2019年 年頭所感 渡辺太志
平成31年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
年頭から暗い話になって申し訳ございませんが、平成31年は消費税が8%から10%に
増税になる年です。政府は景気の景気冷え込みを防ぐための策として、
平成29年度補正予算からあらゆる施策を行っております。
我々と関係のあるところでは、「IT導入補助金」も消費税増税前の施策の1つです。
平成29年度補正予算では、この補助金は500億円の予算でした。補助金の上限は50万円なので単純計算で考えると申請した企業は10万件まで採択されるという計算になります。この補助金は予算消化に至らなかったので、平成30年度予算では規模は分かりませんが
余剰予算を使ってまた実行される可能性は高いと思われます。
また、消費税率10%への引き上げに伴う駆け込み需要や反動減対策に重点を置き、
車と住宅は消費税増税後に購入すればメリットが得られる措置を拡充しています。
2019年10月の消費税増税後の単年度ベースで車と住宅あわせて減税を行う計画です。
おそらく新しい補助金も導入されると思われます。
私がびっくりしたのは、政府がクレジットカードなどキャッシュレスで支払った場合に
「5%」のポイント還元を検討する方針を示したことです。
消費税の増税に伴う景気悪化への対策案が次々と打ち出される流れの中とはいえ
ポイント還元率を当初想定されていた増税分相当の「2%」から「5%」へ引き上げ、増税分の倍以上のポイント還元を行うと言っているのです。その影響で、キャッシュレスサービスが大きく加速すると思われます。これが政府の狙いなのです。
特に12月に話題になった「PayPay」は莫大な予算をかけたキャンペーンを行い、
QRコード決済の利便性をユーザーと店舗に一気に広めたのではないでしょうか?
LINE Payもこれに続くキャンペーンを展開しております。
しかしながら、そもそもこの分野に関して日本はものすごく遅れています。
QRコードを使ったキャッシュレス決済について、日本では「知らない」人が全体の8割なのも現状です。楽天やLINE、ソフトバンクなど大手企業が一斉に参入しているQR決済ですが、認知度の低さや使える店がまだまだ少ないのが現状です。つまり「PayPay」はCMを観て名前は知っているが、実際それで決済する人はまだ少ないということです。
しかし政府は「2025年までに決済率40%」を目標としています。ということは今年からは
キャッシュレス化で生まれる新市場の獲得が本格化するものと思われます。
最後になりましたが、皆様方におかれまして素晴らしい1年になりますよう
心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
JECCICA客員講師 渡辺 太志
(株)アイズモーション専務取締役/プロフィットシステム常務取締役
コンサルタントとして企業の経営戦略から組織開発までトータル支援が可能。SNSを活用した集客・販促により宣伝広告費の圧縮を行い、経営改善に繋げるシステム作りのコーディネートを得意とする。