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肉を食べるのが「イケテナイ」時代に・・。

オリンピックまで1年を切りました。その前に秋にはラグビーワールドカップがあります。日韓、米中の政治的な問題もあり流動的ではありますが、2020年はますます海外からのインバウンド観光客が増えて行き、政府の目標である訪日客4,000万人は達成されるでしょう。JECCICA理事には肉食が多く、かくいう私も肉大好きです。特に私のような老人は積極的に肉を食うべしというのを信じており500gのステーキならペロッと食べますし、気がつくといきなりステーキのプラチナ会員(20kg食べるとなれる)になってました。日本は相変わらずの肉ブームでバラエティ番組でも肉、雑誌も肉、肉肉肉ですね。

とそんな肉好きにはぞくっとするお話です。
「え?まだ肉なんか食べてるの?かっこ悪いね!」という時代がそこに来ているのです。欧米の食はベジタリアンやヴィーガンをキーワードとした食へ移行しつつあります。マクロビ、ベジタリアン、ヴィーガン、・・・いろんな言葉がありますが少し整理すると。

マクロビオティック(マクロビ)・・・概念や思想に近いもので玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とし、独自の陰陽論を元に食材や調理法のバランスを考える食事法です。魚などは食べることもあるようです。
この考え方は日本発祥であるけれど禅と結びついて海外に広まり、マクロビオティックとして日本に逆輸入されたということです。

ベジタリアン・・・その名の通り菜食主義。ヒンドゥー教など宗教的な意味合いも持っている人もいる。肉はNGだけど魚や乳卵やチーズは大丈夫という考えもあるようです。

ヴィーガン・・・完全菜食です。持続可能な農業やanimal wellfareなどの理念を理由にするなど定義も幅広いですが、動物性のものは一切口にしないというのが原則です。

ざくっと理解していただくとしたら許容範囲で並べると「マクロビ>ベジタリアン>ヴィーガン」ということになるでしょうか。

Googleトレンドでの検索キーワード推移を見ますと、本場アメリカの検索結果(※グラフ1)では2011年初頭から「Vegan」の検索数が「vegetarian」を抜きその後圧倒的に増加しています。

肉を食べるのが「イケテナイ」時代に

日本でも(※グラフ2)昨年の5月に「ヴィーガン」が「ベジタリアン」を抜き、2019年に入ると検索数が大幅に増えて行っているのがわかります。それに対して「マクロビオティック」は下降気味、「ベジタリアン」は横ばいです。

肉を食べるのが「イケテナイ」時代に

ヴィーガン市場は2022年には1兆円を超えると言われており、アメリカのミレニアム世代は驚くことに、3割は毎日、5割は週に数回、植物性肉を食べていう調査結果が出ています。ニュースでも代替え肉や大豆ミートのハンバーガーが取り上げられるようになってきました。先月、アメリカ・ミネアポリスでの会議に出席していた友人からは、「会議が用意したランチは豆と野菜しかなかったよ」と嘆いてました。また大塚ホールディングはアメリカで大豆タンパクによるチーズやアイスクリームの会社を買収しています。いずれ日本にも展開されるでしょう。

訪日観光客のうち5%がベジタリアンもしくはヴィーガンと言われています。来年は4,000万人が来日すると言われてますから200万人がベジタリアンまたヴィーガンということになります。事実、羽田と成田には既にヴィーガンレストランがオープンしており、東京の主要ホテルでもヴィーガンメニューを用意し始めています。少し前はイスラム食への対応(ハラル対応)が話題になってましたが来年は日本におけるヴィーガン元年になりそうです。

そもそも日本食とヴィーガンは相性が良いのではないでしょうか。精進料理は一切の殺生を禁じた完全菜食だったのです。ヴィーガンでは鰹出汁もNGですが、精進料理も昆布や野菜から取った出汁を使います。
私の専門分野のお菓子で見ても、バターや生クリームを使うフランス菓子は豆乳クリームなどで代用する必要があります。あくまで代用なので元のフランス菓子の風味を再現するのはなかなか難しいところです。しかしながら和菓子は乳卵を使わないものも多いのです。カステラやどら焼きには卵を入れますが、小豆、砂糖、米粉からなる和菓子はヴィーガンであり、小麦も使わないことが多いのでアレルゲンであるグルテンフリーでもあります。
おせんべいなどの米菓子も可能性高いですね。

200万人の訪日客にとって問題なのは何も表示がないということで、ヴィーガンの観光客は日本で食べられるものを探しまわっているのです。おいしそうな和菓子に出会ってもそれがヴィーガン向けなのかどうか記載が無い限り口には入れてもらえないでしょう。Webが持つ役割としてそういう情報を訪日客に的確に提供することや、ECで販売することはかなり可能性が高いと思います。実際に私のクライアントのお菓子屋さんではヴィーガンマーケットに向けた商品開発を行っており、まずECで先行販売することを狙ってます。訪日客4,000万人がもたらす日本への影響という観点から見ると「食」の分野が一番変化が大きいような気がしますし、そこにビジネスチャンスがあるのではないでしょうか。かつてタバコがそうなったように、肉を食べているのがカッコ悪い時代がそこに来ているのかも知れません。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 斎藤賢治

ち上げ、EC、リアル店舗、卸販売、レッスンスタジオとオムニチャネルを実践し最大32億円まで成長させる。
食品の商品開発からプロモーションなどを得意とする。


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