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ECサイトで注意すべき送料設定

JECCICA特別講師 松橋 正一

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ECサイトでお買い物する場合、現在はたくさんの運送会社の様々な配送サービスがあり、運送会社ごとに「内容物の種類」「商品のサイズ」「保存温度帯」「利用できる決済方法」などかなりの種類の配送サービスがあります。

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<配送サービス>

  • 信書以外で商品保証が不必要なもの(DM便など)
  • 郵便ポストインできるもの(DM便、ゆうメールなど)
  • サイズが一定以下のもの(コンパクト、ネコポス、レターパックなど)
  • 通常常温宅配便
  • クール冷蔵宅配便
  • クール冷凍宅配便
  • 代金引換やお届け時クレジット決済できるもの
  • コンビニエンスストアで受取が可能なもの

 

各配送サービスは、商品のサイズや保存温度帯、利用できる決済方法など商品に依存するにもかかわらず、多くのECショッピングモールや自社ドメインサイトなど、ほとんどのECサイトで採用しているショッピングカートは、商品毎に各配送サービスを固定することはできません。

商品ページで「当商品は、DM便にてお客様のポストに送料無料でお届け、お届け指定日や代金引換決済のご利用ができません。他の送料有料の商品との抱き合せご購入、もしくはお届け指定日や代金引換決済のご利用でのご購入の場合は、弊店にて送料や代引手数料などを修正させていただきますので予めご了承願います。」のようなご購入時の注意書きが掲載説明している場合があります。

 

しかし、お客様より、…………………………

「送料無料だから買ったのに、お届け指定日を指定したら勝手にクレジットカード決済で送料を追加請求された。過剰請求だから送料を返金してください」

店舗運営者では、…………………………

「お買い上げいただきました商品は、DMにて配送。お届け指定日のご指定ができません。お届け指定日ご利用でのご購入の場合は、弊店にて送料を修正させていただきますので予めご了承願います。とご購入いただきました商品ページにて説明しておりますので、この度ご請求させていただきました送料の返金はできません。」

 

このようにお客様と店舗運営者との間で送料修正にかかわるトラブルは多くみられます。

お客様のECサイトシステムへの期待感と、店舗運営者のシステムの機能不足を商品ページで最大限説明責任を果たしているという想いとのギャップがあるためにおこるトラブルと思います。

 

<お客様の希望>

  • より送料を安く買いたい。
  • 指定日に届けてもらいたい。
  • できるだけ都合のいい決済方法を選びたい。

<店舗運営者の想い>

  • より送料を安くするために商品ごとに利用できる配送サービスを理解して欲しい。
  • お客様より誤解を受けないよう説明責任は果たすのでよく読んで欲しい。
  • 商品ごとに利用できる配送方法や決済方法を固定できるシステム開発を望む。

 

店舗運営者をサポートしている立場として「お客様にもう少しシステムの事情をご理解いただきたい」という想いはありますが、店舗運営者にも「今の商品ページやショッピングカートの設定がベストですか?」と問いかけたい。

 

お客様とのクレームやトラブルは、対応方法により「お客様より信頼をいただける」場合もあれば、「信頼を失い、二度と利用しないというリスト」に入る場合があります。お客様に誤解をおける商品ページの説明やショッピングカートの設定になっていないか?を今一度確認してみる必要があると思います。

 

<送料でトラブルにならないために>

  • 配送方法を複数にしない(例)配送方法☆☆運輸
  • 配送方法を商品名に記載(例)商品名☆☆便
  • カート近くに当該商品の決済方法制限を掲載
  • カート近くに当該商品のお届け指定日の説明を掲載
  • カート近くに他の配送方法商品と同梱不可の説明を掲載

 

 

楽天市場、Yahoo!ショッピングで可能な設定方法を紹介します。

 

= 楽天市場 =

【A】複数の配送方法をお客様が注文時注意書きに従い選択

複数の配送方法を設定しそれぞれに送料を設定できますが、店舗が商品毎に配送方法を指定することができません。

〔設定方法〕

  1. 「基本情報設定」-「配送方法」で「送料料金設定メニュー」を編集
  2. 「配送方法一覧」を登録編集(例)宅配便、ゆうパック、その他配送方法1
  3. 登録した「配送方法」で送料設定を登録編集

【B】商品毎に配送方法を店舗で指定 ひとつの配送方法のみを設定し、商品毎に配送方法を店舗で指定するには以下の方法で設定します。

〔設定方法〕

  1. 「基本情報設定」-「配送方法」で「その他配送方法1」を編集
  2. 「その他配送方法1」-「送料設定」-「送料区分1」を登録編集(例)宅配便、クール便、宅急便コンパクト
  3. 「料金入力」で送料区分1それぞれの送料を登録編集
  4. 商品基本情報の送料区分1に「宅急便コンパクト」を設定

※複数の配送方法は設定しません。※「宅急便コンパクト」を設定した商品を注文すると「料金入力」で登録した送料が適用になります。

= Yahoo!ショッピング =

【A】抱き合せ購入および一定額以上で送料無料に設定

送料無料商品を他の送料有料商品と同時購入すると送料が発生し、かつ一定額以上は必ず送料無料になる設定です。

  • 通常商品のみ購入⇒送料600円(重量1と設定)
  • 送料無料商品のみ購入⇒送料無料(重量空欄)
  • 通常商品と送料無料商品同時購入⇒送料600円
  • 合計金額5,000円以上の購入⇒送料無料

〔設定方法〕

商品ページ設定(重量)の後、ストアクリエイターProの「配送方法、送料設定」で以下設定します。

  1. 「購入した商品の総重量が1以上になる場合は、送料600円」
  2. 「条件付き送料無料で5,000円以上の購入の場合は、送料0円」の設定を行います。

【B】送料無料抱き合せ購入で送料無料に設定

送料無料商品を他の送料有料商品と同時購入すると、抱き合せ購入で送料無料になり、送料有料商品のみの購入の場合は、一定額以上でないと送料無料にならない設定です。

  • 通常商品のみ購入 ⇒ 送料600円(都道府県別[送料表])
  • 送料無料商品のみ購入 ⇒ 送料無料(重量1と設定)
  • 通常商品と送料無料商品を同時購入 ⇒ 送料無料
  • 合計金額5,000円以上の購入 ⇒ 送料無料

〔設定方法〕

商品ページ設定(重量)の後、ストアクリエイターProの「配送方法、送料設定」で以下設定します。

  1. 「購入した商品の総重量が1以上になる場合は、送料 600円」
  2. 「条件付き送料無料で5,000円以上の購入の場合は、送料 0円」

 

 

各モールの配送方法を正しく理解し応用することで、お客様との送料トラブルを少なくし信頼関係を築くことがECサイト成功への第一歩です。

 

 

JECCICA特別講師 松橋 正一

matsuhashi

楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。

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