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楽天サーチのアルゴリズム、ヤフーの優良配送の対応とは?

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が令和3年5月27日に成立し、6月3日に公布されてから約2年が経過しました。その間、楽天市場では、トップページの下部に「プラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する取り組みについて」というリンクが掲載され、「楽天市場の商品検索における検索順位の決まり方について」の内容が公表されております。

その内容によると、楽天市場の商品検索は、(1)自然言語処理による検索キーワードと商品の関連性、(2)検索キーワード毎の商品の人気度をスコアリングして検索順位を決定しており、常にモニタリング、反映しているため検索順位は常に変動するとのこと。

(1)の関連性については、検索対象となる商品説明文などに記載されているキーワードの出現頻度、希少性を加味し、スコアリング

(2)の人気度は、検索したユーザーがクリックや購入など支持した商品ページに高く評価ということになります。

掲載内容にも詳しく記載されておりますが、「軽い」と検索した場合、説明文などに「軽い」が多く出現している場合は、関連性が高いとみなされ、「超軽量」のように検索ヒット数が少ない場合もスコアが高くなります。また、「マグカップ 軽量」と検索されて購入された場合は、そのキーワードに対してのスコアは高くなり、「マグカップ かわいい」と検索されて購入されない場合は、スコアが加点されません。これらを踏まえて、楽天市場に出店しているショップとしては、何を注意して対策する必要があるのでしょうか?

楽天市場に限らず大手モールの検索の仕組みでは、「商品名」の加点要素が高い現状があります。Amazonでは、ガイドラインを違反している場合、Amazon側の判断により検索非対象となる場合もあるほど厳しく取り締まられています。楽天市場においても、2017年9月に「商品名登録ガイドライン」が制定されており、Amazonのような明確なルールが存在しますが、本記事を執筆している時点では、違反点数制度の対象にはならないと記載されています。

なぜ違反点数制度の対象にはならないのか?これは、Amazonはカタログ形式の出品の場であり、楽天市場は、検索結果をショップ単位で表示される出店の場という違いがポイントです。

楽天市場の場合、「商品名登録ガイドライン」の通り、商品名を登録した場合、加点につながるキーワードを含まない結果となり、検索順位が上がりきらず、アクセス減につながる可能性があるからでしょう。

すなわち楽天サーチという検索結果でお客様が比較検討されている売り場である楽天市場においては、競い合うライバルと同レベルの商品名や説明文など検索対象となる項目にキーワードを記載しておくことが重要となります。

例えば、楽天市場の場合、「商品名登録ガイドライン」では、「スイーツ・お菓子」のジャンルでは、「メーカー名_ブランド名_商品名称_仕様_内容量_数量」という商品名ルールが存在しますが、「母の日」の場合、サジェストワードには「母の日 スイーツ」などが表示されている限り、商品名には、「母の日 スイーツ」を含めないと順位の上昇が見込めないわけです。

そして、「母の日」が終われば、「父の日」というワードがサジェストワードとして上昇するため、母の日需要が終われば、「母の日」のワードを商品名から削除し、「父の日」を商品名に記載することが重要な対策となります。

ここでモールでの販売経験が浅いショップがやりがちな運営方法が、普段販売しているページとは別に、「母の日」と「父の日」とそれぞれの商品ページを作成してしまうこと。売上実績もないため、検索順位も上昇してきません。更に、「母の日特集」広告などの企画ページや検索結果に表示されるRPPからアクセスを増やしたとしても、レビューがないページになり、転換率も低いため、なかなか売上につながらないという結果になりがちです。

「楽天市場の商品検索における検索順位の決まり方について」の内容は、一般のお客様向けの説明でもあるため、「商品」や「支持」など抽象的な表現となっていますが、「商品ページ」「クリック」「購入」という具体的な意味を理解すれば、どのように商品ページを作成し、商品名を登録して、運用しつづけるかご理解いただけるのではないでしょうか。

また、Amazonでは、検索順位の操作を目的とした施策がより厳しく取り締まられるという噂もありますし、Yahoo!ショッピングでは、「優良配送」に対応したストアの商品ページの加点要素が強く、8月に実施される予定の施策においては、「優良配送」の商品が優先的に上位表示されるようになり、同月8日には、ストア利用約款が改定され、「優良配送」を表示させるためだけに送料に不当な金額を設定することが禁じられます。

「優良配送」に対応するには、ストアパフォーマンス「出荷遅延率」5%未満であり、「最短お届け日」が「注文日+2日以内」という2つの条件を満たす必要があり、メール便だけだと対応が困難だと思われがちですが、宅配便を指定できる設定をすることで、優良配送に対応することが可能です。

楽天市場において、将来的には、「商品名登録ガイドライン」を守らない場合、違反点数制度の対象となる可能性もありますが、このようにモールを取り巻く環境は刻々と変化していきますので、最新の情報も理解しながら、アクセスと売上減に影響しないショップ運営を心がけていきましょう。

清水 将平

JECCICA 参事 特別講師 清水将平

日本ECサービス株式会社 代表取締役

日本最大級の楽天ショップ向け会員サポートサービス「ECマスターズクラブ」を運営。
日本全国47都道府県の1,500ショップに対して、質問数無制限のフォーラム、毎日配信される音声解説付きサポートレター、週2回のライブ配信、4,000名が利用するChrome拡張機能など30を超えるツールなどを提供。
2019年のセミナー開催実績は、年間70回以上、参加者3,000名を超える。


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