Eコマース繁忙期と物流
オンラインで注文して実店舗で商品を受け取る”BOPIS -Buy Online, Pickup in Store”もしくは”クリック&コレクト”の利用が増加していますが、まだまだ自宅等への配送が主流です。例年、11月後半から12月中旬にかけてEコマースが最も繁忙な時期となりますが、それに伴い、次のグラフにあるとおり配送量も大幅に増加します。
こちらでは、UPS、FedEx、USPSの大手3社に加え、最近はAmazon自社での配送も加わっていますが、それでもこの時期になりますと、大幅な配送遅れが発生してしまいます。後述しますが、中には配送中に商品が紛失してしまうこともあります。
次のグラフは、UPS、FedEx、USPSの3社の配達予定日までに配達されなかった割合を示したものですが、2019年のグラフで顕著なように、12月の配送遅れは他の月の比ではありません。昨年は12月以外でも総じて大幅な遅れがありましたが、これはパンデミックによりEコマース注文が急増したことによる影響と思われます。
私も11月後半にCostcoとAmazonで注文をしましたが、どちらも配達予定日には到着せず、さらにAmazonで注文した1件はなんと商品が紛失してしまいました。トラッキングで商品は約80kmほどのところまで来ているのですが、その後何日経っても状況が変わらず、カスタマーサポートに連絡しても明日届くだろうという返事ばかりで、結局、数日後にトラッキングが、”あなたのパッケージは紛失た可能性がある”という状態に変わりました。今回はAmazon自社での配送だったのですが、プライム会員向けに提供している短期間での配送サービスが機能していないことに加え、トラッキングも全く機能していませんでした。
Eコマースは今後もさらなる成長を続けるのは確実ですので、特に繁忙期における物流面での改善を期待したいところです。
JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。