一般社団法人ジャパンEコマースコンサルティング協会

トップページ JECCICA記事 2026年最新版!ジャンル別F2リピート率平均値&メールKPI
シェア
ポスト
メール

2026年最新版!ジャンル別F2リピート率平均値&メールKPI

2026年、F2がECの勝ち筋になる理由

ECの成長指標として、ここ数年で重要度が一気に上がったのが「F2リピート率(初回購入→2回目購入)」です。 かつては「新規獲得を増やせば売上が伸びる」という考え方が通用しましたが、2026年現在は状況が変わりました。

理由はシンプルで、新規獲得コストが上がり続けているからです。広告単価の高騰、競合増加、購買行動の多様化により、 以前よりも“同じ予算で獲れる新規”が少なくなっています。つまり、広告投資だけで売上を積み上げる戦略は、年々難易度が上がっているのが実情です。

そんな中で改めて注目されているのが、「一度買ってくれたお客様に、もう一度買ってもらう」設計です。 ここで重要なのが、3回目や4回目より前にある2回目購入(F2)です。

なぜならF2は単なる購入回数の話ではなく、 初回体験を経たうえで再度選ばれたという“評価”が行動として表れた状態だからです。 逆に言えば、F2が低いECは「初回は買われるが、次につながらない」状態であり、広告を回しても利益が残りにくい構造になりやすいとも言えます。

そしてF2改善において欠かせないのがメール施策です。SNSや広告に比べて派手さはありませんが、メールは 初回購入後のお客様に、適切なタイミングで必要な情報を届けられる数少ない手段です。 とくに、使い方やおすすめ、追加購入の提案など、購入後体験を支えるコミュニケーションはメールが最も得意とする領域です。

本記事では実際の最新データ(アクションリンク利用ECの平均値)をもとに、ジャンル別のF2リピート率とメールKPIを整理し、 「どの数字が良くて、どこに課題があるのか」を読み解いていきます。

そもそもF2リピート率とは?

F2リピート率とは、ひと言でいえば 「初回購入者のうち、一定期間内に2回目購入した人の割合」を指します。 EC運用では「リピート率」という言葉がよく使われますが、F2はその中でも特に重要な指標です。 なぜなら、2回目購入は“たまたまの購入”ではなく、初回体験を経たうえで再度選ばれたことを意味するからです。

今回の記事で扱うF2リピート率の算出条件(重要)

  • 対象:2024年12月の初回購入者
  • 期間:初回購入から1年以内
  • 定義:2025年12月末までに2回目購入(リピート購入)した顧客の割合

つまり「2024年12月の初回購入者のうち、2025年12月末までに2回目を購入した人の割合」を、F2リピート率として掲載しています。 この定義により、商品ごとの購入周期が異なるジャンルでも、短期(30日/60日)に偏らず、年間で見た“F2到達率”として比較しやすくなります。

あわせて本記事で掲載するメールのKPI(開封率・クリック率・CVR・メール経由売上比率)は、2025年12月時点の実績値です。 12月はジャンルによって、ギフト需要・年末商戦・セール頻度増などの季節要因が入りやすく、数値が上下する可能性があります。 そのため本記事のメールKPIは「年間平均」ではなく、“2025年12月という特定月の傾向が含まれている”ことを前提に読み解く必要があります。

ただし、月の偏りがあるとはいえ、ジャンル別に並べて見ることで「クリックが強い/弱い」「CVRが高い構造」「メール経由売上比率が伸びやすい条件」など、 改善のヒントになる差分は十分に見えてきます。

ジャンル別F2リピート率とメールKPIの最新値

ここからは、今回のリサーチで取得したジャンル別のF2リピート率と、メールKPI(2025年12月実績)を一覧で整理します。 なお本記事で紹介する数値は、アクションリンクを利用しているECサイトにおける平均値です。

ジャンル F2リピート率 開封率 クリック率 CVR メール経由売上比率
アパレル 21% 29.30% 1.12% 3.97% 10.83%
食品 38.42% 21.58% 0.62% 9.26% 18.16%
雑貨 22.23% 28.65% 1.66% 3.84% 11.78%
家電・デジタル 33.37% 24.81% 1.76% 8.79% 3.87%
BtoB EC 34.57% 20.66% 1.41% 7.47% 4.19%

※F2リピート率は「2024年12月の初回購入者のうち、2025年12月末までに2回目購入した割合」。
※メールKPIは「2025年12月の実績値」であり、季節トレンドの影響を含む可能性があります。

数値を眺めるだけでも、ジャンルごとにF2の“生まれやすさ”や、メールの「読まれ方」「動かされ方」「売上貢献の仕方」が異なることが分かります。 次のセクションでは、この差分をもとに、ジャンル別の“伸びしろ”と課題を読み解きます。

