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ECシステム構築の際の開発コストの考え方

一時期のモール全盛時代もかなり落ち着いてきて、今また自社サイト、自営サイトに注力しようという動きが見えてきているように感じています。
モールの方が早く立ち上げられる、売上向上の施策が打ちやすいなどの利点があるのでしょうが、やはりある程度の利益を確保してゆくことや独自の販売方法・サービス提供などを考えると自社サイトの必要性がより高まってくるのだと思います。

かなり以前にはフルスクラッチの案件もよく見かけましたが、最近ではオープンソースやパッケージのカスタマイズ案件をよく見かけるようになりました。
様々なシステムがそれぞれに実績を積み機能強化・改善されてきているのと、システム構築コストにそれほどまとめて費用をかけられないという現状からだと思います。
いずれにしても事業規模から考えてだいたいかけられそうなコストは想定できますし、用意できるコストにも限りがあると思います。
システム構築の打合せを進めてゆくと、当初の予定よりもコストもスケジュールもオーバーしてしまうのが常です。
よくありがちですが想定していなかった機能が増えてしまったり、想定していなかった項目が発生したりします。
そしてよく言われるのが…。
『システムはだらだらコストがかかる。』
『システムのコストはどんどん膨らむ。』

当然ながら詳細を詰めてゆく過程では社内外の状況も事情も変わる可能性もありますので、ある程度しかたのないことだと思いますが、なるべくそうならないためにはやはり最初にきちんと計画と方針を決めておくことしかありません。
コスト配分の考え方も大切で必須項目と重点投資項目は計画段階できちんと押さえておくべきだと思います。

まずは計画から

細かく書くときりがありませんが、大枠で考えると以下のような体系になると考えています。

■事業計画書

EC事業の背景・目的・方針、売上・利益・コスト計画、必要要件およびスケジュール

■プロジェクト計画書

事業計画を遂行するための実行計画書です。必要に応じてプロジェクトを分けることも必要です。
プロジェクト単位の概要、体制、必要要件、コストおよびスケジュールを記載します。

■提案依頼書

いわゆるRFPです。開発事業者に提案を依頼するためのドキュメントです。
提案してほしい範囲・内容を明記するわけですが、現状の業務フローおよび想定機能一覧くらいはつけたいところです。

■ロードマップ

プロジェクト計画書と同様の範囲ですが、全体を俯瞰できるマップという位置づけです。
まずはプロジェクトの大日程から始めて、まだ未確定な将来構想をマッピングし、目標・期限・クリティカルパス・コストなども追記できるとベターです。
プロジェクトチームや意思決定者とのコンセンサスツール、目標管理ツールとして活用したいものです。
記述する期間としては4-5年が理想ですが、現実的には難しいと思うので2-3年を目標に作成します。
そしてできれれば3ヶ月、長くとも6ヶ月くらいのタームでは見直しをかけてゆく運用にしたいものです。

まだシステム構築の前段ですが、ここまででもかなりコストがかかる話になります。
社内の人材で難しい場合には当然外部のコンサルタント等に依頼することになります。

想定外のコストとは

計画時にはシステム構築および運用にかかるコストを事前に想定して洗い出すわけですが、想定外のコストをいかに考えておくかが肝要だと思っています。
想定外のコストとは、たとえば以下のようなものと考えられます。

■RFPからの機能要件の抜け漏れ

■システム構築途中での開発事業者からの追加提案

■新たに発表される新技術やツール

■事業計画そのものの見直し など

要するにシステム構築途中、または構築後運用開始してから発生する機能追加・改修コストです。
この部分のコストを必ず発生するという前提でいかに想定しておくかだと思っています。
当然のように重要度と緊急度を判断しプロジェクト計画とロードマップに見直しをかけるわけですが、その際に次期プロジェクトに回す、要件の整理までしておく、要件定義まで行う、システム設計まで反映しておく、実装までするがサービスとしてはリリースしないなどの判断も必要です。
それによって今回だけでなく将来のコストも違ってきます。

今回のひとこと

当初の計画コストの何倍もかかってしまうような、なかなか終わらないプロジェクトは今でもさほど珍しくはないと思います。
想定外を想定しておけば想定内である。というのはさすがに詭弁だと思いますが、追加で出てくる要件に対し柔軟な判断と意思決定、そしてそれにいかに対応することができるかが、よいプロジェクトチームの定義だと思っています。
開発事業者も含めてロードマップの共有ができるまでになれば、それもまたさらによい体制かなとも考えます。

『想定外は必ず発生する。その対応こそが、よりよい結果を生むのです。』

今後、素晴らしいECシステムがどんどんリリース、サービスインしていってほしいと心から願っています。

和田務

JECCICA客員講師 和田 務

株式会社シーズファクト代表取締役社長 クライアントサイドに立ったITコンサルティングを経営、業務改善、物流といった幅広い視点から行い、企画から運用・保守まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。複数のITベンチャー企業の設立・経営に参画し、幅広い人脈を生かしての新規ビジネスの企画、アライアンス提案も行う。

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