Googleが発表した次世代スマートグラス
先日行われたGoogleのイベントで、生成AIのGeminiを搭載した次世代のスマートグラスが発表されました。まずは音声中心のモデルが出荷され、次いでAI生成画像を視界に直接投影できるディスプレイ搭載モデルが出荷される予定です。この新スマートグラスは、ハンズフリーで周囲の世界と関わり続けられるよう設計されており、優れたハードウェアとソフトウェアの統合機能を数多く備え、写真撮影、カレンダーの予定管理、音楽再生、リアルタイム翻訳、Geminiへの質問などができます。また、GoogleのAIツールを使用して、カメラを風景に向けてGeminiに撮影を指示した後、即座にAIへ画像の編集やエフェクトの追加も可能になるようです。もう一つの特徴は、フレームの製造において著名なアイウェアブランドのWarby ParkerやGentle Monsterと、およびハードウェアメーカーのSamsungと提携している点があります。

Google Glassから現在までの進化
2012年にGoogleが発表したGoogle Glassのプロトタイプは、小型のデバイスがメガネに装着されたもので、すぐに他のメガネとは判別がつきましたが、最近のスマートグラスはレンズに完全に組み込まれており、普通のメガネとはなかなか区別がつきません。このように、スマートグラスは、ニッチな技術的目新しさという段階を脱し、消費者および企業向け市場において急速に成長する主流カテゴリーへと進化を遂げていると感じます。
スマートグラス市場の成長
このような成長の背景には、生成AI、小型マイクロLED、ウェイブガイドディスプレイといった最先端の技術、および定番のメガネのような洗練されたデザインの急速な進歩に後押しされており、ある調査会社のレポートによりますと、2025年の世界スマートグラス市場規模は25億ドルに達しました。今後、さらに年平均成長率24.2パーセントで拡大し、2033年には144億ドル規模へと急成長すると予測されています。GoogleやMetaのような企業やAR分野の新興イノベーターが牽引する形で、コンピューティングの拠点が、スマートフォンなど手に持つものから、スマートウォッチ、さらにはメガネへと本格的に移行しつつあるようです。
スマートグラスの主な形態
そのスマートグラスですが、次のような形態があります。
- 画面なしの音声専用AIグラス: 音声ベースのAI対話、スマートフォンとの連携、メディア再生に特化した製品。
- スマートディスプレイグラス (ヘッドアップディスプレイ): 視界に目立たないマイクロディスプレイを重ね合わせ、テキスト、メッセージのプレビュー、翻訳データなどを表示します。右イメージにあるMetaのRay-Ban Displayなどが代表例となっています。また、カメラ非搭載のMemoMind Oneは、プライバシーを重視するユーザー向けに、情報表示専用のマイクロLEDを使用しています。
- 完全没入型拡張現実(AR)グラス: デジタル情報を現実空間にシームレスに固定、表示する、真の空間コンピューティングアイウェアです。最近、新たに発表されたSnap SpectaclesやXReal Air2 Ultraなどがその代表例です。また、形態や目的が異なりますが、Apple Vision Proもこの分類に位置すると思います。

日常生活と企業における活用事例
このようにさまざまな形態のあるスマートグラスですが、次のように私たちの日常生活にも浸透してきています。消費者向けでは、ハンズフリーかつ装着者の視点でのシームレスな映像や写真の撮影、翻訳された字幕がユーザーの視界に直接表示されるリアルタイム翻訳、頭の動きに連動する地図により、周囲の状況把握を妨げることなく、徒歩での詳細なルート案内などがあります。一方、企業における活用事例として、外科医がハンズフリーでバイタルサインの確認や遠隔地の専門医に相談、物流や倉庫業務で作業員が視覚的なガイダンスによるピッキングルートの確認、整備士が修理作業中に実際の機械にデジタル設計図や対話型回路図を重ね合わせて表示する、といったような例があります。
スマートグラスの課題と今後
ただし、このように目覚ましい成長を遂げているスマートグラスですが、プライバシーへの強い懸念、バッテリー持続時間の短さ、まだまだ高価格であるといった課題点もあり、これらが改善されればさらに本格的な普及が進むと思われます。