数値から読み解く:ジャンル別の“伸びしろ”と課題

ここでは、KPIを「良い/悪い」で終わらせず、どこに伸びしろがあるのかを整理します。 ポイントは次の3つです。

  • F2が高い=商品・体験が強い(または購入周期が短い)可能性が高い
  • クリック率が高い=興味喚起と導線が機能している可能性が高い
  • CVRが高い=提案内容と購入の結びつきが強い

アパレル:開封は強いが“行動につながる導線”に課題

アパレルは開封率29.30%と高めですが、クリック率は1.12%と伸びにくい傾向が見えます。 これは「ブランドのメールは読まれている」が、「商品ページへ進む理由が弱い」状態になっている可能性があります。

アパレルは同一商品の補充購買よりも、季節・トレンド・シーンなど外部要因で“買う理由”が発生します。 そのため、商品を並べるだけではクリックが生まれづらく、着用シーンや選び方などの文脈が必要です。 伸びしろとしては、まずクリック率(=興味喚起と導線設計)の改善が最優先になりやすいと言えます。

食品:クリックは低いのにCVRが高い=“刺さった人は買う”状態

食品はF2が38.42%と高水準で、メール経由売上比率も18.16%と高めです。 一方クリック率は0.62%と低めですが、CVRが9.26%と非常に高い点が特徴です。

これは「たくさんクリックされるタイプのメール」よりも、少数でも刺さった人が高確率で購入している可能性を示唆します。 伸びしろは、クリックを無理に増やすことより、刺さる対象を増やす=セグメント/提案精度の強化に出やすいです。

雑貨:クリックは強いがCVRは伸びきらない=“回遊はできている”

雑貨はクリック率が1.66%と高めです。商品種類が多く「見て楽しい」ジャンルのため、 特集・ランキング・カテゴリまとめなどが興味喚起として機能しやすいと考えられます。

ただしCVRは3.84%で、クリック後に購入しきれていない可能性があります。 この場合は「メールとLPのズレ」「選択肢が多すぎて迷う」「送料条件で離脱」「在庫切れ」など、クリック後体験に詰まりが起きやすいです。 伸びしろはクリック後のCVR改善にあります。

家電・デジタル:クリックもCVRも強いが売上比率は低い=“役割が違う”

家電・デジタルはクリック率1.76%、CVR8.79%と強い一方、メール経由売上比率は3.87%と低めです。 これはメールが弱いというより、家電が比較検討が長い/最終購入が別チャネルになりやすい構造の影響が考えられます。

つまりメールは「その場で買わせる」より、検討を前に進める後押しとして機能している可能性があります。 評価は売上比率だけでなく、再訪やカゴ投入など周辺指標も合わせて設計するのが安全です。

BtoB EC:開封は低めでもCVRは高い=“必要な人に届けば強い”

BtoB ECは開封率20.66%と低めですが、クリック率1.41%、CVR7.47%で「見た人は買う」構造が見えます。 BtoBは“楽しんで読む”より、必要なときだけ見る行動になりやすく、全体反応率よりも該当顧客に必要情報が届いたかが成果に直結します。

伸びしろは開封率改善よりも、対象者セグメント・補充リマインド・発注しやすい導線など、 業務を助ける設計に寄せた最適化にあります。

結論:ジャンル別に「改善すべきKPI」が違います。
アパレルはクリック率、雑貨はCVR、食品は提案精度、家電は役割に応じた評価軸、BtoBは業務導線に寄せた最適化——というように、 まずボトルネックKPIを見極めることが最短ルートになります。

改善の打ち手:F2を上げるメール設計チェックリスト

F2を伸ばすメールは、「配信本数」や「件名改善」だけでは作れません。 初回購入後の顧客に対して、次の購入理由/次の購入タイミング/次に買う商品を明確に提示する必要があります。 ここでは実務で効きやすい観点をチェックリストにまとめます。

① 初回購入後7日間の“導線”が設計されているか?

F2改善の最短ルートは、初回購入直後のコミュニケーション最適化です。 初回購入後7日間は温度感が高く、ここで失速するとF2が取りにくくなります。

  • 購入直後に「お礼+次のアクション(使い方・おすすめ等)」が提示されている
  • 商品到着後に「使い方/おすすめ/注意点」が届く
  • よくある質問・不安解消のメールがある
  • 次回購入につながる関連商品や組み合わせ提案がある

② クリック率を上げたいなら「商品を並べる」から卒業できているか?

