顧客から指名されるウェブショップとは?
JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)
昨年の物流改革においてアマゾンの直販とフルフィルメントを利用するショップの商品はその購入者がローソンやファミリーマート、ミニストップ、ヤマト運輸営業所で注文した商品を受け取れるサービスが開始されました。
同様のコンビニでの商品受け取りサービスは「楽天市場」の出品者が日本郵便で配送する場合はローソンとミニストップでヤマト運輸での配送の場合はファミリーマート、サークルKサンクスなどで受け取れる様になりました。
従来の出荷スピードの他にこういった物流の受取り方そのものも同じ商品を買う場合にショップを選ぶ選択肢になるような時流となってきています。
もはや横並びの商材は楽天やAmazonヤフーショッピングなどのモールにまかせるとして独自ドメインショップでは同じ商品を「あそこ」買うのであれば「こちら」でと指名されること。
その指名が受けられる要因はなんなのかを突き詰めることが今後のEC業界での生き残りにかかってくると感じています。
さらに次のステージではお客様から「こちらのこの商品(サービス)」を是非売ってくださいと指名されること。
それが商品なのかサービスなのかはたまた商品×サービスなのか深く考えなくてはならない時期が到来したと感じています。
昨今の御質問の中で、「商材が型番商品のため、価格競争になってしまう。価格やポイント設定以外で少しでも他店との差別化を図りたいが方向性がなかなか定まらない。どうしたらよいでしょう?」といった内容のものを多くいただきます。
まさにレッドオーシャンの中におられる悩みとなるわけですが、ショップを運営する上で、次の10個の確認事項を精査していただくことで、その悩みの決口がみつけられる方法をお伝えさせて頂きます。
次の確認事項について回答を自問自答してみてください。
【確認事項1】 来店顧客が自分のショップを選択する理由をご存知ですか?
【確認事項2】 来店顧客が自分の店で買わざるをえなくなる理由を作っていますか?
【確認事項3】 競合と自分の店の違いを明確に打ち出していますか?
【確認事項4】 顧客が自分の店で買わない理由をご存知ですか?
【確認事項5】 顧客が想定していなかった期待を超えるサービスを提供していますか?
【確認事項6】 顧客に安心感を感じてもらえる工夫をしていますか?
【確認事項7】 顧客が共感できる経営や商品に対する熱い思いを見せていますか?
【確認事項8】 顧客が不満に思っていることを聞き出す工夫をしていますか?
【確認事項9】 顧客が面倒だと思っていることをサポートしていますか?
【確認事項10】 自社商品が提供している使い方以外の顧客がしている別の使い方を知っていますか?
他店よりも当店を選んでいただくこと、それは何に起因するのかは深い洞察が必要ですが、少なくとも顧客から安心してもらえる第三者評価を得られる方法のひとつに、独自ドメインでは「Google 認定ショップ」というものがあります。
ABC-MARTさんのショップを閲覧いただくとPCでは右下に「Google認定ショップ」というバナーが存在しています。 http://www.abc-mart.net/shop/
これはGoogleが信頼できるショップだと第三者として認定するプログラムで
- 安心のオンラインショッピング
- 商品を予定通りに配送
- 良質なカスタマーサービスの提供
を保証して、さらにこのショップでお買い上げのお客様はGoogleによる無料の購入補償(上限 10万円)を受けることができる という付加価値がつきます。
「Google認定ショップ」の導入は無料で、90日周期で600件以上の注文処理ができている基準が要件のひとつになっています。
「Google認定ショップ」のメリットは次をご参照ください。 https://goo.gl/R1fp7j
「Google認定ショップ」になるための3ステップ http://goo.gl/pRkN6L
成熟期に入ったショップにとって、商品の方向性を時代の流れに沿って変化させていく必要性もあったりします。
最後にその具体例を上げて、今後の運営のヒントにしていただけたらと思いますのでご一読ください。
アメリカの「フルーツフラワー」ってご存じですか?
マーケティングオブザイヤーにも輝いているんですが、どんなものかと申しますと、簡単に言えば「花束」でなくて「果物束」。
食べられるイチゴや葡萄などの果物を串に刺しながら花屋さんにあるようなバスケットやおしゃれな鉢にアレンジしていくアレンジフルーツ。
もっとわかりやすく言えばお祭りの屋台のチョコバナナをオシャレにデコレートした感じ。
見た目も色鮮やかで花束のように綺麗で花の香りならぬ フルーツの甘い香りがただよい「見るにとどまるのが花束」ならば「見ても食べても楽しめる果物束」ということになります。
まだイメージがわかない方はこちらをどうぞ http://www.fruitflowers.com/
そもそもこのフルーツフラワーって姉妹二人がちょっとしたパーティーアイデアのつもりで フルーツフラワーとベジタブルフラワーというのを作ってみたらあっという間に世間に広がってしまって、自宅のキッチンビジネスから今では34店舗にも広がってしまったというビジネスアイデアなんです。
リピーターが少ないと悩んでいるショップの解決方法ってフルーツフラワーの発想のように意外と単純なことで解決できるのかもしれません。
〈 JESSICA NEWS Vol.33 掲載 〉
JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)
ハム・ソーセージのウェブショップ通販:北海道トンデンファームウェブショップの開設者。著書には「笑う豚の生活」がある。現在、茨城県および茨城県水戸商工会議所はじめ全国の商工会議所において地域IT戦略の講演を年間200本以上を行い抜群の講座リピート率と満足度を誇っている。全国のネットショップの個別コンサルタントとして20社を超えるサイトプロデュースに活躍中。