アパレルの適正サイズのレコメンデーション
衣料品の返品の80パーセントはサイズが合わなかったことに起因していると言われています。ブランドにとってこの返品の可能性を減らすことは、コスト削減につながります。実店舗では試着によって、自分にフィットしたサイズを確認できますが、オンラインでは選んだサイズが果たしてフィットするのかどうか不安ながらオーダーする方も多いと思います。現在は、多くのアプリなどで測定値を入力して自分に合ったサイズの確認ができるようになってきていますが、ブランドやアイテムによってサイズが異なることも多く、実はサイズに関する課題を解決するのは容易ではありません。この解決策の一つとして期待されるのが、高度なアルゴリズムと最先端のテクノロジーに基づいた測定テクノロジーにより、購入者にフィットした特定のブランドの特定のサイズをレコメンデーションするAI主導の測定ソリューションプロバイダーのMySizeです。
MySizeが提供するMySize IDプラットフォームは、MyDash、アプリ、ウィジットで構成され、ブランドの各アイテムのサイズチャートをMyDashに登録、スマートフォンのMySize IDアプリを用いて測定されたユーザーのサイズデータをMyDashのデータベースと組み合わせ、パーソナライズされたサイズプロファイルを作成します。ウィジェットはオンラインショップのアイテムページに統合され、パーソナライズされたサイズのレコメンデーションを提供します。MySize IDウィジットは、Shopify、WooCommerce、Bitrix、Wix、LightSpeedといった複数のEコマースプラットフォームとの統合が可能で、このプラットフォームはすでにLevi’s、Speedo、US Poloなどの主要ブランドで利用されています。MySizeでは、MySize IDの利用により返品を最大50パーセント削減し、平均注文額を最大30パーセント増加させると述べております。
最近、このMySizeが実店舗用ソリューションとして、FirstLook Smart Mirrorの提供も始めました。FirstLook Smart Mirrorは、買い物客に物理的な情報を提供するインタラクティブなミラーのようなタッチディスプレイで、各顧客にぴったりとフィットする非常に正確なサイズおよびリアルでパーソナライズされたアイテムの表示に加え、在庫連携、価格設定に関するPOSデータへのアクセス、利用可能な在庫と買い物客の好みに基づいたパーソナライズされたレコメンデーションによるアップセル、選択したアイテムを店舗内の特定のPOSの場所に運ぶことによるシームレスで手間のかからないチェックアウトといったような機能も含まれています。また、MySize IDとも連携しており、買い物客が店内で商品バーコードをスキャンすると、MySize IDプロファイルを介して特定のアパレルアイテムのサイズのレコメンデーションも提供します。このミラーは、すでに1,000を超える小売店に導入されているとのことです。このようなミラーがあると、アパレルの買い物がより楽しくなりそうです。
JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。