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キッカケづくりが企業躍進のキッカケになる

多くの人はきっかけを求めている
今を生きる人たちの多くは「きっかけ」を探しているのだと思います。逆に言うと、今躍進している企業のビジネスは、その「きっかけ」をうまく取り入れている様にも感じます。

今の時代はSNSが台頭して、誰もが発信でき、そこからスターやヒットが生まれています。しかし、それがまだ難しいのは「ただ発信しているだけでは、恩恵が決して得られない」からです。だから多くの人は「きっかけ」を欲しがります。

「推し活」という言葉がありますが、それも「推し」が「きっかけ」です。ただ一個人が何かを発信しているだけでは到底、脚光を浴びることはありません。しかしBTSでもジャニーズでも自分の好きなものを投稿すると、その反響は共感とともに受け入れられ、一気に状況は変わります。

「きっかけ」があるから投稿できて、それ故に影響力を実感できます。ではこの話がなぜ、そのことが企業にとって応用すべき要素であり、ビジネスに直結するのでしょうか。

スタッフがスターになる為の土台づくり
それを活かす動きが「靴下屋」吉祥寺店のリニューアルオープンの中に見られました。施策よりはスタッフに対しての向き合い方です。僕が驚いたのは、その場にいるスタッフ数人だけで合わせて15万人ほど、フォロワーがいるという事実です。

「靴下屋」が言うには、ここ2年ほどで、スタッフに対しての考え方を変えたのが大きかったそうです。最初はSNSを重視するも専ら店の話題のみ。しかしフォロワーが伸び悩む中、思い切ってこう伝えたと言います。

『「靴下屋」のスタッフではあるけど、無印良品もユニクロも投稿にあげてもいいよ。』と。

それでフォロワーが伸びたスタッフにおいてはその為の勉強会も行い、フォロワー数とその内容によってはバイトから社員へのステップアップも認めました。SNSを宣伝と捉えず、スタッフを伸ばす材料にしたこと。そして自らの会社を伸ばすより、自らのスタッフを伸ばす事に振り切ったという事です。それが今の施策に直結しているのです。

リアル店もそのデジタルの熱狂を取り込む
例えば、「靴下屋」吉祥寺店には複数のデジタルサイネージを用意しています。サイネージは、これまででいえば、決められた動画をリピートしていたに過ぎません。 しかし、彼らはスタッフの投稿で大きな反響が得られた瞬間に、サイネージの中身をチェンジできる様にしました。そのスタッフの視点がブレイクしているのであれば、それを直に現場の熱狂につなげる構えです。

また、これができるのもその施策を支えるだけ、スタッフが育ってきているという状況がありました。例えば、この日、僕が話したスタッフ「三輪まりん」さんは9万人以上のフォロワーがいるとか。当日も、インスタライブでの配信を取り仕切っている姿が印象的でした。

ブレイクするのもきっかけがあればこそ
これぞまさに企業側の「きっかけ」づくりの賜物だと思うのは、誰しも最初は普通の人だからです。

この三輪さんにしても聞けば、一年前までは五千人ほど。その前はもっと少なかったといいます。もしも彼女が無意識に何も考えず、日記の様な感じでインスタでその投稿をしていたら、この様な結果をもたらすことはないはずです。「靴下屋」スタッフというきっかけが彼女を伸ばしたのです。

まず、GUなど「靴下屋」以外のブランドについても、隔てなく投稿できることで、彼女は自分の優れたセンスを発揮できました。加えて「靴下屋」の一員として「靴下を起点に」彼女なりのコーディネートをしたことで受け入れられたのです。

そうなると商品ではなく、価値観です。価値観が醸成されれば、そこにファンが生まれてフォロワーが増えます。

どんな感性も「お題」があって磨きがかかる
「靴下屋」というお題があるから、彼女はそれをもとに自分の感性をクリエイティブにトライでき、それをもとに発揮できたのです。「お題」がなければ、その感性も活かせません。軌道に乗って来れば、あとはスタッフ自身の士気が高まって、更に成長は加速します。三輪さんの勢いが更に増したのはちょっとした工夫でした。

インスタの投稿に写真だけではなく、文字を入れたのです。そのテーマがキャッチーに一目でわかる様になって、1ヶ月1万フォロワー増えるなどの現象が起きました。遂に、それがユーザーにとって利点をもたらすものになり地位は盤石になりました。

だから躍進したい企業は、自らのブランドなり、店なりの価値観をフックに、スタッフに「きっかけ」を与えることが大事でしょう。その上で、そのスタッフの持つポテンシャルを引き出せるかどうか、その環境づくりが肝となります。

極論、そこで独り立ちされてしまうリスクもあるでしょう。だから、企業はそこで得られたお客様をいかに会員にして、データで抑えておかなければなりません。そうやってスタッフへの投資に対しての回収をするべきでしょう。少しの縛りと自由。これが僕が最初に触れた「きっかけ」が大事ですよという言葉の真意になります。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 石郷 学

(株)team145 代表取締役


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