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楽天市場におけるカゴ落ち対策

株式会社フェスティポ 代表取締役 佐藤 智哉

フェスティポ佐藤さん写真

 

JECCICAの分科会のひとつに『カゴ落ち研究会』(略して『落研』)というものが存在するのをご存知でしょうか。

今年の8月頭に発足し、Facebookページ上でやり取りしてきましたが、去る11/9についに第1回目の会合(という名目の飲み会?)が開催されました。

その宿題として各自「カゴ落ち」に関するテーマを定めてコラムを書くことが決まり、今回の登場に至った次第です。

前置きが長くなりましたが、私のテーマは「楽天市場におけるカゴ落ち対策」です。

 

『カゴ落ち』の定義

『カゴ落ち』という言葉を初めて目にする方もいらっしゃると思いますので、まず落研での定義をご紹介します。

『カゴ落ち』とは、【購入意欲を持ってカートに入れたが何らかの理由で購入まで至らずに離脱する現象】のことを言います。

また、その確率を『カゴ落ち率』と呼びます。

例えば、100人がカートに入れてそのうちの33人が購入まで至った場合、カゴ落ちしたのは67人=カゴ落ち率は67.0%、となります。

 

楽天市場でのカゴ落ち数の調べ方

私の調べ方は次のとおりです。

  1. R-Datatool>アクセス分析>トラッキングへと進む。
  2. 調べたい日付を指定し、「対象の動作」を「かご」に設定。
  3. 「データ表示」をクリックするとその日にカートに入れたセッション数が出ます。
  4. 次に、同じ日付で「対象の動作」を「決済」に設定。
  5. 「データ表示」をクリックするとその日に決済したセッション数が出ます。
  6. 「決済」/「かご」が決済に至った割合ですので、1からそれを引いたもの が『カゴ落ち率』となります。
※ご注意ください
実際にデータを取ってみると、たまに「その日に売上が立っているのに決済したセッションが0」や、逆に「その日の売上は0円なのに決済したセッションが1」ということが起こります。トラッキングで表示される数字はあくまで「その日」に発生した動作をカウントしたものですので、例えば11/1にカートに入れて、数日間悩んで11/5に決済したという場合は11/1に「かご」に1、11/5に「決済」に1がカウントされる仕様です。購入に至るまでの検討サイクルが長い商材ほどこの計算方法でのカゴ落ち率の精度は落ちますので、参考値として見ていただければと思います。

 

カゴ落ち率の平均はどのくらいか

楽天から公式データが発表されているものではないため、あくまで私の実績と経験からとなりますが、アパレルで30〜40%、化粧品(仕入れではない)で25〜35%、寝具やインテリア雑貨で40%台あたりが合格点で、上位店はさらに低い(良い)という印象です。

コンタクトレンズなど「生活する上で必要な消耗品」ですと15%を下回るケースも出てきます(私の知っている範囲での最低カゴ落ち率は7%)。

 

カゴ落ち率を改善するには

カゴ落ちの改善には大きくふたつのアプローチが考えられます。

「技術的アプローチ」と「心理的アプローチ」です。

技術的アプローチ…UIの改善。カートの仕様をカスタマイズするなど。
心理的アプローチ…カートに入れるまでのコミュニケーションの最適化。

楽天の場合はカートのカスタマイズなどがほぼ不可能ですので、必然的に「心理的アプローチ」を中心に検討していくことになります。

 

楽天でのカゴ落ち対策(心理的アプローチ)を検討するステップ

ひとくちに「カゴ落ち」と言っても、カゴ落ちに至った要因は千差万別であり、「これさえやっておけば大丈夫!」といった絶対的な施策が存在するわけではありません。

ただし対策を検討するステップはある程度標準化することが可能です。

そのキーワードが上述した「コミュニケーションの最適化」であると考えています。

ステップ①…ユーザー像の描写

ウチのショップで買っているのは一体「誰」なのか。どんな悩みや願望を抱えていて、ウチで扱っている商材に何を期待しているのか。購入する際の「選ぶ基準」はどこにあるのか。など

ステップ②…コミュニケーション課題の抽出

ユーザー像が描ければ、必然的に購買行動プロセスも見えてきます。その購買行動プロセスのそれぞれにおいてウチではどのようにコミュニケーションを取っているか?抜け漏れがないかチェックし、コミュニケーション課題を見極めます。

ステップ③…コミュニケーションの最適化

ステップ②で導かれたコミュニケーション課題を解決する施策を展開する。

 

 

非常に抽象的な書き方になってしまったので、事例を挙げたいと思います。

とある中堅の化粧品メーカーです。

下記のような流れでカゴ落ち率の改善に成功しました(期間は約3ヶ月です)。

  • これまでは指名買いユーザーで売上の大半を占めていた。
  • 商品ページの情報も指名買いユーザーだけを向いており、ニーズを喚起するものではなく、「ちょっと綺麗なカタログ」のようだった。
  • 初めて集客施策(広告やSEOなど)を実施、アクセスが急増するも売上の伸びが比例してこない。この時点でのカゴ落ち率は50%。
  • 新規ユーザー向けに商品ページを改修するも、カゴ落ち率が思うように改善しない(45%前後をうろうろ)。
  • 新規ユーザーの購買行動プロセスを改めて整理する。
  • どうやら「とりあえず他社商品とともにカートに入れて、後から じっくり見比べて選定する」ようだ、と判明。
  • そこで、他社類似商品との違いを明確にするコンテンツを制作したところ、カゴ落ち率が30%台まで改善した。

 

この事例でのポイントは、「商品ページを改修しただけではカゴ落ち率が改善しなかった」ことと思います。

ユーザーのことをしっかり理解して施策を打たないと結果がついてこない好例ではないでしょうか。

 

 

株式会社フェスティポ 代表取締役 佐藤 智哉

フェスティポ佐藤さん写真
1981年生まれ。筑波大学第三学群国際総合学類卒業。楽天、リンクアンドモチベーションなどを経て2011年に独立。企業とユーザーの【間】に発生するコミュニケーション課題の解決を軸としたecコンサルティングを展開している。

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