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新規獲得に繋がってる?P-MAX広告運用の注意点

検索広告、ディスプレイ広告など、複数のプロダクトを同時並行で運用していると、費用対効果の良いプロダクトもあれば、お金ばかり使って売上に結びつかないプロダクトも出てきます。
近年、複数のプロダクトを同時運用する中で、GoogleのP-MAX広告が一番費用対効果が良いケースが増えてきました。

P-MAX広告とは
GoogleのP-MAX広告は、従来「検索」「ディスプレイ」「ショッピング」「動画」など、機能ごとに出稿が必要だった広告を一つのキャンペーンにまとめ、複数の表示面でユーザーを横断的に追いかけて成果を最大化する広告プロダクトです。

P-MAX広告の導入以降、Google広告の費用対効果は好調なものの、蓋を空けるとECサイト全体の売上増加には結びついていないケースが出てきています。
以下の図は、とあるECサイトにおけるP-MAX広告が、それぞれの表示面に使用された費用の割合を示したものです。

ショッピング:80% 検索:15% ディスプレイ:5% 動画:0%

ECサイトの広告として、ショッピング面に表示される割合が高いのは喜ばしいことのように思えますが、注意が必要なのは、このショッピング面の費用が「(検索連動型)ショッピング広告※」と「動的リマーケティング広告」の合算である点です。
※Googleによる正式名称は「ショッピング広告」ですが、混乱を避けるため本稿では「(検索連動型)ショッピング広告」と記載します。

実は2種類あるショッピングの表示面
(検索連動型)ショッピング広告は、ユーザーの検索に連動して検索画面に表示される広告です。検索キーワードに応じて広告が表示されるため、その商品を探している新規ユーザーにアプローチできる表示面です。

一方、動的リマーケティング広告は、サイトを訪れたユーザーに対して商品画像を使って追いかけるリマーケティング広告の一種です。皆さんも楽天やAmazonを閲覧した後、商品画像に追いかけられる経験があるかと思われます。これはリマーケティング広告なので、一度もサイトに訪れたことがないユーザーには表示されず、つまり新規獲得にはつながらない表示面です。

リマーケティング偏重のP-MAX広告
問題となるのは、この動的リマーケティング広告が占めるコストの割合です。

現状では外部から確認する手段がないため、Googleの営業担当に確認したところ、あくまで非公式の回答ですが、ショッピング面に使用されるコストのうち8割程は動的リマーケティングに使用されているとのことでした。

たとえば、ショッピング面に5万円の広告費を使用した場合、そのうち4万円は既存ユーザーの追いかけに、1万円は新規ユーザー獲得に使用されると考えられます。既存ユーザーへの追いかけに使用する広告費が多いため、P-MAX広告の費用対効果が良いのは当然のように思えます。

P-MAX広告の費用対効果が良い場合、検索やディスプレイ広告の予算を削ってP-MAX広告に集中させたくなるかもしれませんが、そうすると新規ユーザーへの広告表示が減り、中長期的にはサイトの成長が停滞する原因となります。新規ユーザー獲得のための広告は、たとえ直接的に売上につながらなくても停止しないことを強くオススメします。

まとめ
広告の費用対効果を追い求めるあまり、「指名検索」や「リマーケティング」だけに注力し、新規ユーザーの獲得を行わなくなるという本末転倒な状況はしばしば発生します。

特にP-MAX広告のようなAI主導で細かい分析が仕様上難しいプロダクトの場合、意図せず新規ユーザーの獲得がないがしろになってしまうことも。広告費用対効果は良いけど売上が伸び悩んでいる……という場合、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 矢崎 宏一郎

(株)ISSUN チーフマネージャー
得意分野/WEB広告 EC販売支援
WEB広告のなかでもAI系広告を得意とし、事業規模に合わせた集客戦略でD2Cの売上を2年で10倍にするなどで、日本上位3%の代理店であるGoogle Premier Partner認定に貢献。


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