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2024年 年頭所感 本谷知彦

新年あけましておめでとうございます。
当協会に携わられている全ての方々に新年のご挨拶を申し上げます。

2024年を振り返ると、自民党の裏金、BM社の不正、日大アメフト部員の薬物使用、旧ジャニーズ事務所の性加害と問題だらけの1年でありました。海外ではロシアによる戦争の継続に加え、イスラエルとパレスチナ紛争の勃発により、前年にも増していっそう世界が混乱した1年でもありました。戦争の問題はさておき、国内で生じている一連の問題については、世の中のコンプラ意識が徹底している時代にもかかわらず、いまだこのような問題が発生することを残念に思います。

EC業界でも大小様々な問題があります。ビジネス内容の相違によって企業単毎に問題の捉え方は千差万別でしょう。しかしながらその中でもやはり物流問題は、全社共通の避けては通れないと問題だと認識しています。2023年10月の再配達率調査は11.1%(国土交通省調べ)となっており、コロナ以降ほぼ横ばいで推移しています。これだけ政府や業界、メディアが躍起になって物流問題を叫んでも、結局のところ事態は好転していません。

政府は2023年10月に物流革新緊急パッケージを策定しました。発表からはまだ日が浅いため、具体的な施策に落とし込まれて実効性を発揮するには2~3年を要するかもしれません。しかし物流問題は数年前からハッキリと顕著化していたわけです。物流革新緊急パッケージを策定したところで、高い実効性を発揮できるのかどうか、個人的にはやや疑問に思っています。願わくはそのような疑問は3年後に杞憂であったと言いたいところですが。

では物流問題の本質はどこにあるかですが、誤解を恐れずにストレートに言えば“消費者意識”だと私は考えています。つまり、再配達になろうが物流事業者の苦労は自分にとってはどうでもいいと考える消費者が一定数いるということです。そうでないと再配達率が横ばいで推移している事実について説明がつきません。事業者サイドがどのような策を講じても、肝心の消費者がそのような意識を持っていれば、効果は限定的でしょう。

物流問題を本文冒頭の切り出しとのリンケージで捉えると、コンプラ意識が高まっているにも関わらず常に企業の不祥事など諸問題が発生している事象は、私にはなかなか改善が進まない物流問題と重なって見えています。相当の覚悟がないと物流問題は改善に進まないのではないでしょうか。物流問題を他人事として捉える一定数の消費者がいる限り、かなりの苦労がEC事業者や物流事業者には求められるのではないかと心配します。

新年早々何を申し上げたいのかと言うと、そのような消費者を相手にせざるをえないリテールビジネスは、常時苦労が絶えないという点です。ましてやECはダイレクトに消費者とつながります。実ビジネスを手がけていない私が口にするのも何ですが、日々相当厳しい業務を遂行されていると推察します。EC事業者および物流事業者には頭が下がる思いです。こうやって本年も淡々と日常業務が行われることに対し、深い感謝と敬意を表したく、新年のご挨拶にかえさせて頂きます。

本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 本谷 知彦

株式会社デジタルコマース総合研究所 代表取締役


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