2024年 年頭所感 川連一豊
新年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご厚情に預かり、心より御礼申し上げます。
2024年は、ECを取り巻く環境が急激に変化すると予想しています。2024年問題、生成AIからAGI(汎用AI)、強烈な分断化という3つの課題が荒波のように襲ってくるでしょう。これらの多くの問題をいかに乗り越えてくかが我々には求められてくると予想できます。
新型感染症の影響は、10年は続くと私は言っていました。だいぶ影響は少なくなってきたものの、まだまだ予断は許されない状況です。新たな感染症が出た時の対応は今の日本や世界の状況から考えると自分の身は自分で守るしか無いなと考えてしまいます。
自分で守れるなら、まだ良いのですが昨今の戦争状態は、自分では守れない可能性があります。遠い国のお話では、まだ身近に感じませんが、これが台湾や北朝鮮といった場合には非常に危険に感じると思います。2023年10月に中国へ行った感じでは、日本への温度差が気になりました。米国ばかりを見る日本の対応が彼らからすると、不信感を持つ要因になっています。日本でのニュースは、中国の古さやとんでもない行動ばかりを取り上げていますが、中国で感じた肌感は、最新のテクノロジー満載で生活水準がかなり上がってきています。一時的に不動産事業が厳しそうですが、何と言っても人口の多さにびっくりします。今は不況とか言われているので、皆さん節約志向ですが、これが一気に志向が変わった瞬間にまた爆発的な景気になるなと感じます。人口の多さというのは、差が縮まらないファクターと言って良いでしょう。
ドル円が150円から140円代まで円高になってきました。プロの方々が言うには、2024年は150円近辺だろうと予測されていましたが、ほぼ1ヶ月で140円代になってきました。2024年の為替がどうなるかは、私はわかりませんが、このまま進むと150円どころではなく、120円以下になる可能性も高いです。となると今のインバウンド事情はここまでは期待できないでしょう。もちろんコロナ禍よりは円安ですのである程度はキープできても、何らかの施策が無い限り、年間6000万人達成はできないと思ったほうが良いです。
一方、わたしたちの主戦場であるEコマースやオムニチャネルはどうなるかと考えると、2023年のさらに進んだ2極化がかなり影響を与えていると想定できます。今までWeb上もリアルも多店舗展開してきて、成功している企業はさらに国内、世界へ多店舗展開を進めるでしょう。一方、ECもリアルもやったけどうまく行かない企業も多く、流通チャネルの絞り込みが進むと考えています。値上げラッシュで2024年も3%以上の値上げが予想されますから、消費者も理由のない買い物には見向きもしないようになるでしょう。もちろん富裕層の中にはそんなこと関係ないとどんどん購入されているユーザーもいますが、多くの日本人はそうではなくなっています。なぜそれを購入するのか?安いだけですぐにダメになってしまう商品や安いだけで健康に影響がある食品は選択しなくなると考えられます。もちろんどこで購入するかも理由がますます必要になるでしょう。ECで買うのか、リアルで買うのか、サブスクで買うのか、自販機で買うのかなど、すべてに理由が求められるでしょう。ECやオムニチャネルで生きている我々は、現場では検索キーワードや画像、広告などに翻弄されるだけではなく、俯瞰した目線も常に求められます。今までよりもさらにクリティカルな考え方が求められるでしょう。自分勝手な考え方、自分だけが良かれという考え方が、より分断を産んでいますが、少なくても私達だけでも3つの目(虫の目、鳥の目、魚の目)を持つようにしていくべきだと年の初めに思うのです。そのためには私が大事にしている現場・現物・現実という3現主義は当然大事にしながら、俯瞰的なクリティカルシンキングが必要になるのです。
ECを取り巻く環境はかなり急激な変化が続くと予想できます。負けない日本経済を作っていくことは我々JECCICAの理念でもありますので、2024年も良い1年だったと思えるように邁進して参ります。
引き続き、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
最後に本年が皆様にとって素晴らしい一年となりますことを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
代表理事 川連一豊
そろばん2級 書道6段 ヤマハデジタルプロコース卒業
浜松南高校普通課卒業 愛知大学法律経済学部卒業
学生時代より音楽活動を行う。1988年ヤマハ世界大会出場
ベストキーボードプレイヤー賞2年連続受賞などTVCM、TV番組、CGの制作に関わる。
インターネットでは楽天市場 2003年ジャンル賞受賞
楽天にて、モバイル講師 HTMLメルマガ講師
他ネットショップに関わる講師多数
2004年6月30日までソフトプレン株式会社営業課長
ネット店舗の店長兼任
2004年7月1日 独立
2004年8月11日 有限会社SAVAWAY設立
2009年9月ネットショップのおもてなしを出版
2012年システム流通総額1500億円を突破
取引数3500社以上のネットショップ、ネット通販企業
50名以上のECコンサルタントを輩出