JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

最新セミナー・イベント情報
お申込みはこちら

2022年 年頭所感 柏木又浩

明けましておめでとうございます。2021年1月はどちらもオンライン開催だったCESとNRFもやっとリアルに行けるかなと出張準備をしていましたが、オミクロン株の拡大に伴い、残念ながら海外出張は不可能になり、今年もオンライン参加になりました。(この原稿を書いている12月、CESはオンラインが追加され、NRFはまだリアル開催のみの告知です)

大きな災害やパンデミック時にはそもそも良い意味でも悪い意味でも日本は「戻す力」が強く、東関東大震災の後もすさまじい速度で過去に戻す力がドライブしたのを記憶しています。コロナにおいて海外は被害も甚大だったこともあり、過去には戻らないことを前提にビジネスや働き方が変わりましたが、我が国では今回も戻る力がドライブすると思っていました。

しかしながら、そんな空気が少し変わり始めた気がしています。平成の頃からか企業より、人々のほうが時代の変化と進化を感じとる国だと思っていましたが、令和になってさらに消費者と企業の意識の乖離は加速した気がします。コロナにより意識が大きく変化したのは企業ではなく消費者です。オンライン(EC)においても、オフライン(リアル店舗)においても、何よりもコミュニティが強くなったのが2020年&2021年の2年間でした。ロックダウンやソーシャルディスタンスの強制的推進により、人々はより限られたコミュニティでの生活を余儀なくされました。オンラインにはフェイクとファクトが混在し、オンライン上で自分が共感できる価値観、気持ちを持つオーセンティック(信頼できる)な共感者のみを求める傾向が強くなったと感じる人は多いと思います。

Googleが2015年7月に提唱したマイクロモーメント(人々が何かを知りたい、見つけたい、観たい、買いたいと思った時に、反射的にスマートフォンやタブレットに向かうその瞬間)でもあるように、コロナ渦でお店を探す、商品を購入する時にGoogle Mapなどに代表されるユーザーレビューを参考にする消費者が激増したのもコミュニティの力が強くなった証明でもあります。

Z世代を中心とした若年層にはその傾向がさらに強いという調査結果も出ています。

2020年にSnapchat(スナップチャット、スマートフォン向けの写真共有アプリ。米国ではInstagramを抜き、10代が選ぶSNS第1位)が、約2億5千万人のユーザーを対象に実施した調査(Meet the Snapchat Generation )によると、「82%のスナップチャット利用者は、自分たちの望む世の中へ世界を変える責任があると信じている」とのことで 、スナップチャット利用者は、若年層ほど世の中をより良くしていこうという意識が高くなる傾向があると言います。彼らは自分たちと共に世の中をよくする会社とブランドを支持するようになっているのです。

EC事業の成功には、新規顧客も、ロイヤルカスタマーも必要です。お客様が「人」であり、Anywhereコマースが「人」を中心にどこでもコマースになっていく以上、「Human Commerce」の価値、すなわち、「人」と「コミュニティ」をどのようにインキュベーションするのか?活用するのか?が、2022年のECビジネスに向けたキーワードだと考えます。オンライン接客もライブコマースも「人」の力、PRするのも「人」の力です。
共に新たな「Human Commerce」の実現を目指していきましょう。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 柏木 又浩


 - JECCICA記事, お知らせ, その他, コラム, ニュース, 年頭所感

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

Copyright© JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 , 2022 All Rights Reserved.s