クリックを生むのは、商品そのもの以上に「理由(文脈)」です。ジャンル特性に合わせて“クリックしたくなる理由”を作ることが重要です。

  • アパレル:コーデ提案/気温別おすすめ/再入荷/ランキング/シーン別
  • 雑貨:用途別特集/カテゴリ別まとめ/スタッフの推し/セット提案
  • 家電:比較表/選び方/FAQ/レビューまとめ/保証・サポート
  • 食品:食べ方提案/定番化/季節限定の先回り/まとめ買い

③ クリックは取れているのにCVRが低い場合、「メールとLPのズレ」を疑う

雑貨やアパレルで多いのが、クリック後に「何を買えばいいか分からない」「選択肢が多すぎて迷う」などの詰まりです。 CVRが低い場合は、メール側だけでなくクリック後体験までセットで見直す必要があります。

  • メール内で提案を絞り、迷わせない(1通1テーマ)
  • クリック先をカテゴリTOPではなく商品詳細や特集LPに寄せる
  • 比較・レビュー・不安解消など、LPを“売れる型”に整える
  • 送料無料ラインやまとめ買い導線を用意する

④ 食品やBtoBは「クリック率より提案精度」を優先する

食品はクリック率が低めでもCVRが高い傾向があり、BtoBも「必要な人に届けば買う」構造になりやすいです。 その場合は全体反応率を追うより、刺さる対象への出し分けを強化する方が効率的です。

  • 購入商品カテゴリ別の出し分け
  • 購入回数別(新規/2回目/常連)で内容を変える
  • 購入周期に合わせた補充リマインド
  • まとめ買い・セット発注提案(BtoB含む)

⑤ メール経由売上比率を上げたいなら「メールの役割」を決める

食品のようにメールが直接売上を作りやすいジャンルもあれば、家電のように検討を前に進める役割が強いジャンルもあります。 売上比率だけで評価すると、検討促進型メールが過小評価されやすい点に注意が必要です。

  • 購入直結型:メール経由売上/CVRを重視
  • 検討促進型:再訪/カゴ投入/指名検索増など周辺指標も重視

最後に:F2改善は“配信施策”ではなく“設計”の勝負です。
初回購入後の体験を整え、次回購入理由をつくり、適切なタイミングで情報を届け、クリック後に迷わせない。 この当たり前をジャンル特性に合わせてやり切ることが、F2を再現性のある仕組みに変えます。

まとめ:ジャンルごとの“違い”を前提に、F2改善を最短で進めよう

2026年のEC運用では、新規獲得だけで売上を伸ばす難易度が上がり続けています。 だからこそ、一度買ってくれた顧客を、いかに2回目購入(F2)へつなげるかが、利益を残すうえで重要なテーマになります。

本記事で紹介した数値は、アクションリンクを利用しているECサイトの平均値です。 また、F2リピート率は「2024年12月の初回購入者のうち、2025年12月末までに2回目購入した割合」、 メールKPIは「2025年12月の実績値」であり、季節トレンドの影響を含む可能性がある点を踏まえて読み解く必要があります。

そのうえで見えてきたのは、ジャンル別に“伸ばすべきポイント”が違うことです。

  • アパレル:開封は強いがクリックが伸びにくい → 興味喚起と導線設計が重要
  • 食品:F2が高くCVRも強い → 提案精度(セグメント)強化でさらに伸びる
  • 雑貨:クリックは強いがCVRが伸びきらない → クリック後の購入導線が伸びしろ
  • 家電・デジタル:クリック×CVRは良好でも売上比率は低め → 検討促進としての役割評価が必要
  • BtoB EC:開封率より“必要な人に届く設計”が成果を左右 → 業務導線に寄せた最適化が鍵

F2改善は、開封率やCTRだけを追うのではなく、ジャンル特性を前提に「どのKPIがボトルネックか」を見極めて、 最短距離で手当てすることが重要です。まずは自社ジャンルのベンチマークを持ち、クリック率・CVR・提案精度・評価軸のどこに課題があるかを特定する。 そこから設計を積み上げることで、F2は“運任せ”ではなく“再現性のある仕組み”に変わっていきます。

シェア
ポスト
メール
客員講師

中村 隆嗣

得意分野/CRM

2014年(株)メディックスに入社し、大手製薬会社や外資系アパレルブランド等メーカー直販ECのコンサルを手がける。2018年にアクションリンクを立ち上げ、2023年ファブリカコミュニケーションズにジョイン。現在に至る。

関連記事

客員講師

中村 隆嗣

得意分野/CRM

2014年(株)メディックスに入社し、大手製薬会社や外資系アパレルブランド等メーカー直販ECのコンサルを手がける。2018年にアクションリンクを立ち上げ、2023年ファブリカコミュニケーションズにジョイン。現在に至る。

AIに選ばれるコンテンツ戦略
ECの情報発信はどう変わる?
東京都港区芝・4月17日