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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol.65 「間違いだらけ」のシニアマーケティング④ 【人間にとって「コミュニティ」は欠かせない!】

「マーケティング4.0」と「コミュニティマーケティング」
以前に当コラムで、フィリップ・コトラーの「マーケティング4.0」を紹介しました。内容を簡潔におさらいすると、マーケティング4.0は「顧客の自己実現を支援し、購入したことによる精神的欲求を満たすモノやサービスを開発すること。」と提唱しています。

具体的には、機能的に良い製品を提供するだけでなく、それを購入して顧客が使うことで「WOW!=驚きの体験、感動」を与える価値を作り出して提案することが大切であり、こうした体験は顧客自らが「SNS=ソーシャルメディア」で、社会や人間に価値ある情報として発信し、第三者から「承認=イイね」され、「自己実現=自身の価値(自分らしさ)」を図りたいと多くの人々が思うようになったと整理することが出来ます。

こうしたサイクルを実現するために、購入後も顧客との接点を持ち続け、自社のアンバサダーとして情報を発信してもらうことが企業にとって重要であると、マーケティング4.0の概念では定義付けています。そして、この概念をベースとした「コミュニティマーケティング」という手法が、昨今良く聞かれるマーケティングのキーワードです。コミュニティマーケティングとは、共通の興味・関心を持っている集団(コミュニティ)の交流や情報発信を介して拡散を図り、自社のプロモーションに繋げる方法です。そのためには、自社製品あるいは企業、ブランドに対して好感を持ってもらえる「自社と顧客の絆、及び顧客同士を繋ぐ場所や仕組み」を構築して「口コミ波及」させることがますます重要となっています。

世の中は一巡して完全に「江戸時代」に戻った?
上記トレンドの本質を理解すると、信頼出来る人からの「口コミ」を重視するわけですから、世の中は完全に一巡して原点回帰したと私は感じています。そもそも「マーケティング」は、イギリスの産業革命が切っ掛けとなり、1900年代に入ってから大量生産・大量販売をどのように効率的に行うか?という課題に対して、大量に店頭配荷を行う流れが整備され、大量の情報を素早く顧客に届ける様々なメディアが成長しました。アメリカの大衆車「T型フォード」の事例はあまりにも有名です。これを日本に当てはめると、1960年以降の高度経済成長期に、「大衆=マス」を相手にしたマスメディアの成長と、マスマーケティングが該当します。

そして2000年代に入り、インターネットと携帯電話(端末)、更には2010年以降のSNSの普及で時代は大きく変わり、顧客はあらゆる情報を受けたり、また自ら発信出来るようになりました。つまり、インターネット上での「口コミ」が今では当たり前になったのです。

このような今の現象は例え話をすると、江戸の日本橋に「美味しいお団子屋さん」があり、店主こだわりの逸品を一生懸命に作るお団子が江戸の町民に喜ばれ、皆が美味しいと笑顔になってくれることを店主は喜び、ひたすらお団子を作る。この美味しさが江戸の町民に更に口コミで拡がり、顧客と店主は笑顔になり、暮らしが豊かになって商売も繁盛する・・この流れと何ら変わりがないと思います。

何故それを作ったのか?顧客に届けたいのか?明確な志や理念があり、顧客に価値と笑顔をもたらすモノやサービスは、顧客自らが支持してくれて、顧客のコミュニティから口コミで拡散される。それがアナログからデジタルに変わっただけで、人間の本質は何も変わらないと思います。

人間の基本的欲求を満たすことが「コミュニティ活性化」のポイント!
アメリカの心理学者「アブラハム・マズロー」の、欲求5段階説はあまりに有名ですが、この定説は人間本来が求める「欲求=ニーズ」が分かりやすく体系立てられています。

欲求の第1から第3段階は「生理的欲求⇒安全欲求⇒社会的欲求(帰属欲求)」で、これは生きて行くために必要な低次の欲求です。そして第4・第5段階に高次な心の欲求である「尊厳欲求(承認欲求)⇒自己実現欲求」がきます。

つまり、人間はこれまで培った自分自身の「強み・出来ること・したいこと」を、コミュニティを通じて他者や社会に提供し、相手から認められ(承認され)、感謝や尊敬、そして笑顔を見ることで自分らしさを認識する(自己実現を図る)ことを生き甲斐として目指す存在なのです。

博報堂生活総合研究所が提唱した「トキ(時)消費」も、「今この瞬間に価値がある!人と価値を共有して、さらには人に影響を与えたい!」という「ライフスタイル・生き方」に対する消費の考え方ではないでしょうか。「AKB48」のファンは、「俺たちが彼女たちを成長させて支えているんだ!」という思いに価値を見出し、ファンを次々に獲得して支持され、対価を支払う一連の流れが良く分かります。

人類未体験の社会を創造するために!
来年から日本は「50歳以上過半数社会」に突入します。「人生100年時代」がいよいよ現実味を帯びて来ました。シニアビジネス・シニアマーケティングの在り方も大きく変化します。日本をはじめとした先進国は成熟社会と言われて久しいですが、これからの社会は、人々の未来と幸せに役立ち、社会にとって有益な「モノやサービス」が顧客のコミュニティで支持され、自然と「口コミ」拡散されると感じています。こうした現象は江戸時代の「美味しいお団子屋さん」と同じですね。

そのためにはビジネスもマーケティングも、そしてクリエイティブも、崇高な理念と哲学のもとに生み出され、人間の感性や右脳のセンサーを生かす必要があります。

いままで経験値のない新しい時代は、売り手と買い手がともにリスペクトしあい、ともに知恵を出し合い、「心がワクワクして笑顔が絶えない」、そんな社会を創造するための「コミュニティ」がますます求められる時代と言えるでしょう。

このような社会の動きをキャッチしてテクノロジーをどう生かすかが、今後のビジネス成長の「カギ」を握ります。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


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