフォームがあることが確認できると思います。
要は、どの段階でユーザがつまずき、問い合わせしてきているのかが把握できるのでより適切な回答が可能になり、業務効率自体もアップします。

■言葉遣いやキャラを設定してみる

こうしたシナリオができあがったら、より他店舗と区別化してもらいやすいように、キャラクターを設定したり、自社なりの言葉遣いや気遣いを随所に散りばめて、
より高いホスピタリティでお客様の満足度を向上させたいところです。

今回は、基礎的なチャットボットのシナリオを実際に作成する際の流れをご紹介しました。
さらに複雑な会話形式になると、選択肢も相当数考える必要があります。

本稿でもチャットボット作成ツールとしてご紹介している「hachidori 」では、用意したリストから検索結果を返すことも可能です。
ただ、最初はあまり欲張らずに、シンプルな選択肢とお問い合わせフォームやメッセージで対応フォローする、という割り切った構造のほうが、
成果を体感しやすくなると思いますので、ぜひ今回のシナリオ作りにトライされてみて下さい。

宮松利博プロフィール写真

JECCICA客員講師 宮松 利博

株式会社ISSUN 代表取締役 宮松利博 プロフィール 営業時代に独自開発した顧客満足向上システムで業績を伸ばし1997年にシステムを売却。
その後、ECを立上げ初年度月商1億まで急成長するも直前で上場に失敗。
翌年、新たなECを立上げ3年で年商20億円に成長、株式上場の同年に保有株を売却し海外視察の後、
2011年「小よく”巨”を制す」を掲げて現ISSUNを立上げ。WEB/ECの運営・制作・コンサルティングで、業界No.1に成長するクライアントを多数抱える。


 

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