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アメリカにおける2022年のEコマースデータ

Eコマースの成長は加速し続けています。Comscoreによる最新の”State of Commerce”レポートによりますと、2022年のアメリカにおける旅行支出を除くEコマースでの売上が1兆900億ドルに達し、年間で初めて1兆ドルを超えました。また次のグラフにあるとおり、2013年から2016年までアメリカのEコマースは1,289億ドル増加しましたが、2017年から2020年までの同期間ではその2倍強の2,688億ドル増加しました。さらに、新型コロナウィルスによるパンデミックの期間、2020年から昨年まででは3,846億ドルと脅威的な増加となっています。

特に昨年の第4四半期は、対前年比18パーセント増の3,322億ドルの売上を記録しました。中でも特筆すべき点として、モバイルでの売上増があります。モバイルでの売上は、Eコマース全体に占める割合が30パーセント前半で何年も横ばい状態で続いてきましたが、昨年は38パーセントと大幅に増加しました。Eコマースでの売上は今後も成長が期待されますが、中でも、アプリを充実するなど、モバイル向け戦略の立案が重要と言えそうです。

Eコマースにおける売上高の上位5つのカテゴリーは次のとおりとなっています。
食料品、ベイビー、ペット:2,190億ドル
アパレルとアクセサリー:1,750億ドル
コンピューターと周辺機器:1,170億ドル
家電:850億ドル
家具と電化製品:760億ドル

カテゴリー別で最も売上の多い食料品、ベイビー用品、ペット用品は、次のグラフにあるとおり、2018年から2022年末までの4年間で333パーセント増加しました。2018年第4四半期に、アメリカ人が食料品等をオンラインで購入した金額は150億ドル未満でしたが、2022年第4四半期には640億ドルに達しています。そして、そのほぼ半分近くがモバイルデバイスからの売上となっています。

最後に、最も急成長している5つのカテゴリーは次のとおりとなっています。
イベントチケット:75パーセント増
デジタルコンテンツ:60パーセント増
アパレルとアクセサリー:37パーセント増
ビデオゲームとアクセサリー:31パーセント増
家と庭、園芸:25パーセント増

2022年の大きな話題の1つは、前年比で75パーセントの成長を遂げたイベントチケットです。わずか数年前の2019年では、まだ対面でのチケット購入が売上の大部分を占めていましたが、現在ではオンライン販売が全体の90パーセントのシェアを占めるほどに成長しています。これも、パンデミックの影響による傾向と言えそうです。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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