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2022年頭所感 中谷 昌弘(トントン先生)

トンゼミのトントンです。
新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

昨年も2019年同様に新型コロナウイルス感染症の世界的再流行という、グローバル規模の衝撃により世界はさらに一変しました。世界各国で感染拡大抑止のための厳格な公衆衛生措置が採られた結果、家計や企業の経済活動が著しく制限され、日本でも経済・社会の様々な脆弱性が露わになり、「安心・安全」や「デジタル化」といったキーワードが改めて認識されました。勤務形態、消費活動、雇用等、あらゆる分野で不可逆的な変化が起き、各企業の経営や個別の産業のあり方にも大きな変化をもたらしてきました。

そしてこの2022年は未だオミクロン株という変異ウイルスの影響を未知数にとらえながらもWithコロナ・Afterコロナの時代に求められる生活様式を考えていかなければならないフェーズを迎えました。
私たちは、新型コロナウイルス感染症や、地震・豪雨といった自然災害など、予測が難しい事態を経験してきましたが、その経験を生かす時代がこの2022年といっていいと思います、万が一に備えた事業継続性の高い経営がより重要であるということです。言い換えれば、環境の変異に合わせて変異させる事業継続計画を企業は考えていかなければならないということです。かといって寿司屋さんにパン屋さんをやりないさいとか、カレー屋さんにクリーニング屋さんをやりなさいといった脈略のないこをしましょうということではありません。

今あるコア事業に対し、その能力を分析・再定義して「この技術はこう使える」「このサービスはここへ使える」と新領域を開拓していくべきだということです。をれをよく多角経営と表現されがちですが、コアコンピュタンスに基づいた事業の多角化は多角経営ではなく「両利きの経営」ということなんです。両利きとは、「成熟産業における深化」と「新規産業における探索」の両方を同時に行うことができます。

こうした事例としてよく上げられのが、富士フィルムが化粧品業界に進出した事例であったりしますが、たしかに富士フィルムの事例の場合であればカメラのフィルムを製造するにあたって求められる「マイクロレベルでの精密な技術」そして、フィルムに用いる「高純度かつ高品質なコラーゲンを独自に生み出す技術」この2つが富士フィルム社のコアコンピタンスだったわけで、そのコアコンピタンスを背景に様々な事業を検討し、最終的に医療分野や高機能材料などに参入することに決め、その中でもスキンケア化粧品事業で著しい成果を生み出したということになるわけですが、このWithコロナ・Afterコロナの時代に対応するのには、もっと手短にできる事業がたくさんあることに気がつくべきです。

田舎町で猪肉を使用したジビエ料理が名物の飲食店では、コロナ禍で以前ほどの客足が望めない状況の中、栄養価が高くヘルシーといわれる猪肉は、ペットの高齢化により与える食事に悩むことの多い愛犬家のニーズにマッチすると考え鹿肉をペットフードとして全国展開し、猪肉の消費量増加につなげていくことにより、猪による農産物被害が年々増加している中、害獣駆除した猪肉の活用方法が少ないという社会的課題の解決にも貢献するという結果をもたらした事例。

無農薬の食用バラを栽培し、飲食店向け販売や加工食品、化粧品の販売等を行っている農家においては、飲食店向け販売が落ち込む中、大量のバラが出荷停止となり、愛情を込めて栽培したバラを廃棄することに心を痛めていた中、コロナ禍での感染予防意識の高まりを受け、ストレスが溜まりがちな日々に、安心と癒しに貢献できればとバラが香る手指の消毒にも使用できる多機能マスクスプレーを開発。

スポーツジムではコロナ禍で休業を余儀なくされた。従業員の雇用やイントラクターを守り、顧客との繋がりを維持するため、スタジオレッスンのオンライン化を実施したり神社ではリモート参拝のシステムを構築したり、自粛要請によるネット通販の利用増加に伴い、物流業界でバッテリーのメンテナンス需要が高まる一方で、感染リスク抑制の観点からメンテナンス頻度を少なくできるバッテリーの需要が伸びると予測した電動フォークリフトの鉛バッテリーのメンテナンスを主な事業とする会社が、メンテナンスが少なくできるリチウムイオンバッテリーの販売を開始するにあたって既存顧客への提案、新規顧客獲得のためのアプローチとしてオンライン営業を展開するなどコアコンピュタンスとして軸をぶらさない「両利きの経営」を実践している事例がたくさん出てきています。

こういった「両利きの経営」を目指す中でも、これまでに以上の専門知識と情報収集力と対応力が必要となってくる時代になり、こういった力を持ったEコマースコンサルタントとの伴走が絶対必須の年となります。今年は、さらに躍進していくEコマース市場をサポートしていくことに今年も大きく注力して行く所存です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

中谷 昌弘(トントン先生プロフィール写真

JECCICA理事・特別講師 中谷 昌弘(トントン先生)

EC得意分野/独自ドメイン、販促戦術マーケティグ 200社以上のネットショップ開設に携わり数々の繁盛ショップを輩出。 理路整然とした解析術に基づく販促手法の構築運営指導に口コミによるクライアント依頼が後を絶たない。


 

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